クリプトン社 / プロジェクトセカイ
クリプトン社が展開するピアプロキャラクターズ(初音ミク、鏡音リン、鏡音レン、巡音ルカ、MEIKO、KAITO)の正式な分類名称。
初出は不明だが、2004年にMEIKOを指す言葉としてクリプトン公式サイトの商品紹介ページで使用された事も確認されている。
製品についてはピアプロキャラクターズの公式資料で「バーチャルシンガーソフトウェア」とも呼称されており、クリプトンは「各製品の名称がそれぞれパッケージに描かれているバーチャルシンガーをイメージしたキャラクターの名前であること」と定義を述べた(・=中黒,中点を付ける場合と付けない場合がある)。
なお、現在のクリプトン社はVOCALOIDではないエンジンの音声合成ソフトも発売(マルチ展開)している。バーチャルシンガーという呼び方にはエンジン名にとらわれない一貫性があり、この命名には同社の“先見の明”が感じられる。
プロジェクトセカイの登場
既にVOCALOID呼びが浸透しきっていた為か、クリプトン(公式)のメディアミックス企画以外はバーチャルシンガーという分類名をほぼ使用していなかった。マジカルミライやTV番組、ゲーム作品コラボなどの外部の人目につきやすい媒体でも使用されていたので、もしかすると認識していても重要な情報とは思われなかったのかもしれない。
だがクリプトンも深く関わる「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク」においてバーチャル・シンガー呼びが採用されたことによって事態が一変。若年層を中心にバーチャル・シンガー呼びが浸透し、「バチャシン」という略称も誕生した。
一方、ボカロ呼びが通例となっていた為かバーチャルシンガー(バチャシン)と呼ばれる事を快く思わない古参リスナーも散見される。それだけならまだしもプロセカ独自の設定と勘違いしている者も少なくない。
編集者個人の意見になるが、このような勘違いから生じた「確執」が取り払われる日が来ることを願うばかりである。
歌声合成キャラクターの総称
2024年現在では上記クリプトン社以外も含めた歌声合成キャラクターの総称としても使われている。
上述したプロジェクトセカイでは、クリプトン社のピアプロキャラクターズ以外は“キャラクター”として登場せず楽曲音源のみの参戦になる。しかしプロセカではそれら他社ソフト音源の楽曲に関してもバーチャルシンガーverとして紹介しており、他社ソフト音源に対しても適用できる用語として使われている。
クリプトン社以外の歌声合成キャラクターでは、中国で初音ミクの登場以降に虚拟歌手(訳:仮想の歌手=バーチャルシンガー)」というカテゴリ名称が浸透している(この他、初音ミクは「虚拟歌姫」「殿下(公主殿下)」という愛称でも呼ばれた)。そのため、中国では比較的早い段階で洛天依に代表される歌唱合成ソフトウェアの総称の一つとして成立していた。
また、プロセカ(クリプトン案件)以外でもGUMI from Megpoid、重音テト等はバーチャルシンガー表記が使われるようになっている。
バーチャルYouTuber
オリジナル曲、カバー動画(歌ってみた)、歌枠配信などをメインに活動しているバーチャルYouTuberのこと。VSingerとも。
中にはバーチャルYouTuberと名乗らずにバーチャルシンガーを自称する者もいる。メディアにもよるがこれらもバーチャルYouTuberの区分にされることが多い。
VTuberで最初にバーチャルシンガーと名乗った人物は「(自称)世界初のバーチャルシンガー」と唱っていた「YuNi」とされる。
YuNiがデビューした2018年は「道明寺ここあ(初代)」、「AZKi」、「花鋏キョウ」「花譜」、「MaiR(デビュー当時は星乃めあ)」、「ヒメヒナ」、「Marpril」、「KMNZ」ら音楽活動に特化したVTuberが次々とデビューした年でもあった。
ちなみに「星街すいせい」もこの年にデビューしたが、デビュー当時は無名だったが翌2019年にイノナカミュージックを経てホロライブ(共にカバーが運営)に移籍するとホロライブの急成長の波に乗り一気にスターダムへと押し上がっていった。
VSingerに特化した事務所としては「神椿スタジオ」「SINSEKAI STUDIO」(共にTHINKRが運営)、「RIOT MUSIC」、「ライブユニオン」等がある。
ちなみにVTuber界で「歌ってみた」を一番初めに投稿したのは、親分こと「キズナアイ」氏。
その次に投稿したのは、高い歌唱力を持った「富士葵」、そして「ときのそら」。
富士葵は、歌ってみたをメインにVTuber活動を行った初のバーチャルYouTuberといえる。