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よろしくメカドック

よろしくめかどっく

『よろしくメカドック』とは、かつて『週刊少年ジャンプ』に連載された次原隆二による漫画。また、それを原作としたTVアニメ。当時、国内メーカーの市販車をメインとした画期的な作品であった。
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「よろしくチューニング!」

概要

『よろしくメカドック』は、次原隆二による漫画作品。サブフレーズとして「MIRACLE TUNING CAR ROMAN」が加えられることもある。

2度の読切の後に1982年44号から1984年31号、同年39号から1985年13号まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載(打ち切り)。アニメ化決定にともない再開し、原作タイトルには「PART2」と表記された(単行本には表記されない)。単行本はジャンプ・コミックス版12巻、JCセレクション版及び集英社文庫版各7巻が刊行されている。なお読切は1988年発売のジャンプ・コミックスより発刊の短編集「F-1倶楽部」に収録されている。


ジャンプの歴史において打ち切りからの復活を遂げたライジングインパクトより16年前に打ち切りからの復活を遂げた最初の作品ではあるがなぜかそれを讃えることがない不遇の作品でもある。


それまでの車を題材とした漫画は、高性能なスーパーカーや荒唐無稽な設定のレース物がほとんどあった。それに対し、日産フェアレディZマツダサバンナRX-7トヨタスポーツ800(ヨタハチ)など国内メーカーの市販車両をメインに取り扱った最初期の作品である。登場する車両のメーカーも大きな偏りがなく満遍なく登場させており、それが後作である『レストアガレージ251 車屋夢次郎』(以下『251』と記す)にも受け継がれている。


初期設定は「闇の改造屋」というブラックジャック的内容となっており、ワンボックスカーに道具を詰め込んで暴走族の集まりそうな場所へ行って声をかけるという内容で企画を進めていたが、当時の担当からの「次原君の絵柄なら明るい感じのがいい」というアドバイスから路線を変更してメカドックの原型が出来上がる。それが功を奏してか、週刊少年ジャンプ82年秋の新連載攻勢で始まった5作品(その中には原哲夫の初連載作『鉄のドン・キホーテ』も含まれていた)の中で唯一生き残り、かつ82年新連載作品としても新沢基栄の『ハイスクール!奇面組』(※)と共に2年以上の長期連載作品となった(『少年リーダム~友情・努力・勝利の唄~』2巻の次原のインタビューより)。

※『ハイスクール!奇面組』はそれまで連載していた『3年奇面組』を終わらせた翌週からの新連載扱いとなっているが、実質的にはタイトルを変更した上での継続連載と言ってもいい。そのため、メカドック連載再開号の84年39号では連載200回を迎えている。


作者の次原は「現在の世情ではチューニングカーの公道バトルを描くことは困難(漫画としては成り立たない)」との考えから『251』を実質的な『メカドック2』と位置付けている(グーマガジンでの次原へのインタビューより)。とはいえ、タイアップが絡むものの2000年代に入りスポットで作品を発表することはある(後述)。


極稀にだが、「機械犬」を意味する「メカドッグ」で投稿されることあるが、誤植になるので投稿の際は確認が必要。


ストーリー

東京(読切及び初期は架空の福福県、アニメ版では神奈川県横浜市)にあるチューニングショップ「メカドック」(名前の由来は「Mechanical Doctor」の略で、車の医者という意味)に勤める主人公・風見潤

当初は店に出入りする常連客の求めに応じ様々なチューニングを行っていたが、自分が手がけた車を走らせているうちに他のチューニングショップとの関わりが生まれ、多くのレースに参戦することになる。ただし最初期は客の注文以上の過剰なチューニングをしては客に怒られ、いっつあんこと中村一路にも怒られて、その度に野呂清が宥めている。


メカドック(ショップ)について

原作では読切の段階で既に店を構えているのに対しアニメでは1話では大型バスでの街宣による移動修理の形をとっていたが、後に喫茶「パドック」の店舗とバスを交換し店舗を事務所として、隣接する空き地にサービス工場を建ててオープンさせている(土地や建物はパドックの物であるため、厳密にいえばパドックから借りている形となる)。

原作でのメカドック店舗の看板及びツナギ(アニメでは背中にロゴは入ってない)はゼロヨンGP後にリニューアルされ、タイトルロゴやレース出場マシンと同じ書体となっている。

