概要
シトロエン社が1934年から1957年まで製造していたモノコック・ボディの前輪駆動乗用車。
「Traction avant」はフランス語で「前輪駆動」の意。
軽量・低重心で操縦性が高く、室内が広く、前輪駆動車として最初の成功を収めた。
トラクシオン・アバンの駆動方式はエンジンの前にトランスミッションを配置する構造であり、後のルノー4などにも採用された。
略歴
1934年、7CV(4気筒 1,303cc)、11CV(4気筒 1,911cc)が発売される。同年、トラクシオン・アバンの開発費が嵩んだシトロエン社は経営危機に陥り、ミシュラン社の系列会社となった。
1939年、15CV(6気筒 2,867cc)が発売される。第二次世界大戦が勃発し、フランスはドイツに占領された。
1945年、第二次世界大戦が終戦。
1946年、15CVがフランス政府の公用車となる(~1955年)。
1954年、15CVの最終モデル15Hが発売される。後輪にのみハイドロニューマチック・サスペンションが採用された。