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ハイブリッドカー

はいぶりっどかー

2つの異なる方式をそれぞれの動力源とする自動車。
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概要

主に燃費の削減を目的に、2つの異なる動力源を組み合わせた自動車
厳密には、エネルギーを蓄積する機構を持つものだけを指す。蓄電池を持たない電気式ディーゼル機関車やペダル付き原動機付自転車(足で漕ぐペダルのついている原付)、モペッド、ガソリン油圧式トラクター等はこの点でハイブリッド動力の定義から外れる。

なぜ低燃費になるのか

あまり知られていないが、ハイブリッド化の最大の目的はエンジンを小さく高効率にすることにある。自動車が最も大きな出力を要求されるのは発進・加速時であり、巡航時には小さな力しか必要としない。これは原則としてどのような自動車でも同じである(無論その自動車の出せる最高速度で運転している時も最大出力が必要だが、それは非力なトラックでもない限り交通違反になる速度である)。この時、エンジンの効率自体は高いが絶対的な燃料消費は大きくなる。
逆に加速時以外にはエンジンの出力余裕が無駄になる。無論アクセルを踏み込まなければ無駄にパワーが発生することはないが、エンジン自体が回転するのに力を消費するため、(燃料消費は加速時ほど大きくないが)少なからず走行に無関係なエネルギーロスが発生する。このロスは一般にエンジンの大きさに比例する。
そこで、もっと小さなエンジンで普段は高効率域で運転し、出力が不足する時にだけエンジンを補助する仕組みがあれば、無駄を減らすことができる。
これは、ドイツ車に多いダウンサイジング・ターボ車同じ考え方で、エンジンをアシストするのが過給器かモーターかの違いだけと言っても過言ではない。
しかしハイブリッドシステムが過給器と大きく異なるのは回収したエネルギーを蓄積できることである。これによりアイドリング時、下り坂や減速時に発生するエネルギーを回収でき、発進時にはこれを利用してエンジンの出力曲線を「平らにならす」ことができる。これに対しターボが回収できるのはエンジンの排気エネルギーだけで、蓄積は出来ない(スーパーチャージャーは「回収」自体ができない)ため、基本的に巡航時のロスしか低減できない。

したがって、長距離高速巡航時はダウンサイジングターボがやや有利、ストップ&ゴーが多い街乗りではハイブリッドカーが大幅に有利となる。

バスなど大型ディーゼル車ではエコターボとハイブリッドの組み合わせが常識になっている。

利点と欠点

電気式ハイブリッド

エンジンと蓄電池を電源とする電気モーターを組み合わせたもの。
システム的にはシリーズ型、パラレル型、スプリット型の3種がある。
現在のところ実用的なハイブリッド方式はこれだけである。プラグイン方式ではエンジンによる発電だけでなく電気自動車のように電力線からの充電もできる。家庭用コンセントを備え、発電機として使える車両もあり、東日本大震災以降非常時の電源確保手段として注目されている。

シリーズ型

エンジンは発電に徹し、走行動力は全てモーターで賄う設計のもので、電気自動車にエンジンと発電機・蓄電池を搭載したものと考えることができる。
この形式はエンジンを小さくするという目的には最も適している。エンジンと発電機は車両の走行に直接関与せず生み出した電力は全て一旦バッテリーに蓄積されるため、出力はモーターより低くともよい。エンジン負荷は常にほぼ一定で定速運転となるため、トランスミッションが不要で効率も高く、制御も単純である。制動時はモーターが回生ブレーキとして働きエネルギーを回収する。

一方で、連続走行距離がバッテリー容量に制限されるという電気自動車と共通の欠点が強く現れる(純粋な電気自動車よりもバッテリー搭載量が増やせないためより深刻な欠点となる)。このため普通乗用車やトラックには不適で、短距離を低速で走行し続ける都市部の路線バスや、限定された場所で使われる特殊作業車(港湾用フォークリフト等)に適する。プラグインハイブリッドとすればこのようなデメリットは大きく軽減される。

