概要
1963年に誕生した国産量産車初のDOHCエンジンを搭載したT360、およびそれの後継として1967年に誕生したTN360シリーズの後を継ぐ形で1977年に登場したホンダの軽トラックである。元々はTN360シリーズの流れをくむ形でトラックのみの設定だったが、1979年にバン(ワンボックスカー)が追加されている。しかし2018年4月末をもってバンは廃止(後継車はN-VAN)、トラックの方も2021年3月までにオーダーストップ、そして同年4月限りで生産を終了した。なお後継車は発表されなかったのでホンダは軽トラックから撤退したが、2022年に2代目トラックの純正部品を2020年から再生産している事を明らかにした。
ボディー形状からキャブオーバーもしくはセミキャブオーバーと分類される事があるが、構造的にはアンダーフロアエンジンのミッドシップ(MR)である。 この形式から農道のNSXや農道のフェラーリと言われる事もある。
空車時のトラクション確保および走行能力を得るため、アンダーフロアエンジン搭載やド・ディオンアクスル式リアサスペンションの採用、荷台までフレーム一体式のモノコック構造、高回転特性のエンジン、各メーカーの軽トラック搭載自然吸気エンジンの中でもっともハイギアードな変速比設定など、ホンダならではの独自設計を施してある。
また、初代に関しては、同社の大型オートバイであるゴールドウィングの水平対向4気筒エンジンを元に設計されたエンジンを搭載しているが、これは軽四に使える水冷エンジンがなかったが故の、ある意味苦肉の策であった。なおこのエンジンは1985年発売のトゥデイにも採用された。そしてこれに伴い、日本の自動車用エンジンはすべて水冷エンジンとなった(TN360の最終バージョンであるTN-7は空冷エンジン搭載)。