概要
マツダの伝統であるロータリーエンジン搭載の2ドアFRクーペであり、1978年から2002年まで生産された。
かつてロータリーエンジンを世界で唯一実用化に成功していたマツダのフラッグシップモデルと呼べる存在である。北米耐久レースのIMSAや日本のSUPER GT、スパ・フランコルシャン24時間レースなど名だたるレースで総合優勝を果たした。特にIMSAでは市販車クラス通算100勝という金字塔を打ち立てて、マツダの名声向上に大きく貢献した。
また「孤高のロータリースポーツ」というイメージが、ある種のドラマ性を掻き立てるためか、昔も今も創作物においてカリスマ性を持ったキャラクターの愛車に設定されることが多い。
初代
SA22C型。『サバンナRX-7』とも呼ばれる。
1978年3月の発表当時はスーパーカーブームのさなかであり、RX-7も日本製スーパーカーとして話題になった。
搭載されたエンジンは12A型で、当初はシングルキャブレター仕様だったが、後に電子制御インジェクション+ターボも搭載された。
『バトルフィーバーJ』(バトルフィーバーカー)や『メガロマン』、『ウルトラマン80』(スカウターS7)に『宇宙刑事シャイダー』、『巨獣特捜ジャスピオン』と、特撮作品では幾度となく登場しており、『大戦隊ゴーグルファイブ』のゴーグルクーガー、『超電子バイオマン』のバイオターボ、『仮面ライダーBLACKRX』のライドロンも本車両を改造したものである。
2代目
FC3S型。「サバンナ」のペットネームはここまで。
1985年10月にフルモデルチェンジ。搭載されるエンジンが13B型ターボに変更。
カブリオレのFC3C型も存在(FD発売後も翌年まで販売された)。
ポルシェの944に酷似したデザインから「和製944」、「プアマンズポルシェ」とも呼ばれた。
3代目
FD3S型。
これを機にマツダが当時展開していたアンフィニブランドによる発売となり、名称がアンフィニ・RX-7(εfini RX-7)となった(4型初期まで)。
低回転時は1基 高回転時は2基と回転域でターボの使用基数を回転変化に合わせて切り替えるシーケンシャルツインターボを初採用し鋭いアクセルレスポンスと高出力の両立を実現。ただし開発陣が 「エンジンをもう1基積むのと同じくらい高かった」と後に語るほど高価であり車両価格の高額化の一因になったほか
ターボを切り替えために複雑化した制御系統がトラブルを起こしやすくなったため、後によりシンプルな構造に改良された。
フロントのコンビランプが4型までと5型以降のもので形状が違い、テールランプは3型までと4型以降のもので発光パターンが違う。
1997年10月、アンフィニブランドの廃止により販売名がマツダRX-7(MAZDA RX-7)となる。
なお、足回りの設定は初期型が出来るだけストロークさせないようガチガチに固めたセッティングにされていて一番固く、後の型ほど柔らかく、最終の6型が一番柔らかいセッティングになっている。これは研究開発が進むにつれてサスペンションを積極的にしなやかに動かしてやった方がより素直なハンドリングが得られることがわかったためで、この結果、ピーキー過ぎ事故も多かった初期型と比べ最終の6型は素直で乗りやすくなっている。
ただ、研究の過程で基本的にサスペンションのストロークが不足しており、設計からやり直さないと更なる改良は不可能なことも判明。この成果は後に登場するRX-8を開発する際にサスペンションストローク出来るだけ長くとるかたちで反映されている。
ちなみにRX-7の販売終了後に登場したRX-8は後継車ではなく、マツダ自身が新規車種と紹介している。RX-8は観音開き4ドアの4人乗りであることを全面に押し出し、よりファミリー向けの車種となっている。
内装
運転席と助手席しか無い2シーター車と思われがちだが、モデルによっては後部座席が一応、法的な登録上、形としては、存在しているということになっている。
しかし、その実態はと言えば、
- ドアを全開にして前部座席をおもいきり前に倒さないと乗り込むのも大変
- 前席との隙間は殆ど無いため、ドライバーや助手席搭乗者の身長によっては座ったあとで前部座席を戻すと足が挟まれるような状態に
- 車体後部の形状から後部座席の天井が低い。独立したヘッドレストも無い
- センタートンネルで分断された深いカップ状の座面は大人の尻が収まるかどうかすら怪しいサイズな上に、前縁が極端に上がっている
- 結果、成人男性どころか女性ですら、よっぽど小柄でない限り、ほぼ確実に、尻が穴にはまった半端な体育座りのような姿勢で乗るハメになる
という凄まじいもので、法的には座席扱いなのでシートベルトを設置こそしたが、実態は荷物置きになる固定式のバケツみたいな代物であった。
チャイルドシート義務化前なら子供であればどうにかすっぽりと乗れたが、それでも足を伸ばせるかは怪しい。
前席ですらセンタートンネルで助手席と明確に分断されていて、エアコンの操作パネルが運転席側に傾いているなどの設計から、RX7は2シーターどころか「基本的には運転手一人のことしか考えていない」といった表現をするカー雑誌や、「事実上の一人乗り」「後部座席はバケットシートじゃなくて本当にバケツ」などと評する7乗りもいた。
関連タグ
リトラクタブルヘッドライト:日本車では、最後に搭載されていた車種であった。
RX-78-2ガンダム:機体番号はこの車種が元ネタなのは有名な話。後述の安室が愛車にしてるのもこちらに由来している。
那智渡(よろしくメカドック):黄色(アニメ版では緑)の初代を愛用。ゼロヨンGP、東日本サーキットGPでは特製の3ローターエンジンを搭載した。
高橋涼介(頭文字D):白い2代目を愛用。無敗伝説により、「白い彗星」の異名を取った。
高橋啓介(頭文字D):黄色の3代目前期型のアンフィニを愛用。プロジェクトD無敗の上りのエース。とある事情により、兄・涼介のFCや岩瀬恭子のFDを使わせてもらったこともある。
岩瀬恭子(頭文字D):黒の3代目を愛用。啓介がツインタービンなのに対し、恭子はシングルタービンという違いがある。
香川竜馬/ナイトファイヤー(特救指令ソルブレイン):2代目ベースの赤いスーパーパトカー・ナイトカスタムに搭乗。
佐藤美和子(名探偵コナン):父が生前乗っていたアンフィニのFD3S型を愛用。ボディーカラーは赤色で覆面パト仕様。
安室透(名探偵コナン):白い3代目が彼の愛車にして、共に様々な窮地を潜り抜けてきた戦友。ゼロの執行人の終盤でいくつもの非常事態を突破するために酷使された末に大破したが、ゼロの日常のあるシーンでその際の回想を交えながら彼がRX-7を洗車している描写があるため、あの後回収、修理(※)して使い続けているらしい。
(※メーカーからレストアパーツが販売されているので、修理自体は可能である。但しシャーシのフレームが歪んでいた場合、修理は容易ではない)