演:山下優
概要
本作の主人公で、警視庁特別救急警察隊「ウインスペクター」の隊長を務める23歳の警視正。特殊装甲スーツ「クラステクター」を着化し、ファイヤーとして仲間達とともに数々の事件や災害に立ち向かう。
幼い頃に両親を火災で失っており、以来妹の優子を育てつつ、警察官への道を志すようになったという経歴を持つ。元々のポテンシャルが高かったからか、あるいは努力の賜物なのか、20代前半にしてウインスペクターの隊長に抜擢され、さらに元オリンピック強化選手かつ、5ヶ国語にも堪能というハイスペックの持ち主でもあるが、唯一ゴキブリだけは苦手なようで、作中でも大量のゴキブリを前におののいたこともあった。
自己主張は控えめながらも優しく快活な青年であり、捜査においても些細な出来事や、相手が子供であろうとも、真摯に向き合うのが常である。一方でとある事情から不調に陥り、仲間に迷惑をかける格好となった純子に対し、敢えて非情に徹することで刑事という職の厳しさを教えたこともあった。
ファイヤーとして事件や災害に立ち向かう際には、隊長として冷静に対処する一方、人命救助のためならば自らの身の危険をも厭わない熱い面も見せる。とはいえ、そうした自己犠牲精神が高じるあまり、クラステクターの装着時間を超えて活動に及ぶことや、着化できない状態でも危地の中に躊躇わず飛び込んでいったりするのもしばしばだったりする。
物語最終盤にて、ウインスペクターがICPOからの招聘を受ける形で渡仏するのに伴い、竜馬も正木や優子と別れ日本を離れることとなるのだが、その後思わぬ形でカムバックすることとなる・・・。
続編への登場
『ウインスペクター』の続編に当たる『特救指令ソルブレイン』では、竜馬も物語中盤より度々作中に登場している。
同作での初出は、NATOの諜報用ロボット「メサイア」を追っての極秘捜査という形であり、インターポールでの経験などもあってか、『ウインスペクター』にて主役を張っていた頃よりもシビアな、ともすれば非情とも取れる言行が目立つようにもなっている。
それゆえに、メサイアを巡る事件ではソルブレインとは協力体制を取りながらも、ソルブレイバーこと西尾大樹とは犯人に対する姿勢を巡って終始対立することとなるのだが、最終的にあくまでも優しさをもってメサイアに遇し、結果彼の心を動かすに至った大樹の姿勢に一定の理解を示し、自身の最強装備であるギガストリーマーを託して再び日本を後にした。
そして物語後半では、フランスで殺人事件を起こした高岡隆一を追って再度日本へ帰国。先の客演時には、『ウインスペクター』から引き続いてクラステクターを使用していた竜馬だったが、ここではICPOが新たに開発したソリッドスーツ「ナイトファイヤー」を新たに装着するようになり、また高岡の追跡と逮捕のためソルブレイン本部内にICPO東京支部を置くという形で、ソルブレインとも本格的に共闘することとなる。
ファンからはしばしば「主人公交代」などと言われることも多いこの展開であるが、実際のところは前述した立ち位置ゆえに、回によっては登場しないことも少なからずあり、巷間で言われているほどに主人公を喰ったという訳でもない(もっとも、彼ら以上に目立ちたがりの人物がいるのだが…)。とはいえ、前番組の主人公が準レギュラーかつ新ヒーローとして次番組にも出演するという、日本のシリーズヒーローものとしては他に例を見ないケースであり、それが視聴者に多大なインパクトを与えたのもまた確かである。
同作の最終盤における、ソルブレインの発展的解散による人事には直接関わりはなく、彼等が最後に担当した事件が、これを裏から操っていた高岡の自殺という形で幕引きを迎えたことから、(作中で特に言及はされなかったものの)高岡を追って帰国していた竜馬もまたICPO本部に戻ったものと見られる。
余談
任務を終えた竜馬はクラステクターの中で汗びっしょり。首元のスイッチを切ってクラステクターの機能をオフラインにし(ここを「切」にすると全機能が止まる仕様)、ヘルメットを脱いで「ぷはぁっ!」と一息吹き、頭を振って汗を振り払うのが『事件解決!』の決め動作だった。
元は殺陣を終えたスーツアクターさんの仕草を取り入れたというこの動作は視聴者からも人気で、以降レスキューポリスシリーズにも受け継がれた。
関連タグ
宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド:『宇宙戦隊キュウレンジャー』をメインに据えたクロスオーバー作品の一つ。エピローグの〆においてファイヤーの姿で一瞬だけ登場しており、幻魔空界による連続火災に対処していることが示唆されている
一条寺烈:『宇宙刑事ギャバン』の登場人物の一人。同作の主人公であるとともに、こちらも『シャリバン』『シャイダー』と、世界観が連続する続編に度々登場しており、その点において竜馬の先駆者ともいうべき存在である