具体的には言及されていないが、ショップ建物内には事務所とは別に住居もある模様で、3人で共同生活を送っているものと思われる(単行本1巻「おれだってメカドック」や6巻「夢への招待状」、アニメ19話などでその一幕が窺える)。


シリーズ構成

大まかに書くと、小出しの短編の他、以下の各レースをそれぞれ1つのシリーズとして構成されている。

不定期ながら話中に「Dr.風見のメカ教室」という登場車両やメカニズムの解説を1~2ページ設けている。補足だが『251』でも題材となる車両の紹介として1エピソードに1回設けられる「251 Car Archives」としてその流れを継承している。

  • キャノンボール・トライアル編

ロータリーシャンテの一件で風見が出会うことになった那智渡の誘いで参戦することになる。解体屋から調達したセリカXXをレースカーとして改造し、那智の他、ハイギヤードの東條誠やレーシングワタナベの渡辺俊光などとも出会い、レースを展開していく。

原作では大手ショップと出版社のタイアップで、文字通りキャノンボールの予選(トライアルレース)と位置付けており、本来のルールである制限速度無視のタイム・トライアルとなっている(一部道路とインターチェンジを通る規則があるが)。そのため警察無視であり、速度違反のみならず、一般車が走る中での危険走行、事故(故意的な破壊も含む)や検問突破まで行うほどで、最終的にはゴールできたのは風見、那智、渡辺の3人だけで、他は徹底検問で全員逮捕されてしまうという結末となっている(結果的にメカドックも1ヵ月の営業停止処分を受けている)。

なおアニメ版では放映上さすがに警察を完全無視というわけにはいかず、一般車も通る公道レースの範囲で「事故・違反に関しては主催者は一切関知しない」というルールに変わっており、渋滞に巻き込まれたりして東金道路のチェックポイントで50位以下となったマシンはリタイヤ扱いになるという処分となっている。(小町松桐坊主はこのルールでリタイヤとなってしまった)

  • ゼロヨンGP編

突如現れた謎の外国人(実は変装した夢幻のスタッフ)に「全日本ゼロヨンGP」の招待状を受け取る。優勝賞金1000万円に加え、参加の際には支度金100万円を提供する大盤振る舞いで、風見達は参加を受ける事になる(原作ではある理由があった)。

ホンダCR-Xで参戦し、一度は盗難されるものの再び作り直したCR-Xで那智や渡辺の他、紫電改の露崎武士や夢幻の兵藤千里に挑むことになる。

そしてレース終了後、夢幻の兵藤がこのレース自体が夢幻の主催であり、自ら行う「夢幻計画」の一環であった事を宣言する。

  • サーキットGP編

原作のストリートファイト編にて、メカドックとプロトレーシングが対峙する中で兵藤が現れ、自ら主催する一大レース「東日本サーキットGP」に招待する(アニメではストリートファイト編がないため、テレビニュースでの発表となっている)。

メカドックは風見といっつあん、そしてメカドックに加入した那智が参戦し(アニメでは那智はチャンプのままだが、メカドックとして参加する事を条件に参戦している)、そのレースに挑んでいくが、その中で夢幻のレーサーとして参戦した渡辺の秘密を知り、その重い宿命を背負うレースとなっていく。

なお、このレースは富士スピードウェイ鈴鹿サーキット筑波サーキットの3つのレース場とその間を結ぶ東名高速道路首都高東名阪自動車道などの高速道路やそこを結ぶ一般道も貸し切って行う前代未聞の大レースとなっている。

新東名圏央道は元より、名古屋高速常磐自動車道などもろくに全通していない時代に、交通の大動脈を通行止めにして大レースを行うという夢幻の資金力、恐るべし。

なお、アニメはここで終了を迎えている。

  • 三戸コンツェルン編(マイレッジマラソン→MMカー(NEO)発表記念レース)

最初はメカドックに対する嫌がらせが発端となり、その黒幕が巨大財閥三戸コンツェルンの工場敷地買収である事が分かる。その会長三戸光国に挑む事になり、最初は低燃費競争「三戸マイレッジマラソン」で軽量の差で負けるが、その後メカドックを脱退した那智が現れた所で三戸は那智に新マシン「NEO」のレースの代わりをさせて風見に挑ませる事を提案し、風見も了承。他のレーサーと合わせ、風見と那智の宿命のレースが始まっていく。


