概要
1962年初春に発売され、2022年現在は8代目モデルとなっている。
その前身として1960年に登場したR360クーペは、東洋工業(現マツダ)初の乗用車ではあったが4人乗りながら後ろの席が極めて狭かった。
他にも軽3輪トラックから流用したV型2気筒エンジンは、四輪の乗用車用としては不十分であった。
それらの教訓があったからなのか、初代キャロル360はリアシート部分が多少拡大された。
デザインもクリフカットと呼ばれる後部が垂直的に切り立ったものとなり、水冷4気筒エンジン、4輪独立独立懸架など、当時においては非常に贅沢な内容となった。
1962年11月には普通車規格のキャロル600が発売。
360より内外装が豪華でバンパーが大きかったが、車内サイズはほとんど変わらなかったのでファミリアが生産を開始したのに伴い2年で販売終了となった。
ロータリーエンジンや小型乗用車に力を入れるようになった東洋工業は、競合などもありキャロルのモデルチェンジに余力を持てず、1970年をもって生産販売が終了した。
それから19年が経った1989年、スズキからアルトのシャシーとエンジンの供給を受け、内外装を独自に設計した2代目として「オートザムキャロル」というカタログ名として誕生。
ハッチバック型となり初代とは対照的に曲線を強調したデザインだった。
1995年には3代目に移行するが、1998年に販売終了。
これに伴いマツダは軽四輪自動車の自社生産を打ち切った。
なお1998年から販売されている4代目以降はアルトの完全OEM車である。