「ヘッドアップディスプレイ」とは
軍事
軍用機の操縦席の前部に透明なディスプレイを設置し、それに各種マーカーや高度などを、ディスプレイ前方の景色と重ねるように表示し、計器に視線を移動させることなく必要な情報を視認できる装置。
グラスコックピットの一要素であり、プロペラ機の時代からあるハーフミラーを使った照準装置から発展したものである。
開発中の戦闘機F-35ではHUDが廃止され、パイロットはヘルメットと一体型のHMDで全方位を確認できる。
歩兵用ではシースルーディスプレイタイプのHMDと組み合わせることで周辺地図やUAV等から得た情報、友軍の位置、敵兵の位置、自身や部下のバイタル、弾薬の状況等を表示させ、効率の上昇や兵士の死傷率の減少を目指したものが開発されている。
民生
また、車でも一部の車種には、フロントガラスや透明なディスプレイに速度などを投影する機能がある。
社外製品により既存の車両に追加することも出来、追加メーターのセンサーやECU等とリンクさせることで表示可能な情報を増やすことも出来る。
これにより運転中、視線をメーターに向ける必要が無くなり、交通事故防止に役立つ。
一部のカーナビでは車線や進行方向の指示等を透明なディスプレイ上に投影することでナビの画面に視線を向ける必要を亡くした製品も登場している。
また、GPSやセンサー等を搭載したスマートフォンを利用してHUDとするものも登場している。
医療分野でも、患者の様子と脈拍などのバイタルサインを重ねて表示できる機器が開発されている。
俗語
(現時点では主にゲームにおいて)視界内に方位や武装の状況などを表示したものをゲーム用語「HUD表示」と呼ぶ事がある。
おもにFPSなどで用いられる手法で、効果は本義のHUD、もしくはHMDに相当する。
また同様にHMD内でのデータ表示を便宜上「HUD表示」と呼ぶ事もある。
関連イラスト
一番上の透明な板がHUD