登場キャラクター

メカドック関係者

女暴小町

松桐坊主


喫茶パドック

メカドックの行きつけの喫茶店。原作とアニメでは経緯は異なるが大型バスを店舗にしている。原作では元路線バスをベースにしてキャンピングカーの設備を応用した移動店舗になっているが、アニメではメカドックの移動店舗として使っていた観光バスベースの車両をベースに改造、元パドック店舗だったメカドック事務所の横に置かれ、移動をしない店舗となっている。そしてメカドックの3人が食堂として利用したり常連客の憩いの場ともなっている。自宅も別にあるが(アニメ版のみ)、しのぶの母とアニメ版の父は登場しない。

原作ではしのぶの父親、アニメでは祖父として登場するパドックのマスター。原作では業績不振から始めた工事現場のアルバイトで怪我をして入院し、それがバスを使った移動店舗を作るきっかけとなった。原作では1・5・12巻での登場と出番は少なかったが、アニメではレギュラーキャラクターとして登場している。

パドックの看板娘。原作では車の免許を持っている年齢ではあるが、登場回数は少ない(単行本5巻で坂道発進が苦手と語っていることから。この話を最後に登場していない)。アニメでは女子高生に変更の上でレギュラーとして登場しており、レース等にも観戦に同行している。そして、風見にほのかな恋心を抱いている模様か、麗子や優が風見に対し色目を使おうとするとやきもちを起こす描写もある。

原作のドレスアップ編では若者向けとは離れた装備を必要と考えていたことで麗子と優から「おばんくさ」と言われてしまう。


警察関係者

麗子の父親。原作では読切版と連載版の初期と終盤に登場している。松桐坊主からすれば天敵のようなものだが、アニメではその松桐坊主と協力する一幕もある。

セルボのミニパトに乗る婦人警官(現在でいう女性警察官)。


チューニング関係者

「スピードショップ・チャンプ」のオーナー兼チューナー。

「レーシングワタナベ」のオーナー兼チューナー。「チューンの神様」と呼ばれている。

「ハイギヤード」のチューナー兼ドライバー。キャノンボールではツインエンジンのピアッツァを、サーキットGP編ではAW11MR2に乗って参戦する。サーキットGP編でもノーヘルでレーシングスーツではなくメカニック用のツナギを着て参戦していたが、「NEO」のワンメイクレースではさすがにヘルメットとレーシングスーツを着用していた。

「紫電改」のオーナー兼チューナー。渡辺の師匠的存在。アニメでは60歳。かつてはレーサーだったが渡辺に敗れ引退、その後レースのドライバーは別の人物に任せている。

「夢幻アウトバーン(以下、夢幻)」のオーナー兼レーサー。大手企業「帝都セラミック」の社長令嬢で、豊富な資金力を武器に、自らの計画のために強引な手法で有名チューナーを引き抜いたり、ゼロヨンGPやサーキットGPを企画する。アニメ25話までのエンドクレジットは「夢幻」だった。

「夢幻」の若きチューナー。年齢は18歳で、アニメ版の風見らと同世代。亡き父親が渡辺の友人。当初はコンピューターに夢中だったが、風見の活躍を見た事でチューナーとして志し、以後も風見を目標に成長していく。原作終盤では渡辺の志を継ぎ、レーシングワタナベのドライバー兼チューナーとしてレースに参加する。


その他

解体屋の老婆。原作では初期(2・4話)のみの登場だが、アニメではレギュラーで登場し、皆から「おイカばあさん」と呼ばれている。パドックのバス(原作のみ)やキャノンボールのXXもここから調達している。更にアニメ版では自身の経営する解体屋に迷い込んだ風見のスバル360の走りを見て驚愕したり、廃車両の解体に使う重機のオペレートやレース車両を運搬するトラックを運転するほか、サーキットGP編では野呂と共にピット作業を手伝うなど、その見かけ(坊主とどっこいの身長)によらずパワフルさを見せている。原作では(アニメでも一度だけ)風見のことを「カメドック」と、アニメでは松桐坊主や小町も含め総じて「小僧」もしくは「青少年」と呼んでいる。

『週刊モータージャンプ』編集長。キャノンボールトライアルを企画したのもこの人。原作ではキャノンボール編と最終話のみの登場だが、アニメではキャノンボール編以降セミレギュラーとして登場し、レース外では渡辺と共にいることが多い。原作の制作に携わった人物に同じ苗字の人物がいることが単行本で描かれている(ただしモデルかどうかまでは不明)。


