概要
『スーパーマリオくん』とは、任天堂のゲームシリーズ「スーパーマリオ」を題材とした、沢田ユキオによる児童・ギャグ漫画作品。1990年から月刊コロコロコミックに掲載。当初は読みきり漫画の『スーパーマリオブラザーズ2』のみの予定だったが、反響が大きかったため連載する形となった。現在コロコロコミックの中では、一番連載期間が長い漫画である(2024年時点で34年目)。
2024年8月現在、単行本は60巻まで発売されている。単行本で話の話数は「第〇面("面"の読みは「ステージ」、毎巻第1面から始まる)」となっている。基本的に1話で終わる短編形式となっているが、ラストバトル等は2話〜3話続けて描くこともある。
- この漫画が始まった頃からスーパーマリオが学年誌の付録にもなり始めていた。
沢田ユキオは任天堂スタッフとの交流があり、『マリオくん』も公式の『スーパーマリオ』シリーズやその他の任天堂作品と、相互に影響し合っている。
内容は「大ボケ」で、マリオキャラがボケをかましたり、ウ○チなどの下ネタが描かれる。マリオが味方を武器や盾として使うシーンも多い(大体被害者はルイージやヨッシー、そのストーリーの相棒キャラ)。
誰かがずっこけた時の「どどー」や「ずるー」という擬音、ダメージを受けた時の「んぎゃー」や「ぐえ〜〜」という悲鳴、指を差しながら「すなーっ!!」というツッコミが特徴。
初期の第一巻から早速「風雲たけし城」や「淀川長治を思わせるナレーション」などその時の時代を感じさせるパロディや色っぽいネタも毎回やってのける。特にお笑い芸人のネタは積極的に取り上げており、当時を知る大人が読むと懐かしさを覚えることも(ゲッソーに変装した際、当時のアルバイト求人誌『フロムエー』のCMで流れた『カーキン音頭』を口ずさむ、テレサなどの幽霊キャラに攻撃が効かなかった際に『ゲゲゲの鬼太郎』の主題歌を口ずさむなど)。
また、物をあげる(渡す)際に「はい、あ~げた」と言って、与える物を頭上に「上げる」など、同じネタを何度も披露し、定番ネタとなっている(ただしこのネタは「スーパーマリオ64」編を最後に使われていない)。
また、原作ゲームでは登場しないキャラや敵キャラクターが仲間・ゲストとして登場する事がある。アイテムやステージギミックが自我を持ち、仲間になることもある。
逆に「ワリオランド」編や「ヨッシーストーリー」編等、原作ゲームではマリオが(殆ど)登場しないものでもマリオが主人公として冒険に同行している編も多い。
一例
- 「スーパーマリオUSA」編:本来なら登場しないヨッシーが仲間として登場。キャサリンもレギュラー化し、味方になっている。
- 「6つの金貨」編:アイテムであるニンジンが人格を持ったキャラとして仲間になる。また『ヨッシーのクッキー』よりヨッキー(オリキャラ)が仲間に。
- 「スーパーマリオ64」編:『ヨッシーのロードハンティング』よりスーパースコープと武装クッパが登場。レインボークルーズの動く絨毯が江戸っ子口調で自我を持つキャラになったり、終盤にボムキングやバッタンキングなどの敵キャラが味方になっている。
逆に、『ワリオの森』や『スーパードンキーコング』、『ヨッシーストーリー』など、本来マリオが登場しないゲームでマリオが登場する(場合によってはヨッシーやルイージも出る)事がある。その場合、本来の主人公であるキノピオやドンキーなどを差し置いて、マリオが主役級の活躍をすることが多い(ヨッシーストーリー編などの例外もある)。
「クリスタル・キノコ アドベンチャー」編や「未来」編などのオリジナルストーリーも存在する(ただし、「クリスタル・キノコ アドベンチャー」編は後半からヨッシーのロードハンティング化しており、「未来」編は「ワリオランド」編から「ヨッシーアイランド」編の繋ぎになっている)。
登場人物
主なレギュラーキャラクター
それ以外のキャラはスーパーマリオくんの登場人物一覧を参照。