モーターのみによって走行するのでギアチェンジという概念はなく、運転者からはCVTに見える。実際の制御システムは電車に似るが、モーターが交流同期電動機のため多少の違いがある。トルコンがないのでクリープは発生しないが、運転を楽にするためにモーターで擬似クリープを発生させ、登坂時のずり下がり防止のためにヒルクライムアシストを装備する。通常クラッチはないが、それに相当するスイッチ(断路器)があり、シフトレバーをニュートラルにするとモーターが回路から電気的に切断される。空燃比が常に理論空燃比に近いため、排ガスの質がきれいである。

JR貨物で使用されているHD300ディーゼルハイブリッド機関車もこの形式で、重負荷での長距離走行はできないが用途が入換用であるため問題ない。またトロリーバスに搭載し、架線の外も走れるようにする試みもある。
東京都丸の内では、ディーゼルエンジンの代わりにガスタービンと組み合わせたバスも使用されている。
代表的なシリーズ式ハイブリッドを採用した製品として三菱ふそうエアロスターエコハイブリッドがあるが、構造が複雑で故障が頻発したため、現在運用されているのは函館バス石見交通だけである。
普通乗用車では、日産のノートE-POWERがこれに近いシステムを採用している。

パラレル型

エンジンとモーターの双方が車輪を直接駆動できる構造のものを指す。モーターは減速時には発電機の代わりになり独立した発電機は不要で、エンジンのみでの走行も可能でありモーターの負担も少ないことから小型のシステムでも長距離の連続走行ができる。しかし制御は複雑になり、またトランスミッションが別に必要となる。設計の自由度が高いためシステムごとの構造の差が大きい。

パラレル型の典型例はホンダのIMAシステムで、直流無整流子電動機がエンジンに直結されておりまさに過給器の代わりに小型モーターを搭載したような構成となっている。。一部車種ではモーターのみでも低速でなら走行できるが、原則としてエンジンで走行する設計であり、補機類をなるべく小さくすることにより重量増加を防ぎ、これ以外の部分は通常のガソリン車と同じとしてコストを低減させるとともに運転感覚の差異を最小化している。モーターのみで走行できない車種もアイドリングストップができるように設計されていることが多い。日野HIMRシステムもほぼ同様の構造であるが、モーターはかご形三相交流誘導電動機である。
電動アシスト式自転車もこの方式に含まれる。

スプリット型
トヨタのTHS等で使われているシステムで、シリーズ型とパラレル型の中間をとった方式とも言える。遊星歯車でエンジン・車軸・発電機をつなぎ、発電機の回転速度によって車輪の回転速度を制御し、必要に応じてモーターでアシストするものである。

走行用モーターは交流同期電動機で、単独で車を走行させることができるほどの出力があるものが使われ、モーターに高電圧を供給するために特殊な昇圧インバーターを使用する。この昇圧インバーターは回生時にも使われ、回生失効速度を低く抑えている。エンジンだけで走行することもできるが、構造上車輪が回ればモーターが必ず回転し、車輪が停止していてもエンジンが回転していれば必ず発電機も回転する。減速時は発電機ではなく走行用モーターを使って発電することで回生ブレーキとする。シリーズ式同様クラッチやトランスミッションは無く、このために重量は比較的軽い。クリープや排ガスの質についてもシリーズ型と同様である。同様にギアも無いのでCVT専用である。

THSはトヨタ車以外にもダイハツマツダ車でも使用される。トヨタ、ダイハツではミラーサイクルエンジン、マツダ車では直噴エンジンと組み合わせられ、高い圧縮比によりエンジン自体の燃費性能も大幅に向上させている。
この方式の欠点は、他の方式と比べて運転感覚に違和感があることと、エンジンを変えると補機類も全部変えなければならないというような設計の自由度の低さである。