原作のみ登場

ドレスアップショップ「美酒蘭」のオーナー。愛称はチャコ、キャノンボール編後のドレスアップ対決から登場。外装はドレスアップ仕様だが実は武装仕様で固めたシティに乗っている。後のゼロヨンGPでメカドックのCR-Xが盗難された際には新たなベース車としてCR-Xを提供している。この時に「チャコ」と呼ぶようアピールする。登場当初はポニーテールだったが、ゼロヨンGP後はショートカットにイメチェンしている。苗字は北条司が由来。

那智渡の双子の弟で特別高速隊に所属する警察官で、メカチューンを施したS110シルビアパトカーのハンドルを握る。キャノンボール編のみ登場。双子の弟であることに強いコンプレックスを抱いているためか、兄の渡と「那智の弟」と言った風見に対し強い敵意を向ける。

日本4大財閥のコングロマリット(巨大複合企業)である三戸(みと)コンツェルンの代表者。名前や風貌が某黄門様を連想させる老人で、ポパイパイプと呼ばれるパイプたばこを常に咥えている。3年ぶりの帰国時に道を間違えて深夜の解体屋でスクラップ車をこっそり弄ってた際に、謎の組織(自身の部下)から雇われた人物(氏名は不明だが、のちに桐の幼馴染であることが発覚する)を追跡していた風見らと出会う(この時は用地買収に絡み部下がメカドックを潰そうとするトラブルを起こしている)。相当の年齢ながらメカの腕は風見を唸らせるほどで、様々なギミックを用いたRCロボットを考案する程の技術力を持つ他(ただし部下が勝手に作ってメカドック潰しのために利用していた)、メカドックとの腕比べをするために開催されたマイレッジマラソン(MM)出場のために制作された車両も自身が乗った総重量(車両18㎏+自身の体重38㎏で56㎏)が風見の体重とほぼ同等という軽さを誇る(ちなみに風見の体重は54kg+車両重量20㎏)という腕前を持つが、さすがに年齢には勝てずレース後には寒さで神経痛が出てしまう。のちにチューンの腕前を見たいということで開催された自社開発のスポーツカー「NEO」(披露前はMMカーの仮称がつけらていれた)によるワンメイクレースでは、メカドックを離れた後突如姿を現して、設立するカロッツェリアへの誘いを断りに来た那智をドライバーに指名する(スピードレースは自分には無理という判断から)。そのレースで風見か那智のどちらか敗れたものを自社入りさせようと企むが、同着だったことで両者2位にして二人を自社入りさせようとして社内外の人間から非難の目を向けられた。


アニメのみ登場

「すかろくウルフ」と読む暴走族の一人。目の下にクマらしきものがある。本名は不明だが、かつての恩師であるみな子先生(声:勝生真沙子)からは「カズちゃん」と呼ばれていた。ヒデという弟(CV:中野聖子)がいる。複数人登場する場合は基本的に「須賀六狼A」と表記され、ほかのメンバーはB(CV:島香裕)やC(CV:西村智博)とクレジットされる。

那智渡の妹。兄の渡と共にチャンプを切り盛りしている。渡の失踪時も一人でチャンプを支えながらチャンプに戻るよう説得を続けていたが、スタッフの水木が暴走族相手のチューンをしていたことが発覚し、更には説得現場をこっそり目撃された上に、渡を侮辱する発言をされたことで一度は解雇を告げている。後にその一件が解決後も水木と共に最終話までセミレギュラーとして登場している。

坊主の祖父。運送屋を営み、マツダ・T2000のハンドルを握る。

チャンプのチーフメカニック、下の名前は「しゅんすけ」だが漢字は不明。那智の失踪に絡んで、那智の失踪を聞いてチャンプに足を運んだ風見に「自分がチャンプを支えていく」と豪語して追い払おうとするが、知世から「兄が帰ってくるまで那智渡のチューンの哲学とそのビジネスを守ってくれればいい」と言われ不満そうな顔を見せていた。更には知世の説得にも応じず「女とよろしく」する那智の姿を目撃して暴走族相手のチューンをしていたことや、那智を侮辱するかの発言をしたことが知世の逆鱗に触れてしまう。その後彼を介して奪われたRX-7に乗る須賀六狼と戦う那智の姿を見て加勢しようとするが、渡辺と三堀にその決着を見ておくよう止められ。この一件が解決後は知世と共にセミレギュラーとして引き続き登場している。

