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曖昧さ回避

  1. トヨタ自動車ハイブリッドカー。本項ではこれについて説明する。
  2. 日立パソコンの商品名。
  3. オンラインゲーム「プリウスオンライン」の略。

概要

1997年に初代が登場した世界初の量産型ハイブリッド車。2003年の2代目はガソリン価格の高騰とエコカー減税の追い風で日本国内の売り上げトップとなり、ハイブリッドカーの存在を国内外で身近なものにした。3代目と4代目は、33年連続販売台数1位を記録したカローラの代わりに、トヨタのエース的存在となっていた。3代目の途中からはプラグインハイブリッド(PHV、PHEV)仕様も登場した。


トヨタ車らしく信頼性も高く、国内外問わず社用車やタクシーなどの業務用としても広く普及している。


現行の5代目は4ドアクーペのようなスタイルと出力も重視したパワートレインで、スポーツ志向を強めた。近年は他の多くの車種にプリウスと同じハイブリッドシステムが使われるようになったため存在意義に疑問を呈されることもあるが、20年以上をかけて培われた"ハイブリッド専用車"のイメージから、今も(新車、中古車)市場では高い人気を誇る。


歴代

初代 NHW10/11(1997年 - 2003年)

1998 Toyota Prius

「21世紀に間に合いました」のキャッチコピーで売り出され、量産品では世界初のガソリン電気タイプのハイブリッドカー。背の高い特徴的なプロポーションで、当時は採用例の少なかったマルチインフォメーションディスプレイとセンターメーターを採用していることから話題になった。車両価格はわずか215万円と、歴史的新動源を搭載する車としては破格の安さであった。


初期は売れば売るほど赤字になってしまうと噂されたが、後期には量産効果でコスト削減に成功した。それでも当時はガソリン価格も安く、カローラなどに比べ割高だったため販売台数は限定的だった。


カタログ燃費は当時の10・15モード燃費で28.0km/l、後期モデルが31.0km/lと当時としては圧倒的な値を誇っていたが、実燃費とは大きくかけ離れていた(実燃費はカタログ値の6割程度と言われており、当時の自動車としては良い方ではあるがそこまで突出した水準ではなかった)たことが問題視された。これはトヨタが悪いわけではなく、10・15モードの測定が実態とそぐわなかったためで、特にプリウスのようなハイブリッドカーは実燃費との差の大きさが目立った。


2代目 NHW20(2003年 - 2011年)

2004 Toyota Prius

初代の5ドアセダンから、ライバル社のハイブリッドカーを彷彿とさせる5ドアハッチバックに変化。初代は5ナンバーサイズ車だったが、海外向け販売のために3ナンバーサイズ車になった(ただし、プラットフォームそのものは初代と同じ)。


この代からEV走行が可能となり、実用燃費が飛躍的に向上している。この世代から新型ハイブリッドシステムのTHS(Toyota Hybrid System)IIが採用され、その後改良を重ねながら多くのトヨタ車に広まっていった。欧州と北米でカー・オブ・ザ・イヤーをダブル受賞したのはこの世代のプリウスである。


カタログ燃費は10・15モードで35.5km/L。折からのガソリン価格高騰もあって、一挙にトヨタの売り上げ上位に躍り出たが、上記の実燃費との乖離も広く知れ渡り、日本のカタログ燃費の測定方法がより現実の走行モードを考慮したJC08モードに移行する一つのきっかけになった。それでも当時の自動車としてはプリウスの燃費がずば抜けていたことは明らかだった。


3代目発売後もこの2代目は法人需要を鑑み、グレードを「EX」に一本化して整理した上で販売を継続。その後2012年にアクアに置き換えられる形で販売を終了した。


3代目 ZVW30(2009年 - 2015年)

newプリウス

3代目はカローラランクスの後継であるオーリスの基本構造を採用し、高速域での燃費向上を狙って排気量がアップ(1NZ-FXEの1500cc→2ZR-FXEの1800cc)。

上位グレードや特別仕様車ではLEDヘッドランプを採用していたり、貧弱だと言われた車体を改善したスポーツモデル・「G'z」を追加するなど内外装のアップグレードも行われている。後にステーションワゴンで7人乗りも選べる「プリウスα」が発売されている。

この代から純走行用バッテリーを増設したプラグインハイブリッド(PHV)仕様も投入された。普通のプリウスとほとんど見た目は変わらなかった(せいぜいバッジの違いと充電ポートがあるくらい)。が、実は密かに定員が4人に減っている…


