概要
日本の四輪モータースポーツ界ではSUPER GTと並ぶトップカテゴリだが、1台のマシンを2人のドライバーで共有するSUPER GTに対し、1人1台のフォーミュラカーレースというのが最大の違いである。
元祖は1973年に誕生した全日本F2000選手権。これが規定の変遷に合わせて全日本F2選手権(1978年)→全日本F3000選手権(1987年)→全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(1996年)→全日本選手権スーパーフォーミュラ(2013年)→全日本スーパーフォーミュラ選手権(2016年)へと改名を繰り返して現在に至っている。
アジア圏内にスーパーフォーミュラに匹敵する規模のレースは無いため、欧州のF1・北米のインディカーと並び、「アジアのトップフォーミュラ」として紹介されることもある。
欧米からすれば遠い島国のレースだが、全日本F3000時代から多くの欧米人ドライバーが参戦している。今もF1/F2を離れたドライバーやこれからF1に乗る若手ドライバーの需要が高く、海外のビッグネームが参戦することも珍しくない。またKCMGやモトパークのような海外チームのフル参戦もある。
ただ海外開催はフォーミュラ・ニッポン時代にセパン(マレーシア)で1度行われたのみで、あとはずっと日本のサーキットだけで開催されているため、ガラパゴス化という観点からの批判がしばし起きる。
またSUPER GTと掛け持ちするチーム・ドライバーが大半を占めているため、年間7戦のみの開催なのもネックとなっている。
全日本F3選手権も2020年に「スーパーフォーミュラ・ライツ」(SFL)へと改称され、直下カテゴリとしての立場を明確にしている。
マシン
シャシー(車体)はフォーミュラカーレースではもはやお馴染み、イタリアのダラーラ社のワンメイク供給である。2014年に『SF14』、2019年に『SF19』、2023年に『SF23』がそれぞれ投入されており、SF19以降はF1に倣って頭部保護デバイス『HALO』が取り付けられている。
いずれも「クイック&ライト」をコンセプトにする軽量な空力マシンで、SF14が導入されたばかりの頃は「コーナーリングはF1より速いのでは?」と噂されたこともあった。
レース中200秒(以前は5度)の使用が許されている「オーバーテイクボタン」が押されると、ロールバーのライトがピコピコ光り、観戦者に知らせる機能がついている。
タイヤはヨコハマタイヤのワンメイク供給。従来はソフト・ミディアムの2スペックであったが、現在はソフトのみの1スペックとなっている。
エンジンはSUPER GTのGT500クラスと基本設計を共有する、550~600馬力の2.0L直列4気筒ターボエンジン。トヨタ・ホンダの2社で供給を行っているが、政治的な事情もあり、SUPER GTと同じメーカーのエンジンとドライバーを採用することになる。
日産など他陣営のチームに関してはトヨタ・ホンダのどちらからかエンジン供給を受けることになるが、その場合は供給元の意向が強くされたドライバー選定になってしまうことがほとんどである。この点はファンから非難されることもままある。
↑2013年のみ、フォーミュラ・ニッポン時代の米国スウィフト・エンジニアリング製シャシー+V8自然吸気エンジンが採用されていた。また2015年までブリヂストンが1スペックのタイヤ供給をしていた。
その他
Pixivでは2015年に痛車として初めてチャンピオンとなった、INGING(山口カローラ)のマスコットキャラクター・山口美羽にまつわる作品が多い(メイン画像)。
キングレコード社のレースアニメ『ハイスピードエトワール』の製作に、スーパーフォーミュラの運営(JRP)もパートナーとして参画している。
関連項目
SuperGT スーパー耐久…日本国内を代表するサーキットレースシリーズ。スーパーフォーミュラはフォーミュラカー(オープンホイール)に分類。
A2RL(Abu Dhabi Autonomous Racing League)…2024年から開催されているSF23を使用した自動運転によるレース。
レイザーラモンHG/レイザーラモンRG…2022年からピットレポーターを務める
旧名称時代の参戦ドライバー
ミハエル・シューマッハ…全日本F3000時代にスポット参戦した。
ローランド・ラッツェンバーガー…全日本F3000時代に3年間参戦した。