各レースで実況を務めているアナウンサー。サーキットGP編で露崎と共にヘリに乗り初めてその姿(本人としてかアニメキャラとしてかは言及されていない)を見せる。声の役を務める橋本は「欽ちゃんの全日本仮装大賞」(初代)や「クイズ100人に聞きました」等のTV番組のナレーションがメインで、本作が唯一のアニメ出演である。


チーム・ショップ・レーサーなど

  • チームGT-R

キャノンボール・トライアル編に登場した、スカイラインGT-R(ケンメリ&ハコスカ)を駆る3人組のチーム。ケンメリのステアリングを握る二階堂(CV:島田敏)とハコスカの村上・藤重によるフォーメーションを駆使した走法で風見を圧倒させる。原作では1台のハコスカ(村上車)が脱落したあと風見と二階堂の一騎打ちがあり、メカチューンの他にSUキャブを装着していることをアピールし一時は最高速でXXをわずかに引き離すが、前方でのトラックの事故による仕切り直しを機に風見が瞬発力を高めるパワーインジェクターを使ったことで大きく差を付けられて敗北を認める。そして間接的ながらお互い健闘を称えていた。なおアニメではハコスカの1台が脱落して風見に抜かれた直後に背後からワタナベのスーパーZが追い付いてきたため一騎打ちのバトルやケンメリのチューン内容の説明はない。

  • スピードパンサー

甲信越ではスカGチューンで名が知れていたショップだが従業員のガラはとても悪く、杜撰な管理で自慢のマシンを盗難されたことで「目には目を」の考えから、ゼロヨンGP練習走行中のメカドックCR-Xをヘリを使った大掛かりな盗みを企てる。更にはそのCR-Xの色を塗り替えて出場しメカドックと初戦で鉢遭うが、外部の協力を得て新たに作り直したCR-Xの前に敗れる。原作では複数の従業員による会場内でのメカドックへの風評被害流布の嫌がらせに対して那智が前述の暴露と制裁を加えており、アニメでは渡辺がメカドックに挑発を仕掛けるパンサー従業員の相手をし、那智は原作での暴露を知世との会話として明らかにする程度にとどめている。ドライバーのCVは喜多川拓郎で、エンドクレジットは「パンサー」だった。

  • プロトレーシング

ストリートファイト編~サーキットGP編で登場したシルエットフォーミュラカーを中心にしたレーシングカーの制作・設計を手掛けるチーム。原作のストリートファイト編では永沢和也が乗るスカイラインRSフォーミュラーが最初に登場し、その後宇佐美誠・清水勇二・矢部(名前不明)がポルシェ935、S110シルビア・910ブルーバードのシルエット車に乗って登場する。名を馳せたメカドックに自分たちのようなレーシングマシンを作らせるのを目的とし、風見達のチューニングカーをオモチャと貶す。その対峙の最中に夢幻の兵藤千里が乱入し、東日本サーキットGPへの招待を促す事になる。

なお原作では兵藤との面識はあるが、アニメではストリートファイト編がないため、話中で名前は出ているもののヘルメットを被った姿しかなく、もはやただのヒールモブに近い扱いだった。CVは永沢役として菅原淳一がクレジットされていた。

  • 小早川卓(CV:喜多川拓郎)

サーキットGP編に登場した元日産のテストドライバーで、レーシング仕様のフェアレディZ(Z31)でサーキットGPに参戦する。なお名前の読みは原作では「たく」だが、アニメでは「すぐる」となっている。

原作では連載再開後に登場し、開発に携わったものの強みを生かして風見のグレーサーZと互角に勝負をする。のちのピットトラブルにより順位を落とした風見と、コンピュータユニットの故障でコンピューターを頼りにした走法を捨て走りを変えた五十嵐に追いつかれた際の2度目のバトルは最高速での勝負となるが、限界の見えない風見らの走りに熱くなりすぎてメーターを振り切りエンジンブローを起こしてしまいリタイア、後から来た東條のMR2に同乗してゴールに向かった(東條もまた、直前に風見との2度目のバトルで敗れている)。

