概要
2021年6月15日発表、同年8月17日発売の3代目E13型ノートの派生モデル。
2代目E12型ノートに設定されていた高級グレード「MEDALIST」の事実上の後継車である。
「オーラ」は、「(独特の)雰囲気」や「気品」などを意味する英語(原義はラテン語)からとられた。
日産の公式サイト上では単に『オーラ』と表記されているが、「ノートオーラ」も普通に使われており、公式でも表記が分かれている。
発売時点で、以下の点がノートとは異なる。
- 発売日はノートが2020年12月23日、オーラが2021年8月17日。
- ノートは日本専売で、オーラは欧州でも販売。
- ノートは5ナンバーサイズ(全幅1,695mm)で、オーラは3ナンバーサイズ(同1,735mm)。
- 最小回転半径はノートが4.9m、オーラが5.2m。
- フロントモーターの最大出力はノートは116ps/280Nm、オーラは136ps/300Nm。オーラのトルクは3.0L自然吸気エンジンに匹敵する。その分燃費はわずかにノートの方が良い。
- 内装はオーラの方がプラスチック感が少なく、全体的に高級感のあるものがおごられている。
- オーラは、20km/h以下でのエンジン回転数を1,600回転以下に抑える制御を追加されている。
- オーラは「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」、「12.3インチカラーディスプレイ」、「シーケンシャルウィンカー」のオプションを選択可能。
- オーラは前方のサイドウィンドウは二重構造の遮音ガラス、ルーフにも吸音材が追加されるなど、より遮音性が高められている。
- オーラのみNISMOの設定がある。オーラ発売日に2WDのNISMOが発表され、同年秋から販売されている。ただしノートにはあるクロスオーバーグレードの設定はオーラには無い。
逆に以下の点は共通している。
- プラットフォームはルノーのルーテシア(そしてOEM版となった三菱・コルト)やキャプチャー(同じく三菱・ASX)、アルカナなどと同じ「CMF-B」を採用。
- 日産のシリーズ式ハイブリッドシステム「e-POWER」専用車となる。トランスミッションは搭載されずモーターが車輪軸と直結する。
- 搭載される発電専用エンジンは、3代目ノートと同じく1,200cc直列3気筒のHR12DE型。直列3気筒の弱点である偶力振動を抑制するための「アウターバランサー」を備える。また静粛性を重視し、車速域に応じてエンジン回転数を変化させる制御がなされている。
- 駆動方式はFFと4WD。4WDはリア部に高出力モーター(68ps/100Nm)を搭載した本格電動四駆システムとなっている。
- 安全運転支援機能のプロパイロットがカーナビとも連携できるようになっている。プロパイロットはオプション設定である。
- 電動パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能を備える。
- 日産のコーポレートアイデンティティ(CI)のマークは新デザインを採用し、リアもバラ文字のNISSANエンブレムとなっている。
- チューニングカーグレードを除き、足回り(ダンパー・ブレーキ)は基本的に共通。リアブレーキがドラム式なのはオーラNISMOも同じである。
車名別販売台数やカー・オブ・ザ・イヤーなどの集計上ではノートに含まれる。そのため2021年日本カー・オブ・ザ・イヤー、2022年RJCカー・オブ・ザ・イヤー、2023年国内コンパクトカークラス販売台数1位といった記録はいずれもノートとの合算となっている。他社で言えばスズキの4代目スイフト/スイフトスポーツと関係が近い。
なおノートとの販売比率は2023年時点でノート:オーラ=6:4程度である。
2024年6月13日にマイナーチェンジ。フロントマスクやアルミホイールのデザインが尖った方向にリニューアルされ、前期型では外装はほとんど見分けが付かなかったノートとの差別化が図られた。
内装ではダッシュボードの収納が拡大化され、運転席にパワーシートが標準装備された。
また本格的なスポーツ制御と強化されたリアモーター(82ps/150Nm)を備えた4WDの「NISMO tuned e-POWER 4WD」が追加された。このグレードはノートオーラで唯一、エコカー減税が適用されない。
これは余談だが、日産/NISMOが参戦している電動フォーミュラカーのFIAフォーミュラE世界選手権でも、2024-2025年シーズンから4WDが採用されている。
同年12月にライトチューン版の「オーテックスポーツスペック」も2WD限定で発売された。