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概説

軽乗用車に「軽トールワゴン」というジャンルを定着させた立役者。屋根と座面を高く取ることで、衝突安全性と一定の走行安定性を確保しつつ、窮屈さを感じさせず開放的な室内空間を実現した、革新的なモデルである。

使い勝手の良さが受けて瞬く間に購買層が広がり、需要に生産が追いつかず、数ヶ月で生産ラインを拡張したほどである。

ほかのメーカーにも影響を与え、ダイハツムーヴ)・ホンダライフN-WGN)・三菱トッポ/ekワゴン)・スバルプレオ/ステラ日産(オッティデイズ)が次々追随して軽トールワゴンを出した。特にダイハツのムーヴは長らくのライバルである。

本車種はマツダにもOEM提供され、初代から4代目まではAZ-ワゴン、5代目はフレアとして販売されている。

登場以来、一貫して日本の自動車市場の売り上げ上位を占める人気車種であり、2000年代後期には日本でもっとも売れている自動車だった時期もあるが、2009年からはエコカーブームの影響でトップシェアの座をトヨタプリウスに奪われた。現在では軽自動車一位の座もホンダN-BOXに奪われている。

なお、初の軽トールワゴンは、1972年に登場したホンダ・ライフステップバンであるが、こちらは乗用車ではなく商用車であり、積載性がワンボックスに劣る中途半端な存在とみなされて全く売れなかった。

世代別の特徴

1993年の発売開始から5年毎にフルモデルチェンジが行われた。

初代(CT、CV系)

四角を基調としたシンプルな外観。機能的な道具感と乗用車的なスタイルを絶妙にマッチさせたデザインは、当時としては非常に新鮮に受け止められた。背が高く小さなミニバンのように見える外見はボリューム感があり、まだ軽自動車に安物感を持っていた当時の多くの人々の心をつかんだ。実は1987年頃すでに原型はできあがっており、最初は若い男性向けの軽自動車としてデザインされていた。キャッチコピーは「クルマより楽しいクルマ」。スズキとしてはどちらかというとニッチ狙いの車種として売り出したのだが、機能的なコンセプトがバブル崩壊後の世相にマッチし老若男女に受け入れられる大ヒット作となった。

のちのモデルと違ってフロアを二重構造にし、床を8cmかさ上げしているのが特徴(結果的に遮音にも効果があったが、スペース効率は落ちる)。もともと後席の居住性は重視していなかったが「大人4人がゆったりと乗れる」、「車高が高いので腰をかがめなくてよく、乗降しやすい」軽自動車は、当時の人々にとっては新鮮な驚きがあったようだ(それでも後席の足元は狭い)。

当初は全グレード自然吸気エンジン、後席ヘッドレスト無し、右後部ドアなしの4ドアという構成で、ミッションは3速ATか5速MTだったが、販売の好調を受け、ターボつき、4速AT、5ドアモデル、サンルーフ付き、後席ヘッドレスト付き、福祉車両など、多数のバリエーションが生まれた。

2代目(MC系)

軽自動車の規格改定にあわせてフルモデルチェンジ。幅が少し大きくなり、全体的に丸みを帯びたスタイリングになった。

この代もバリエーションが多く、ミッションは3速AT、4速AT、MT、CVTと4種類があり、サンルーフ付き、天然ガス (CNG) 仕様などの特別仕様車も多かった。先代の5ドアモデルの販売が好調だったことから大人4人乗りを前提としたコンセプトに転換を図られ、後席のかけ心地が改善されたが、荷室の広さを確保する関係上、後席の足元はまだ狭い(これが解消されるのはモデル末期に後席にスライド機構が追加されてからである)。ほとんどのモデルが5ドアだが、初期型のみ運転席側1ドア、助手席側2ドアの4ドアモデルが存在する。

3代目(MH21、22S)

再び角を強調したデザインになった。安っぽさが指摘されていた内装品質が改善され、後期モデルではドアに内張も追加された。先代の末期モデルを引き継ぎ、後席は足元、頭周りとも広々としている。

また、スポーティモデルの「スティングレー」が追加されたのもこの代からである。

4代目(MH23S)

全体にキープコンセプトだがデザインの路線を若干変更し、つり目になるなどスタイル重視の外見となった。ドアが大きくなり室内居住空間が拡大した。内装はフラット感、道具感を強調した従来からうって変わってボリューム感重視の乗用車然としたものになり、シフトレバーも従来のコラムシフトからインパネシフトに変更された。リアシートのスライド機構が従来の90mmから160mmに拡大され、シートアレンジの自由度や日常での使い勝手が一層向上している。ステップATの設定はこの代が最後である。

5代目(MH34S)

「発電」をキーワードに、さまざまな新機構を搭載して低燃費化が図られた。

ブレーキを踏んで時速13km/hになるとエンジンが止まる新アイドリングストップシステム、通常のバッテリーとは別にリチウムイオン電池を搭載、大容量、高効率のオルタネーターを使い、減速時のエネルギーを発電に利用してガソリンの使用量を抑える「ENE-CHARGE」、アイドリングストップ中、蓄冷材を通した冷風を室内に送ることで室内の温度上昇を抑える蓄冷技術「ECO-COOL」などを全車標準装備。

内外装は4代目のキープコンセプトである。ミッションはCVTが売れ筋だが、MTモデルも依然として設定されている。この代のみ、4年でフルモデルチェンジされている。

6代目(MH35S/55S)

2017年、アルト(8代目)のプラットフォームをベースにモデルチェンジされた。外装デザインは初代を現代風にアレンジしたものとなった。

新プラットフォームにより最大70kgの軽量化を達成。パワートレインは、廉価版以外は前モデルのエネチャージを発展させたマイルドハイブリッド仕様となった。ファミリーカーとしては軽スーパーハイトワゴンのスペーシアが売れ筋になったことからワゴンRはややパーソナル感重視のコンセプトにふっている。具体的には後席の窓を小さくし、全高を5代目より少し低くしている。一方でエンジンルームの前後長を短縮したことで車室を広げ、後席の足元空間を拡大するなど4人乗車時の快適性にも手を抜いていない。

安全面では衝突軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート」などを軽自動車で初めて装備したほか、これらを表示するHUD(ヘッドアップディスプレイ)を搭載している。

インパネにはラパンのような棚を設け、水平を強調した開放感あふれるものとなった。このほか、後部ドアに傘立てやユーロウインカー(ウインカーレバーを軽く触ると3回点滅する)も装備している。当初は全車CVTであり、MTモデルは設定されなかったが、半年ほど遅れて設定された。2020年現在、唯一MTが選択可能な軽トールワゴンである(2代目にモデルチェンジしたハスラーにも後からMTが追加される可能性もあるが...)。

余談

ワゴンRという車名は、「ワゴンもある→ワゴンあーる→ワゴンR」というダジャレで命名された。元々は「ジップ」という車名を採用する予定だったが、開発メンバーの一声で変更になった経緯がある。

スズキが主戦場とするインドでも同じ車名で売られている。最初の頃は日本のワゴンR+(ワゴンRソリオ)そのものだったが、現行型は車幅が1620mmもあり外内装のデザインもかけ離れており、もはや日本のそれとは完全に別物である。

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