一方アニメでは風見らがベース車両の購入に日産のディーラーに訪れた際に顔を合わせ、「エンジンブロックに手を付けずに補器類でチューンしたほうがいい」とアドバイスを送る。レースでは原作とほぼ同じ展開ではあったが、2度目のバトルについては描かれなかった。赤のロータス・エスプリが愛車で、日産のディーラーにもその車で訪れていた。

キャノンボール編でミッドシップ+リア駆動に改造したパルサーEXAに乗る人物。名前はアニメ版のみで風見が手にした参加者リストに記載されていた(エンドロールは「パルサー」だった)。

会場に向かう途中で危険かつ迷惑な運転をして風見らを煽り、レースでもスタート直後に松が運転するセリカのノーズを弾いてスピンさせたり背後に付いた風見のXXに向けて後輪を空転させて砂を巻き視界を奪うなどのラフな運転をするが、それを逆手に取った風見の機転を利かせた走りで横並びになった際に逆上して体当たりをするも反対に抜かれてしまい、その勢いで海に突っこんで車は水没してしまった。


TVアニメ

連載を再開した1984年39号でアニメ化を発表、タツノコプロの制作で、フジテレビ系列の大部分にて1984年9月から1985年3月まで放送された。

9月に放送開始なのは、前番組「OKAWARI-BOY スターザンS」が、成績不振のために打ち切りを余儀なくされたことを受けてのものだった。

また、系列局でも放送しなかったり、石川テレビ山陰中央テレビのように本放送が終わったあとに放送を行った局も少なからずあった。

会社を立ち上げて間もない京都アニメーションも製作に関わっており、エンドクレジットでは「京都アニメ」と表記されているほか、車両のエンジン音などの収録や取材等にはJUNオートメカニックOZレーシングが協力している。


内容はキャノンボール編からサーキットGP編までの3つのレースと、一部原作を基にしたアニメオリジナルともいえるレース外のストーリーに分けられる。

原作を基にした一部エピソードでは原作で登場した車両はアニメではマイチェンモデルで登場、ブラック・シティ編はシティターボ(Ⅰ)からターボⅡ・ブルドッグへ、ロータリーシャンテ(潰し屋ジョーカー)編ではスカイラインRSがハニカムグリルの前期から鉄仮面に変更されている(その他の項に補足説明あり)。


現在は各動画配信サイトにて有料配信されている他、タツノコプロの公式YouTubeチャンネルでは第1話が無料配信されており、2021年時点で160万再生とハクション大魔王に次ぐ同チャンネルでの再生回数である(2023年時点で210万再生)。


スタッフ

制作:吉田健二

企画:井上明 内間稔

シリーズ構成:寺田憲史

音楽:高橋洋一

演奏:高橋洋一バンド withコロムビアオーケストラ

製作担当:石川光久

文芸担当:関島真頼

美術監督:佐藤弘明

チーフディレクター:うえだひでひと


主題歌

  • オープニングテーマ「よろしくチューニング」
  • エンディング「君にWoo…!」

作詞:寺田憲史

作・編曲:河内淳一

歌・演奏:STR!X

挿入歌

  • 「バラードをくれ」

作詞:吉田健美

作・編曲:高橋洋一

歌:河内淳一

  • 「Trouble Maker」

作詞:吉田健美

作・編曲:高橋洋一

歌:日髙のり子


関連動画


各話リスト

話数サブタイトル脚本絵コンテ
第1話青春チューニング寺田憲史うえだひでひと
第2話爆走!ルンルン小町寺田憲史小島正幸
第3話土曜の夜のターボII寺田憲史石山タカ明
第4話盗みのライセンス曽田博久澤井幸次
第5話つぶし屋ジョーカー寺田憲史小島正幸
第6話ライバルはRX-7寺田憲史石山タカ明
第7話挑戦キャノンボール寺田憲史うえだひでひと
第8話ぶっちぎれスカG軍団寺田憲史小島正幸
第9話伝説の男!スーパーZ寺田憲史澤井幸次
第10話栄光のゴールを奪え!寺田憲史貞光紳也
第11話待ちぼうけパーティ寺田憲史澤井幸次
第12話走れ!一路スペシャル曽田博久石山タカ明
第13話アクロバット大追跡寺田憲史小島正幸
第14話激走!アイスバーン武上純希うえだひでひと
第15話よみがえれ!チャンプ寺田憲史澤井幸次
第16話翔べ!スタントカー曽田博久貞光紳也
第17話つっ走れ!港への道小山高男小島正幸
第18話ゼロヨンGPへの招待寺田憲史石山タカ明
第19話CR-Xスクランブル寺田憲史貞光紳也
第20話まぼろしの10秒-02小山高男小島正幸
第21話熱きデッドヒート小山高男澤井幸次
第22話夢のビッグエンド寺田憲史石山タカ明
第23話全開!オールドパワー田口成光うえだひでひと
第24話届け!逃亡者の願い曽田博久小島正幸
第25話解散!メカドック寺田憲史澤井幸次
第26話恐るべき夢幻計画寺田憲史石山タカ明
第27話集結!サーキットGP寺田憲史国分寺男
第28話疾走!東名サーキット疾走小山高男小島正幸
第29話神様ワタナベの秘密小山高男澤井幸次
第30話青春アクセルオン!寺田憲史石山タカ明