この代は月販・年販1位を連発するようになる。その人気は生産終了後も衰えず、4代目、そして5代目にモデルチェンジした現在も、中古車市場で人気の車種になっている。


派生車にプリウスαCT200hがある。前者は2020年、後者に関しては2022年まで生産されていたことからも、この3代目の完成度の高さはおわかりいただけるだろう。


4代目 ZVW50(2015年 - 2022年)

4代目プリウス

TNGAプラットフォーム第一号車として登場。リアササスペンションをダブルウィッシュボーン化して、走りの質感を大きく向上させた。

低燃費化にもさらに磨きがかかり、エンジンは熱効率40%を達成し、特定グレードのみだがJC08測定法で40km/lに到達。加えて待望の4WD(E-Fourと呼ばれる電気式4WD)が追加された。センターメーターはこの代でも踏襲されている。

3代目までの丸みのある感じとは打って変わってエッジの効いた大胆なデザイン(社長ですらもカッコ悪いと評しているが、開発陣の自主性と議論を活発にさせることを重視してそのまま発売したとのこと)は多くの批判を呼んだが、それにもかかわらず2016・17年と登録車の年間販売台数1位を獲得している。


2018年のマイナーチェンジでマイルドな表情へと見直されると、2019年にも年販1位を獲得した。また同マイナーチェンジで、新たにカローラスポーツから搭載されるようになった通信機能(DCM)が標準装備されている。その代わり、JC08モードの燃費が39km/lに落ちた。

この世代からToyota Safety Senseや踏み間違い防止機能が導入された。ただし年式やグレードによってはメーカーオプション設定。


ひまわり

PHV仕様は前後のデザインが普通のプリウスとは別物に変えられている。ソーラーパネルが装着できるほか、縦長のオーディオ・ナビゲーションシステムが装着されていた。またベースのプリウスには設定されていないGR SPORT仕様が、PHVにだけ用意されている。発売直後は先代同様に定員が4人だったが、2019年の改良で定員が5人に増やされた。


5代目(2022年 - )

新型プリウス

2022年11月16日ワールドプレミア。

開発責任者いわく「これまでのプリウスのイメージを払拭したい、そして愛車にするためにはどうすべきか」をコンセプトに世に送り出され、16代目クラウンに通じる、グリルとヘッドライトがつながったフロントデザインと、4ドアクーペ/スペシャルティカーとも形容できるような低くスタイリッシュなフォルムが特徴的。先代は社長からも格好悪いと言われたが、5代目は社長も太鼓判を押したそう。


なおTHSの世代交代はプリウスのフルモデルチェンジとともに行われるのが恒例であったが、この世代は先に行われたノア/ヴォクシーのフルモデルチェンジでTHSが刷新されている。この理由は公式では明らかにされてはないが、一説には第4世代目THSは重量増加による燃費悪化が著しいのが弱点で、第5世代THSはこの弱点を改善する必要があったこと、そして売れ筋ながらモデルサイクルが伸びに伸びていたノア/ヴォクシーのモデルチェンジを優先する必要があったとネットで推察されている。

参考:stella cadente『トヨタハイブリッド車の第5世代を考える


プラットフォーム自体はGA-Cを継承しているが、ホイールベースを伸ばして全長と全幅も少しだけ拡大し、車高は40mm下げられている。ハイブリッドシステムは1.8L+モーターもしくは2.0L+モーター。PHV仕様は2.0L+モーターのみで、EV走行可能距離が先代と比較して5割増しとなった。第3→4代目では出力が122馬力にまで低下していたが、この第4→5世代では1.8Lで140馬力、2.0Lモデルではなんと200馬力近く(初代86と同水準)にまで達している。ただその代償か、燃費については先代とほぼ同等とのことで、大きなアピールはしていない。


2代目以降ついていたハイブリッド(HYBRID SYNERGY DRIVE)のエンブレムがなくなり、「○(青い丸)HEV」という新しいエンブレムがついている。PHVとHEVで見た目に差はなく、定員数も同じなのでパッと見では違いはわからない。


初代から続いたセンターメーターはこの世代で遂に廃止され、HUD風ディスプレイに置き換えられた。センタースクリーンは上級グレードでは12.3インチの大画面を採用する。

市販グレードはZとGの2つのみで、ZにのみPHVが設定される。それとは別にKINTO専用グレードのUがあり、あとからアップグレードすることができるようになっている点が他のグレードと異なる。


