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タイプR(Type R)は、ホンダが製造する自動車に設定されたグレードの一つ。

概要編集

ノーマル車より性能が上げられたエンジン、専用のホイールや外装部品、運動性能が高く乗り心地が硬いサスペンション等などが特徴の、ある意味「純正チューンドカー」とも言えるものである。


全車がMT車で、性能と無関係な部分では、前後に付けられるホンダのHマークは専用の赤いバッジ、専用色のチャンピオンシップホワイトが設定される。


一方で、オーディオクーラーが純正で装着されずオプションのモデルがあったり、遮音材が最低限だったりするなど、快適性の優先順位は低めである。


なお、近年のFK8シビックあたりからはホンダスポーツモデルのフラグシップの役割も担うこととなっているため、ガチガチのサスではなかったり極端にピーキーなエンジン性能ではなくなっており、非常に運転しやすくなっている。電子制御の賜物と言えよう。

主なモデル編集

最初にタイプRが設定されたのは、NSX(NA1型)で、1992年のことである。

「よく走り、なおかつ快適な究極のスポーツカー」を目標に作られたNSXに、車体部品を軽量なものに交換したり快適装備を省けば更に運動性が良くなるのでは?と考えた開発技術者チームの発案がきっかけだという。


以降、1995年からインテグラ(DC2・DB8・DC5型)や、シビック(EK9・EP3・FD2・FN2・FK2・FK8・FL5型)に設定された。

海外ではアコード(CL1・CL7型)にも設定されたが、こちらは日本市場のタイプRよりは幾分快適志向で、日本では同仕様のものは「ユーロR(EURO R)」として発売された。


シビックに限れば、EK9型とFD2型とFL5型以外はすべて英国製、他は国産である。

タイプRといえば国産ホットモデルの雄とも言えるモデルだったが、シビックの場合は英国製の代のほうが多いことになる。

実績編集

NSXを除けば、排気量2L以下で価格も現実的なレベル(例えば1.6LエンジンのEK9型シビックは200万そこそこ、2LエンジンのDC5型インテグラは260万ほど)でありながら性能が高かったため人気を博した。

特に、モータースポーツの中でも、改造範囲が厳しく制限されたクラスでは、純正状態で高い性能を発揮する本モデルはかなり重宝された。


また、ターボ車のFK2型シビックが登場するまでは、全車がNAエンジンだったが、タイプR向けのエンジンはNAエンジンながら出力が高いことでも有名で、これも排気量別でクラス分けが成されるモータースポーツでは有利であった。なお、全盛期にはタイプRは問答無用で1クラス上に強制配置されることもあった。

  • 一般的にターボ車であれば同じ排気量でも1クラス上で戦う必要がある。

先に述べたとおり(NSX以外は)実はかなりのお買い得車だったものの、FN2型シビックあたりから300万円の大台を突破し、性能はともかく従前のモデルより高価格帯となった。


余談編集

  • 赤色のバッジから「赤バッジ」と呼ばれることも。また、タイプR向けにチューニングされたエンジンのヘッドカバーは赤色なので、搭載エンジンは通称「赤ヘッド」と呼ばれる。
  • タイプRが設定される前のスポーツタイプのトップグレードは「SiR」であった。これも速かったが…
  • 国内外ともに人気なため窃盗被害に遭う率が高く、また若年者の任意保険料も高い傾向にある。
  • シビック タイプRユーロ(FN2)はタイプRに含めるか否か諸説あるが、議論が紛糾するので触れないほうがいいかも知れない。
  • 実際はホンダ以外にもタイプRを名乗る車は結構あったりする。例えばいすゞベレット"GT-R"もよくよく読めばGT- Type Rだったり…
  • ホンダのエンジニアが出演したNHKの某番組では、ロボット掃除機の改造に参加したエンジニアの名前を「タイプR」っぽくしたシールが貼ってある。ちなみにその次に出演したN産同じようなネタを仕込んでいたりする(ので、この手のネタがなかったのは初回のT社だけである)。

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