蓄圧式ハイブリッド

概ね電気式ハイブリッドの蓄電池と電気モーターがアキュムレーターと油圧モーターに変わったものと考えてよい。電気式ハイブリッドが普及する前に普及したが、装置が大掛かりなため使用されたのはバス車両のみである。日本では三菱ふそうのMBECS、いすゞのCHASSE、日産ディーゼルのERIPの3種が開発された。全てパラレル方式である。
実際の省エネ性能は低く、低床化もできないとあって本格的な普及には至らなかった。整備上の理由から大半は東京近郊で使用された。
思いの外低燃費にならなかったのはシステムが重い上にアキュムレーターの容量が小さく、せいぜい発進の補助程度のエネルギーしか供給できなかったことが原因とみられる。このため、多くが現在までに廃車または通常型バスへ改造されている。
なお、後にドイツのボッシュとフランスのPSAプジョーシトロエンが油圧ではなく空気圧を用いたシステムの研究を始めているが、これも蓄圧式の一種である。

機械式ハイブリッド

フライホイル(はずみ車)やスプリングなどに直接機械的な力を貯める方式。フライホイル式では減速時に駆動軸とフライホイルをつないでエネルギーを回収し、フライホイルの回転でエネルギーを保持する。発進時にこれにクラッチをつないでエネルギーを取り出す。
原理的には非常にプリミティブだが実用化には高度な技術が必要で、現状では極めて特殊な用途にのみ使われる。F1マシンのKERSにこの方式のものがある。
チョロQのようなスプリングモーター式ハイブリッドも研究されており、軽くて蓄積されたエネルギーが自然減衰しない特長があるが、現状では容量が小さく自動車では実用化されていない(モーターを使う家電で採用例がある)。

軍用として

戦車においては待ち伏せや奇襲、敵襲(特に攻撃用ヘリコプター)の察知、エンジン停止中の迅速な行動、動力系統の冗長化のためにハイブリッド化する傾向がある。
なおナチスドイツの時代に使用されたエレファント駆逐戦車は電気式駆動だが、同戦車には走行用蓄電池がないのでハイブリッドではなく電気式CVTである。

ハイブリッド車の課題

コスト・重量

当然ながら補機の多いハイブリッド車のコストは一般ガソリン車と比べて高く、重量も重くなる。ハイブリッドシステムのコストと重量は車格に左右されにくい特性を持つため、一般に高価な自動車ほど割安に、安価な自動車ほど割高になるとされる。ハイブリッド化がまずバスから始まったのもそれが理由である。
近年はコストダウンが進んだが、時に60万円前後での供給をも求められる軽自動車などでは今もコスト問題が顕著となる。実例としてはハイゼットカーゴHVが元のハイゼットの2倍にまで価格が膨れ上がり、同じく軽ハイブリッドのスズキ・ツイン共々、商業的には大失敗となった(ツインHVの生産時期は僅か2年2ヶ月であった)。

これには車両価格以外に、発売当時ガソリン価格が安かった(=燃費はクルマ選びの要素の一つに過ぎなかった。2003年当時のレギュラーガソリン価格は¥100/L前後、2005年でも¥130/L前後だった)ことも原因として考え得る。ツインに関しては2人乗りという仕様がイロモノと見られたことも原因とみられる。

しかし軽自動車は元々エンジンが小さく低速時の効率が高いため、そもそもハイブリッド化する必要が少ないとも考えられ、ダイハツはハイゼットカーゴ生産終了時の会見で「小さな軽にHVは不適」とコメントしている。小型商用車においても同様の傾向が見られる。

もっとも、スズキは2012年以降発売された同社製軽自動車に、電装品の駆動に必要な電力を回生ブレーキで賄う「エネチャージ」を搭載しており、これは一般車にもハイブリッド車のメリットを取り入れる動きと言える。スズキはこの好評を受けて、2014年には、発進・加速時にモーターがエンジンの補助を行う「S-エネチャージ」に発展させ、ワゴンRスペーシアハスラーに搭載(これはソリオイグニスに搭載されるマイルドハイブリッドシステムと同じもの)、軽自動車にも簡便なハイブリッドが一般化しつつある。2017年にフルモデルチェンジされたワゴンRではS-エネチャージではなく「マイルドハイブリッド」と明言している。