映像ソフト

DVD-BOX…2003年12月30日、ジェネオン・エンタテインメント(現・NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)、5枚組

ブルーレイBOX…2017年11月22日発売、NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン、5枚組

COMPLETE DVD BOOK(廉価盤)…2021年1月22日・2月19日・3月19日発売、ぴあ、全3巻


ホビー展開

  • 80年代には東京マルイからキャノンボール編に登場した車種がリリースされ、後のアニメ化ではアリイ(有井製作所/マイクロエース)とエルエス(LS)の合同企画としてメカドックに登場した車両のプラモデルをリリースした。スケールは基本は1/24だが、1/20~プルバックゼンマイ走行でデフォルメサイズのノンスケールまで多岐に渡ってリリースされ、後者(アリイとエルエス)については登場キャラクターのスケールに合わせたフィギュア(全て立ち姿で運転仕様ではない、1/32以下のスケールには入っていないキットもあった)も同梱されたが、中には作中に登場しない車両の既存キットにメカドックのデカールとフィギュアを同梱してメカドック仕様とした商品も発売されていた。これらのキットは全て絶版ではあるが、メカドック仕様でない通常のキットであればアリイ製品でごく一部ではあるが現在でも入手できるものもある(東京マルイは模型事業から撤退しているため通常キットも含めた再販は望めない)。
  • 2000年代に入り、フジミ模型から新たなシリーズとして発売された。ほとんどが既存キットの流用(メカドック関連のデカール追加とパケ替えのみ)のため特に目新しい点はなかったが、2社共同発売時代にはモデル化されなかったヨタハチやハイギヤードのピアッツアとMR2(MR2は唯一のサーキットGP出場車キット)、那智徹のS110シルビアパトカー(ただしキットはグリルの異なる後期型)などが新たにリリースされる(MR2についてはアニメ化時にも架空モデルとしてメカドック仕様の前期型がリリースされていた)。
  • その他、1/64のミニカーが京商(コンビニ向けブラインドトイタイプ)やインターアライドから、アオシマからはスカイネットブランドでキャノンボール編のチョロQも発売された。

連載終了後の展開(2000年以降)

2015年8月にバンダイナムコエンターテインメントのスマホゲーム、『ドリフトスピリッツ(ドリスピ)』とコラボ、サーキットGP編までに登場した車種(夢幻の車種含む)がラインナップされた。その後も何度か車種を追加(リニューアル)して復刻している。余談ではあるが、このゲームに登場するリトラクタブルヘッドライト車はヘッドライトが開いた状態での登場となるが、メカドックコラボ車はライトが閉じた状態で登場する(一部の別コラボでも同様のケースがある)ほか、ガレージ背景の店舗建物の看板(タイヤメーカーカーオーディオメーカー等)については修正が加えられている。


2016年10月にはホンダとのコラボで5代目ステップワゴンModulo Xを紹介するメカドックの新作漫画「よろしくメカドック STEP WGN Modulo Xの巻」をオールカラーの描き下ろしで公開。表紙はジャンプコミックス版5巻を元にしている。漫画はホンダの特設サイトで閲覧できたほか(2022年現在は冒頭部分のみTwitterにUPされているだけで全編の閲覧はできない)、小冊子(ジャンプコミックスを模したホンダコミックス)としてホンダディーラーや青山本社(ウェルカムプラザ)等で配布された。メカドックの新規漫画は1985年2月の連載終了以来31年半ぶりである。作中ではベース車両をメカドックに持ち込んでの外装と足回りのチューニングとなっているが、実車はメカドックチューンではなくメーカーによるコンプリートカーであることを巻末奥付に記載している。


