NSRとは
フルカウルの車体に2ストロークエンジンを搭載し、50CCから競技専用の500CCが作られた。どの排気量でも、本格的なレース向けバイクとしての特性を与えられているのが特徴。
競技車両としては
NSR500 (2ストローク水冷V型4気筒エンジン)
HRCワークスレーサー。
NSR500V (2ストローク水冷V型2気筒エンジン)
プライベーターなどに市販されたレーサー。
NSR250 (2ストローク水冷V型2気筒エンジン)
HRCワークスレーサー。
NSR250RK (2ストローク水冷V型2気筒エンジン)
HRCキットパーツ組み込み済みのコンプリートマシンで台数限定のコンペティションモデルとして販売し、いわば公道市販車のNSR250RSPを魔改造して競技車と肩を並べる程の戦闘力を引き出した市販ロードレーサー。
MC16(初代)→NH3A(87)
MC18(2代目'88年モデル)→NH3L(88)
MC18(2代目'89年モデル)→NH3M(89)
MC21(3代目)→NH3N(90)
MC28(4代目最終型)→無し。SS/SPクラス用にKitパーツ販売のみ
NSR150 (水冷2ストローク単気筒)
公道仕様車から保安部品を取り外しレース専用部品を取り付けた市販競技仕様車。
NSR-mini (2ストローク水冷単気筒エンジン)
NSR50をベースとした市販競技仕様車。
などがあり
公道走行車としては
NSR250R (水冷2ストロークV型2気筒)
ワークスレーサーNSR500のレプリカで、市販車のNSRシリーズの中ではフラッグシップとなるモデル。
以下歴代車両説明
MC16(初代)
不振だったNS250Rの後継車種としてデビューし、まさに公道を走るレーサーとしての構成はホンダの本気が窺える。
このNSR250Rの出現によりそれまで他社の2stライバル車に苦渋を舐めさせられていたホンダ陣営の逆襲が始まる。
MC18(2代目'88年モデル)
たった1年でフルモデルチェンジされるのだが、エンジンの出力特性を制御するコンピューターであるPGMの採用やフレームやエンジンなどの細部にも手が加えられた結果、前年モデルとは比較にならない程の凄まじいポテンシャルを持つに至った。
良くも悪くもNSRと言うバイクを今なお伝説と呼ばれるまでに至った原因を作った元凶である。
MC18(2代目'89年モデル)
マイナーチェンジと思われがちだが、実質フルモデルチェンジと言っても過言ではないくらいに手が入れられている。
前後タイヤがラジアル化され、コンピューターはPGM-IIへバージョンアップしカウルやチャンバーの取り回しなども変更されている。
88モデルよりも幾分マイルドな出力特性が与えられたことで88年モデルより扱いやすくなっている。しかし反面その出力特性ゆえに前年モデルよりスペックが劣ると認識されることも多い不遇車種。
だがサーキットタイムは飛躍的に向上しているのでむしろ速い。
MC21(3代目)
これまた全面的にフルモデルチェンジされ、さらにポテンシャルを上げたモデル。
ガルアームが採用され、リアも17インチ化し、コンピューターもPGM-IIIに進化した。
そして統合的な戦闘力のバランスに優れているのがこのモデルの特徴でありサーキットでもストリートでも扱いやすい上に搭乗者に余計なリスクを要求することなく使いこなせるマシンへと進化している。
このmc21でNSRは一応の完成形を見る。
MC28(4代目最終型)
プロアーム、カードキー、新型キャブレター、液晶デジタルスピードメーター、PGM-IVなどの新機能が多数取り入れられたモデル。
mc28から自主規制の煽りを受けて40psへとデチューンされており、上が使えない分しかたないとばかりに出力特性を中低速に振った結果、2st車とは思えない程に乗りやすいマシンへと変貌した。
mc21もそうだがそれより4stっぽいと揶揄されることもしばしば…
プロアームとなったことで従来より後輪がより感じやすくなりベストなコーナーリングマシン
に仕上がっている。
上位グレードとしてMC18からSPグレード、MC21からはSEグレードが設定された。
NSR150(2ストローク水冷単気筒)
タイホンダで生産されていたモデル。
NSR125(2ストローク水冷単気筒)
イタリアホンダで生産されていたモデル。
カウル付きのRとネイキッドのFが存在し、89年にFが1000台限定で日本国内で販売された。
何気にRCバルブ付きのすごい奴
NSR75(2ストローク水冷単気筒)
スペインホンダで生産されていたモデル。
NS-1にNSR80のエンジンを載せて、メットインの位置に燃料タンクを置く、オーソドックスな構成の車体。
日本から持ち出した部品を現地で組み立てた物と、すべての部品を現地で組んだものがあるが、完全現地生産版は品質が悪いとのこと。
元NS-1乗りとしては、原付にしては微妙にオーバースペックな車体は、やっぱりこいつが居たんだねで、納得できる存在。
NSR50/80(2ストローク水冷単気筒)
他社がお遊び程度に作っていたミニ・レーサーレプリカというジャンルに妥協無しの本気の意気込みで投入されたバイク。
50ccと80ccとは車体共通である。
などがラインナップされている。
いずれの車種も現在は絶版車である。
変り種としては
eNSR
ホンダのコンセプトモデルで小さくて折り畳み可能な電動バイク。
などがある。
Ronax500(水冷2ストロークV型四気筒)
厳密にはNSRではないが、ドイツのロナックス社がかつてのNSR500を模した2ストローク500㏄マシンを製作したレプリカモデル。
まさかの公道走行が可能で価格は1,400万円で46台限定生産。
Suter MMX 500(576cc 水冷2ストロークV型四気筒)
これもNSRではないが、スイスのスッター・レーシング・テクノロジー社がかつてのNSR500をモチーフとしたレーサーバイクとのこと。
限定99台でお値段120000 CHF (約1,400万円)
生産を打ち切られて久しいため決して新しいとは言えないが、現在でも中古市場で高値で取引されたり、レースに出場していたりと人気は衰えない。特に、250cc版であるNSR250の人気は今でも高い。
また、50CCのNSR50は原付免許で公道を走れる本格レーシングバイクとして有名である。
そしてこのままNSR含む2stバイクは絶滅の道にいくだろうと誰しもが思っていたであろうが、ある情報が流れ衝撃が走った。
http://alphin.exblog.jp/22802994/
ホンダがNSRを筆頭に旧車の部品生産の再供給に力を入れていく事を発表したとのことである。
やったね!(ニッコリ)
ただどのNSRにも言えることなのだが、レーシングスペック溢れる2stバイクゆえ初心者が乗るのは……あまりおススメしない。
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