安全性

  • 運転感覚は、特に回生ブレーキがある関係でブレーキング時の挙動は一般車と異なる。ブレーキを踏むと速度が低下するに従って回生ブレーキのブレーキ力も低下するため徐々に摩擦ブレーキに切り替わる。そして停止する寸前に完全に摩擦ブレーキのみの動作となり、この時にややギクシャクした挙動が感じられる。またスプリット方式で顕著であるが、高速走行や起伏が多い山道を走行した際にバッテリーが満充電となってしまい、回生ブレーキが働かなくなることがある。この際には当然ブレーキ感覚が変化する。このような現象を回生失効と言い、鉄道車両では古くから知られる現象である。運転者がこれを知っていればドライビングテクニックで対応できるが、通常の自動車の取扱説明書には回生失効に関する記述はなく、アメリカで起きたプリウスリコール運動の原因はこれではないかという意見もある(欠陥ではないが、通常の自動車と比べ違和感のある挙動を示すことは事実)。
  • 補機が多いため信頼性の低下が懸念されている。それだけでなく整備に通常の自動車とは異なるノウハウが必要になることから、現状で整備力に不安のある発展途上国への輸出は限定的になっている。同様の理由で、いかなる状況でも故障が許されない救急車消防車でも採用例はない(パトカーでは採用例あり)。もっともこれはターボ車などでも同様であり、日本でも整備工場の技術力に不安があった時代にターボが嫌われた原因の一つでもある(かつての国鉄バスでは信頼性確保を理由に原則過給エンジンを禁止していた)。
  • エンジンブレーキ(に相当する機能)が弱い。特にシリーズ型、スプリット型は顕著。
  • 一般車の補機用電気系統は12~24Vだが、HV車の走行用電気系統は最大電圧100~650Vに達するので素人が触ると危険である。
  • ハイブリッド車に限らない趨勢ではあるものの、軽量化・燃費重視のためにスペアタイヤがオプションですら搭載できず、パンク修理剤で代用している傾向が見られる。軽量化やスペアタイヤ交換が出来ない運転者が増えたことがその理由とされる。しかしパンク修理剤は万能ではなく、対応できない場合はカーレスキューを利用しなければならない。携帯電話の普及で公衆電話が減っている現代では不安があるという声も多い。なお、かつて日本では4輪自動車においてスペアタイヤ搭載は車検項目に含まれていたので義務であった。
  • 他車の救援や牽引などが出来ない。他車からの救援、牽引を受けることは可能。なお押しがけはMT車なら可能。

実効率

  • 運転の仕方によって燃費が変化しやすい。設計の前提から外れる運転をすれば低燃費性能を発揮できなくなる。これは、ダウンサイジングコンセプト車でも同様であるが、傾向は異なる。
  • 燃費は良くとも日曜ドライバー程度では元が取れないという意見、ハイブリッド車特有の消耗品類が高価であり、このコストを含めると思ったほど安上がりではないという意見もある。
  • ハイブリッドに適さない自動車がある。もっぱら高速道路上を巡航する用途に使われる大型トラックと高速バスについては明らかにハイブリッド化に向かないため、ハイブリッド化しようという構想すら無いに等しい。もっともこれらの自動車は元来普通乗用車よりは効率がよく、特にハイブリッド化の必要がないとも言える(ハイブリッド化はあくまで既存の自動車の非効率的な部分を改善する技術であって、元々効率のよいものをさらに高効率にする技術ではない)。

環境問題

ハイブリッドカーは蓄電池やモーター・発電機など電気系統などの存在から、一般車より生産時に有害物質や公害を多く発生し、貴重な資源を多く消費するという指摘がある。リサイクルに必要なエネルギーも大きくなる。
これについては、現代ではほとんどの自動車が高度に電子化されており一般車でも同様の問題とは無縁ではないという反論もある。たとえばダウンサイジングコンセプト車でもターボチャージャーの製造にレアメタルを消費するし、一般車でも触媒装置に白金を使うほか、近年の車両は電力消費が大きいので大型のオルタネーター(発電機)を搭載する。
しかしいずれにせよ、ハイブリッド車を含め低燃費車の使用時のエネルギー削減量が生産廃棄時のエネルギー消費を上回らなければ意味が無いのは明白である。

