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ミッドシップ

みっどしっぷ

エンジン搭載位置による区分の一種で、今日では主に自動車の駆動レイアウトを指す。
目次 [非表示]

概要

原義は「(などの)中央部」のことを指すmidshipだが、一般的には自動車で前輪と後輪の間にエンジンやモーターを置く駆動レイアウトを指す(原義と異なり必ずしも車体のド真ん中にあるという訳ではなく、前輪車軸と後輪車軸の間にエンジン・モーターがあればミッドシップと見做される)。

通常は運転席後部にエンジンを搭載し、駆動輪は後輪とするミッドシップエンジン・リアドライブ(=MR)であり、本記事でも特記が無い限りはMRを中心に扱う。


主に運動性能を重視するレーシングカースポーツカーで多く採用されるほか、例外的にエンジンを貨物室床下に収納する形式の貨物車としてMRが用いられる場合がある。

普通の乗用車フロントエンジン・フロントドライブ(FF)が、トラックフロントエンジン・リヤドライブ(FR)がそれぞれ主流のため、MRの車種は極めて少ない。


国産の市販車ではホンダがスポーツカーから軽自動車まで過去にMRを積極的に採用していた歴史があり、NSXTN360ホンダZ(2代目)S660アクティなどがある。

またトヨタもMR2MR-SのようなMRスポーツカーや、ミッドシップミニバンエスティマ(初代)を製造していた。

意外なところでは三菱自動車の電気軽自動車のi-MiEV/ミニキャブミーブもMRである。


かつてはバスにも多く採用されていたが、現在はリアエンジン・リアドライブ(RR)が主流となっている。


MR車の特性

一般的なMRは車体の中央近くに駆動系が居座っているため、乗車人数は2人が限界でトランクも狭いという、実用性に欠けるレイアウトになってしまうため乗用車(ファミリーカー)には向かない。


最大のメリットは重量物が車体中央部近辺に集中していることにより、遠心力による影響を受けにくく回頭性が高い点にある。またエンジンが後ろにあるため、ボンネットを低くできて、その分低重心化・空気抵抗の低減のしやすさに繋がる。さらにエンジンが後部にある+後輪を駆動するの2点により高性能なエンジンをトラクションを不足させることなく駆動させることも可能で、こうした特性がレーシングカーやスポーツカーにおいて大きな効果を発揮するのである。

ただし、高い操縦性の裏返しとしてカーブなどで適切な運転操作による荷重移動ができないとアンダーステア、オーバーステアともに生じやすいため、FRに比べるとその性能の高さを引き出すための運転が難しいとも言われる。


トラックやバンなどエンジンを床下に置くタイプのMR車では逆に全高が高くなり、通常の貨物車とほとんど外観は同じである。ただしFR車に比べると、荷室内の床はエンジンに圧迫されて高くなる。一方で荷物をたくさん積んでも、重心の移動による違和感が少ないという点はメリットである。


フロント・ミッドシップ

FR車でエンジンの搭載位置を前輪より後ろに下げるなど、可能な限り車体の中心に近づけたものは「フロント・ミッドシップ」と呼ばれるが、これはFRの一種として扱われる。スポーツカーにおいてパッケージや車両の設計思想上の観点からフロントエンジンにしたい(FRの味を顧客に楽しんでもらいたい、2×2シーターで実用性も兼ね備えたい、などの理由)が、MRのように重量物を中央に近づけて運動性能も確保したい、という場合に用いられる。

なおフロント・ミッドシップの対義語として、通常のミッドシップを"リアミッドシップ"と呼ぶ。


MRに比べるとロングノーズになりやすい点や、後輪まで動力を伝達するプロペラシャフトが必要なため駆動ロスや重量増加などが嵩む点がデメリットとなる。


前輪駆動のミッドシップ車(FFミッドシップ)

ミッドシップエンジン車は後輪駆動(または後輪駆動ベースの四輪駆動車)が多い。

しかしコード・L29やシトロエントラクシオン・アバンなど第二次世界大戦前の前輪駆動車は、同時代の後輪駆動車の影響で前車軸の後ろにエンジンを配置していた。また戦後もルノー4やホンダの初代アコード・インスパイアおよび3代目ビガーなどはエンジンの重心位置を前輪よりやや後ろにずらして配置していた。

これらは「FFミッドシップ」と呼ばれ、FFの一種であるとする解釈が一般的である。


一見するとこれも運動性能が高いように見えるが、前輪で駆動する必要があるFF車はトラクションの都合上、むしろフロントヘビーくらいである方が車体バランスが良いことが分かっているため、現代では絶滅している。


四輪車以外

二輪車について

二輪自動車はほとんどがMRである(ごく一部に前輪もしくは後輪にエンジンが取り付けてあるモデルやインホイールモーター車、総輪駆動車がある)。自転車も人間がエンジンの役割を果たす事から、基本的にMRと言えなくもない(前輪駆動の自転車もあるが)。


鉄道車両

気動車のうち大抵の液体式や機械式気動車は中央にエンジンがあるため、必然的にミッドシップレイアウトとなる(1エンジン車かつ付随台車を先頭にするときはMR、動力台車を先頭にした場合はMFというふうになる)。2エンジン車もエンジン-トランスミッション-台車をセットとした単位で見ればMRと言えなくもないだろう。


関連タグ

自動車

前輪駆動(FF) フロントエンジン・リヤドライブ(FR) リアエンジン・リアドライブ(RR) 4WDAWD

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