2021年には再びホンダとのコラボで、前回のステップワゴン篇から4年半ぶりの新作漫画としてCARトップ5月号にS660のコンプリートカーを紹介する宣伝作「S660 Modulo X Version Zの巻」の小冊子がオールカラーの付録として同梱。プライベートでS800を持つ早坂優が新たに購入した「S660 Modulo X」でメカドックにやってきて、先に来ていた女暴小町こと小野麗子と共に風見をドライブに誘うことで揉めてたところ(これはいつものお約束)に、Modulo Xの進化系「Version Z」に乗ってメカドックに現れた渡辺俊光が風見を誘い走りに行く…という内容であった。ちなみに、店舗の看板のうちタイヤメーカーの看板があった場所は「DEVELOP」に変更されており、表紙レイアウトがステップワゴン篇から若干変更されている他、さすがにホンダのタイアップ漫画に他社の車を登場させるわけにはいかなかったためか、麗子のヨタハチに関しては極力控えた作画となっていた。


2023年10月に日本自動車工業会より発売された「自動車ガイドブック 2023-2024(Vol.70)」に描きおろしイラストを寄稿、メカドック…というよりは次原作品のキャラクターが時代を超えて集まったというべきだが、メカドックの建物をバックに、メカドックの主要人物(風見、いっつあん、野呂、松桐坊主、麗子)、「251」の里見夢次郎とテツ(一ノ瀬哲也)、「ROAD RUNNER」の速水烈(ヘルメットを被っている)に、ホンダ・ライフステップバンマツダ・キャロル(初代)、ヤマハ・YA-1と、空中にはSkydrive社の空飛ぶクルマ(エア・モビリティ)の「SKYDRIVE」が裏表紙に描かれているほか、2023年のジャパンモビリティショー(旧・東京モーターショー)でも館内の物販ブースに同書籍の看板として掲示されていた。

このほか、紙面には次原隆二のインタビューも収録されている。


その他

  • TVアニメの項目での説明の補足として、原作のロータリーシャンテ編に登場したスカイラインRSのグリルがGT系のハニカムグリルとして描かれているが、本来は三本バータイプのグリルである。そのためか、当時発売されたメカドックのプラモデルでもRSでありながらGTグリルで、LS版の1/20モデルはGT-RSという実車には存在しないグレード名で発売されていた。なお単行本6巻で盗まれたチャコのシティを追跡する際に登場した窃盗団の仲間が運転しているRS(ドアミラー装着車)やプロトレーシングのシルエットのグリルは三本バーで描かれている。
  • 埼玉県富士見市にマツダ・ロードスターのチューニングをメインとするメカドックのタイトルロゴを使用した同名のショップがある。なお、メカドックのロゴについては作者の次原隆二より使用許諾を得ているとのこと。
  • 奇しくも連載が終了した週刊少年ジャンプ1985年13号は創刊850号の節目であるのと北条司のシティーハンターが連載を開始した号で、その1週前の号は車田正美男坂が最終回(伝説の未完エンドが有名)となった号だった(ちなみに連載を開始したのは84年32号で、メカドックが約2か月の休載に入った翌週号のことである)。
  • 『251』第152話「You Win!!」(この時のレストア車両はホンダN360)の話中にメカドックをモチーフにしたレーシングゲーム筐体が登場し(某Dの初期型筐体をメカドック仕様にしたもの、当然ながら実在しない)、四つ子の三男とその父親がプレイする一幕があった。この時は三男はセリカXXを、父親はヨタハチを選択していた(その他CPUプレイヤーとして五十嵐と東條の名前があった)。なおヨタハチはレストア車両として別エピソードとしてすでに登場していたが(扉絵に麗子が登場した回もあった)、セリカXXは『251』の題材としてはまだ年式が新しかったためかレストア車両としては登場しなかった(それでも連載当時ですでに発売から四半世紀を経過している)。

関連項目

ライジングインパクト 一度打ち切られて復活したもう一つのケース。


外部リンク

グーマガジン よろしくメカドックのページ - 原作の1・2話が読めるほか、作者である次原隆二のインタビューも掲載されている。

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