自動車そのものの魅力の欠如

現状のラインナップが「走る楽しさ」という魅力を訴求できていないと言われることが多い。
しかしスポーツカーは低燃費が付加価値にならない(スポーツカーはガソリンのみならずスポーツタイヤ、高級エンジンオイルなど高価な消耗品が多いため、燃費性能を向上させても大して維持コストの低減にはならず、またスポーツカーを愛好する層はそのようなコストの高さを厭わない)ため、各社ともスポーツハイブリッドの開発には消極的である。また、スポーツカーで好まれるマニュアルトランスミッションやセミオートトランスミッションは、シリーズ方式やスプリット方式のハイブリッドカーではそもそもトランスミッション自体が存在しないので搭載できない(不可能ではないが搭載する意味がほとんど無い)。
しかし、ホンダCR-Zは「ハイブリッドカーは、エコで終わるな。」と言うハイブリッド=低燃費一辺倒のイメージに一石を投じるキャッチコピーが示す通り、ハイブリッド車をライトウェイトスポーツにまで発展させる試みでなんと市販ハイブリッドカーで初めて6速MTを搭載した。だがホンダスポーツ復活(当時のホンダはスポーツカーが無かった)と前評判は高かったものの、ハイブリッド・FF・CVT(前述の通りMTもあるが)と肝心の購買層が蛇蝎の如く嫌う要素が揃っており後発の86/BRZ等と比べて売り上げは芳しくない模様。(更に一時期フィットハイブリッドにもMT仕様の「ハイブリッドRS」というものまで出てきてしまった。泣きっ面に蜂である。)
さらに、マクラーレンP1フェラーリ・ラ・フェラーリといったスーパーカープリウスGT300TS040などのLMP1-HV車両、NSX Comcept-GT、果てはF1などレーシングカーでもハイブリッドシステムを搭載したものが存在することから、ハイブリッド車とモータースポーツなど走る楽しさという要素を両立することは不可能であるという指摘には大いに疑問がある。
むしろ、このような「走りとエコ(燃費)の両立」の研究開発は進みつつある。そのためハイブリッドカーに限らず「速い車=ガソリンをまき散らして走るもの」という価値観はだんだん過去のものになりつつある。(例えばランエボに関してもCT9AからCZ4Aに変わる段階で燃費もエミッション性能も向上している(もちろん燃費を考えた車種ではないのでそれでも悪いのだが)が、それでも「速さ」という本分は果たしているので文句を言う人間はまずいないであろう。またそもそも耐久など長丁場のレースでは、燃費も戦略上重要なファクターとなる。)

とは言え過去の技術的限界や所謂「社会の空気」と言った諸条件から「Fun to Driveとエコの両立は不可能」と言うイメージが残っているのもまた事実である。
特にHVに関してはエコカーの筆頭であるだけに、「HVでスポーツカー?バカも休み休み言え!」と思われてしまうのである。
もし「HVスポーツ」と言うモノに将来性があり未来を求めるというのであれば、メーカー・ユーザー双方の歩み寄りが必要となる。

まずユーザー側に必要なのは、乗りもせずに毛嫌いし「スポーツカーはMTのFRじゃなきゃダメ」等と決め付ける意識の改革である。結局の所新車が売れなければメーカー側も新型を出さないのだから。
・・・え?「CR-Zに試乗してきたけどやっぱり身体が受け付けない」?
うーん・・・。