駆動システム

初代以来、余ったエンジンの馬力を充電やモーター駆動に回したり、電気自動車としても走行できるなどの複雑な制御を可能とするスプリット型ハイブリッド「THS(Toyota Hybrid System)」を採用している。

トランスミッションは『電気式無段階変速機』となっているが、正確にはトランスミッションは存在せず、遊星ギアの自動制御によりバッテリー・モーター・エンジンのエネルギーを振り分けている。THSはプリウス以外の他車種にも適用されている。

基本的にモーター主体で走るため音が小さく(よ~く聞いてると「みー」という小さい音がしている)、歩行者が自動車の接近に気付かず事故の原因になることがあったため、車両接近通報装置というものがオプション設定され、それがニコニコ動画ネタにされている時期があった。


その複雑さゆえに初期のTHSは非常に大きく重いものであったが、小型化が進んだことで、非ハイブリッド車との重量差はわずか50kg程度にまで縮まっている。


GT300車両

2016 Toyota Prius apr GT

2012年からSUPER GTのGT300クラスで、aprがこの車種で参戦している。改造可能範囲が非常に広く、ミッドシップにGT500用の競技専用V8自然吸気エンジンを積むなど実質は「プリウスに似た謎の車」状態になっていたが、ハイブリッドシステムの多くはレース専用品ではなく、市販車のものを使用していた。なおaprはこの前にカローラアクシオをベース車両として参戦していたが、プリウスGTはこれの主要コンポーネントを受け継いでいる。


優勝経験もあり、特に熟成の進んだ2015年シーズンでは惜しくもシリーズチャンピオンを逸したものの、8戦中2回優勝(ランキング上位ほどハンデを課せられるこのレースでは相当優秀な成績である)で、年間ランキング2位につけた。

この2015年をもって3代目がベースの車両の参戦は終了を宣言され、その後の去就が注目されたが、2016年の1月に4代目ベースで2台体制で参戦することが発表された。


2019年シーズンからは派生モデルのプリウスPHV GR SPORTベースに切り替えられ、規定の変更(ベース車両と同じエンジン搭載位置にしなければならなくなった)によりフロントエンジンでの参戦となる。またエンジンはRC Fの市販車用V8自然吸気へと変わっている。ちなみにこれは2020年からGT300に参戦する埼玉トヨペットのGRスープラ、2022年からaprが他チームに供給しているGR86とも同じエンジンで、かつ両者ともプリウスと主要コンポーネントを共有している。


しかし1990年代末期からMR2MR-Sなど長らくミッドシップ車両のみを手がけていたaprはフロントエンジンのセッティングに苦戦し、この世代は最終年の2022年に1勝を挙げるのがやっとだった。

2023年から、中身はほぼそのままベース車両がLC500hへと切り替えられ、プリウスは11年に渡る役目を終えた。


留意点

ハイブリッドカーの駆動用バッテリーは、スマートフォンのバッテリーなどと同様経年劣化する。登録から5年以上経過した車両を中古車で購入する際は、寿命を迎えた駆動用バッテリーの交換を前提に考える必要がある。トヨタの場合、メーカー保証として新車購入から5年以内、または10万キロ走行以内であれば無償で駆動用バッテリー交換ができるが、保証切れの場合、HVモデルは工賃込みで20万円弱を交換費用として見込んでおいた方がいい。PHVはさらに高価で60〜70万円と言われている。とはいえ、第2世代以降はほぼ20万キロは無交換で走り切れるだけの耐久性があるため、中古車自体の安さも含めて考えるとそれほど問題視しなくてもよさそうである。


また、プリウスは同じトヨタのランドクルーザーハイエースと並んで窃盗団に特に目をつけられやすい車種の筆頭だ。車両狙いのほか、レアメタルの販売を目的に触媒コンバーターだけが切り取られてしまうこともある。旧型プリウスは触媒コンバーターにレアメタルを多く使っていたため、窃盗団の格好の餌食となっている。特に治安の悪い地域や、窃盗団の輸出拠点の多い湾岸部では特に注意して対策する必要がある。


プリウスが登場する作品

一般に、自動車系でないアニメや漫画における自動車は車種がぼかされて描かれることが多いが、プリウスに関しては普及した乗用車のアイコンとして登場させやすいのか、プリウスそのものや、明らかにプリウスと思しき車が登場することがしばしある。



関連イラスト

G'sプリちゃんトヨタ新型プリウス

プリウスαたん!秋の交通安全運動


関連タグ

自動車 トヨタ プリウスα

アクア(トヨタ)...海外名「プリウスC」。

ハイブリッドカー プラグインハイブリッド

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