ただ、この意識改革をユーザーだけにやらせるのは無理がある。過去がひどすぎたのだから。

なので、メーカー側に必要なのは「HVはエコ"だけ"の技術ではない」と自負するのであれば、
1.まずは動力性能を優先的に確保する。
2.もちろんデザインに関しても、まずは「カッコイイ」「速そう」と思えるもの。
3.広報も「パワー」「スピード」と言ったワードやイメージを多用し、直感・欲望に訴えかける。
4.逆に「エコ」「環境」「燃費」「社会」と言ったお利口さんなワードは絶対に出してはいけない。
5.「打ち上げ花火」として、イメージだけでなく実際にエコを捨てて走りに全振りなモンスターHVを作る、と言うのもアリかも知れない。
6.上ではああ言ったが、たとえばFR、MTといったようなスポーツカーとしてのアイコニックな部分を備えること。
と言うポイントを押さえることである。
つまり、商品・ユーザーに合わせた広報のしかたがあるだろう?と言うことである。
エコのためにクルマの牙が抜かれた歴史は過去に幾度となくあるので、エコロジーなんてこれっぽっちも求めていないユーザーが「エコ」と言われた時点で走りの性能を疑ってしまうのはむしろ当然なのである。

例えばCR-Zのキャッチコピー、「ハイブリッドは、エコで終わるな」。
言いたいことはわかるんだが、仮にもスポーツカーとして売り出すのであればキャッチコピーもCMの作り方も弱すぎる。せめてフォルクスワーゲン・ゴルフ/パサート「GTE」の「退屈なハイブリッドに、終わりを告げる」くらいの獰猛さは欲しいところである。
Volkswagen Golf GTE スペシャルムービー「Mafia vs GTE」
諸事情で放送中止されたリーフ(こちらはEVだが)のCM(ストリートをにおわせるような環境でリーフvs180SXのゼロヨン、と言う内容)も、「加速の常識をうち破る」というキャッチコピーも相まってコンセプトとしては非常に正しいといえる。

そして根本的な問題だが、仮に「環境性能の高いスポーツカーを作る」としても「HVが本当に最適解なのか?」と考えることを忘れてはいけない。あくまでもHVはエコカー技術の"some of them"に過ぎないし、欠点だってある。前述のように使用状況やキャラクター、コストなどからHVに適さないクルマだって数多くあるのである。(例えばスズキのS-enechargeは「HVのメリットを、コストや重量などの面からストロングHVには不適な軽自動車に取り入れるためのシステム」といえる。)

一方で加減速ショックや振動、騒音が少ないためラグジュアリー系の車の開発は広く進んでおり、その意味での魅力のある車種は増えている。高級車の購買層も富裕層が多いためあまり燃費が気にされることは少ないが、これら高級車はビジネスユース(タクシー/ハイヤーや社用車など)として使われることも多く、その場合は燃費が重要な要素になる。

よくある誤解

  • ハイブリッドシステムの重さを相殺するためエンジンが軽いアルミブロックで作られており、一般車より製造時に電気を大量に使うという指摘がある。しかしハイブリッド車のエンジンブロックががアルミ製なのは軽量化が目的ではなくその放熱性を利用したノッキング対策であり、一般車でもアルミ製であることも多いので誤った指摘である。
  • 高速道路ではエンジン走行が主体となり、かえって燃費が悪化するという指摘があるが、「町乗りより一般車との差がつきにくい」というのが妥当である。シリーズハイブリッド車は常にモーターのみで走行し、それ以外のハイブリッド車は常にエンジン動力が主体である。ハイブリッド車はエンジンが一般車よりロスが少ない小出力のものを使用しているので低燃費であることに違いはなく、そうでなければ同様に補機を付けてエンジンを小型化した欧州のダウンサイジングコンセプト車も燃費が悪化することになってしまう。ただしシリーズハイブリッド車については構造上高速巡航に不適であることは先述のとおりである。
  • 欧州、特にドイツのダウンサイジングコンセプト車に比べ出力が劣るという指摘がある。しかし欧州のガソリンは日本のものよりオクタン価が高く、高圧縮にできるから高出力なのであり、オクタン価の低い日本のレギュラーガソリンを入れるとノッキングセンサーが働いて出力と燃費が低下する(欧州車は現地のガソリンのオクタン価から日本ではハイオク指定車が多い)。ただし、ハイブリッド車は一旦エネルギーを電気に変えなければアシストが出来ないため、ダウンサイジングコンセプト車のように燃料がある限りずっと最大出力を出し続けるということは出来ない。


車種

トヨタ
プリウス
プリウスα
アクア
SAI
カムリ(ガソリン・HV併売だが国内販売はHVのみ)
クラウンハイブリッド
カローラアクシオ/フィールダーハイブリッド
オーリスハイブリッド(欧州専売)・2代目後期型から国内販売開始
ヴィッツ(ヤリス)ハイブリッド(欧州専売)・3代目後期型から国内販売開始
シエンタハイブリッド
ノアハイブリッド(エアロ仕様含む)
ヴォクシーハイブリッド(エアロ仕様含む)
エスクァイアハイブリッド
エスティマハイブリッド
アルファードハイブリッド
ヴェルファイアハイブリッド
ハリアーハイブリッド
クルーガーハイブリッド
クイックデリバリーハイブリッド
ダイナハイブリッド
トヨエースハイブリッド
コースターハイブリッドEV
レクサスCT200h
レクサス・HS250h
レクサス・IS300h
レクサス・ES300/350h
レクサス・GS450h
レクサス・RX400/450h
レクサス・LS600h/hL
レクサス・NX300h
レクサス・RC300h

ホンダ
アコードハイブリッド
インサイト
フィットハイブリッド
フィットシャトル/シャトルハイブリッド
フリードハイブリッド
シビックハイブリッド
CR-Z
グレイスハイブリッド
ジェイドハイブリッド
新型NSX(アメリカではアキュラブランドで販売)

日産自動車
スカイラインハイブリッド
フーガハイブリッド
シーマ
ノートE-POWER(シリーズハイブリッドに近いシステム)
セレナS-ハイブリッド(ハイウェイスター含む)
エクストレイル
アルティマハイブリッド(海外専売)
アトラス ピュアドライブハイブリッド

ダイハツ
アルティス(トヨタ・カムリのOEM)
ハイゼットハイブリッド
メビウス(トヨタ・プリウスαのOEM)

富士重工業
XVハイブリッド
インプレッサSPORT ハイブリッド

三菱自動車
アウトランダーPHEV
デリカD:2(スズキ・ソリオのOEM)
プラウディアハイブリッド(日産・フーガのOEM)
ディグニティハイブリッド(日産・シーマのOEM)

スズキ
ワゴンR(S-エネチャージ→6代目からはマイルドハイブリッド)
スペーシア(S-エネチャージ)
ハスラー(S-エネチャージ)
ソリオハイブリッド(マイルドハイブリッド/フルハイブリッド)
スイフトハイブリッド
イグニス
ツイン
ランディS-ハイブリッド(日産・セレナのOEM)

マツダ
アクセラハイブリッド
プレマシーハイドロジェンREハイブリッド(水素ロータリーハイブリッド、一般販売なし)
フレア (スズキ・ワゴンRのOEM S-エネチャージ→2代目からはハイブリッド専用車)
フレアワゴン (スズキ・スペーシアのOEM S-エネチャージ)
フレアクロスオーバー (スズキ・ハスラーのOEM S-エネチャージ)

日野自動車
ブルーリボンHIMR
ブルーリボンシティHIMR/ハイブリッド
セレガHIMR/ハイブリッド
デュトロハイブリッド
レンジャーハイブリッド

いすゞ
キュービックCHASSE
エルガハイブリッド

三菱ふそう
エアロスターMBECS-II/III
エアロスターHEV
エアロスターエコハイブリッド
キャンターエコハイブリッド

日産ディーゼル(現:UDトラックス)
スペースランナーERIP

フォード
フュージョンハイブリッド
リンカーンMKZハイブリッド

GM
ユーコンハイブリッド
シボレーボルト
シボレー・タホハイブリッド
シボレー・シルバラードハイブリッド

ベンツ
Sクラスハイブリッド
シターロハイブリッド

BMW
アクティブハイブリッド3
アクティブハイブリッド5
アクティブハイブリッド7
i8

フェラーリ
ラ・フェラーリ

ヒュンダイ
ソナタハイブリッド
アヴァンテLPiハイブリッド

キア
フォルテHYBRID LPi

マクラーレン
マクラーレン・P1

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