本家への影響・本家からの影響
このように書くと「キャラ崩壊だらけのおバカ漫画」みたいに思えるが、この漫画に登場したキャラクター設定やオリジナルアイテムが、効果は違えど実際のマリオゲームに出るなど、その影響力は大きい。逆輸入と思しき要素も本家に多数見られる。
一部例を下に記述するが、きりがない上に無理矢理過ぎる関連付けはピクシブ百科事典の利用規約に違反するので注意。
例
- アイスマリオに変身するアイスフラワー
- コウラマリオやパタマリオ(パタパタの羽を背中に付けたマリオ)。マリオカートのコウラをヘルメット代わりにするヨッシー
- ヨッシーとキャサリンが仲良し
- クッパがマリオに協力する
- クッパが冷酷な悪役としての面を持っていたが、本家クッパの影響か男らしさや友情を見せるキャラに変わる
インタビューによれば、沢田ユキオはマリオの生みの親・宮本茂との面識がある。
> 沢田 ほかに、会えてうれしかった方は、やはりマリオの生みの親である宮本(茂)さんですね。宮本さんとは年が近いんですよ。
> ――宮本さんとのツーショット写真がコミックスの40巻に掲載されていましたね。
> 沢田 はい、そのとき交換させていただいたサインも載せています。
また、『マリオくん』そのものが公式ゲームに登場してもいる。
> 沢田 あ、50巻といえば『スーパーマリオメーカー』も印象的ですね。連載25周年記念でコラボさせてもらい、僕が作った“沢田ユキオ特製コース”を配信しました。キャラマリオも作っていただき、『マリオくん』がマリオのゲームに登場したのがすごくうれしかったです!
> ――コミック発のキャラクターがゲームに出てしまうなんて、すごいですよね。
(出典:「27年続くマンガ『スーパーマリオくん』の作者、沢田ユキオ氏にインタビュー。マリオに捧げた半生について聞く」から抜粋)
また、敵サイドでもクッパやワリオ、マムーにオリジナルの強化形態を与えたり、ゲーム中では無敵扱いの敵(ウンババやドッスン等)を倒したり、オリジナルの敵(クッパにソックリな超巨大メカクッパ)等オリジナル設定が多い。
こだわり
原作をいかにしてオリジナル展開へ持っていくかの誘導は丁寧で、原作を知らない人でもなんとなくわかるよう「こういう流れで進むはずだった物語」を自然に説明した上で、同時にそれをフリとし、そこから変化を加える傾向が強い。
例えば以下のような流れ。
- 『スーパーマリオワールド』におけるクッパ城へ乗り込んだマリオ一行。
- 簡単なルートが存在することを会話の中で説明する。
- これにより、原作を(メタ的に)知っているから楽勝ムードであるという「フリ」を用意するとともに、ゲームを知らない人でも「困難なルートと簡単なルートがあり自由に選択できる場所」という概要をいつの間にか理解できる。
- いざ城に入ってみたら、クッパ城が「新装大開店」していたため、仕入れていた攻略情報が全部台無しになるというオリジナル展開へ繋がる。
ただし、現在ではこういった流れもなく自然とゲームと同じ流れのようにすることもある。これは、沢田ユキオ本人のインタビューにもあるが、長期連載が故に新しい展開を考えようとするうち、展開を一通りやってきてしまったため。
ただし、マリオ達がゲーム本編の展開や裏事情を知ってたり、コントローラーを操作するなど、メタいネタ自体は無くなっていない。
作者は「女の子を書くのが苦手」と自供しており、そのためか作中において女性キャラの出演数は少ない。そのため、近年ではパーティゲームなどで出番が多いデイジー姫の出番が一切ない。
ただし、あくまで書くのが苦手であって書けない訳では無いため、ピーチ姫やワンダ、クリスチーヌなどといった原作上いなくてはならない重要な女性キャラは必ず毎回登場している。
また、マグナムキラーやボスゲッソー、ボスパックンなどを女性化(というより肝っ玉母さん化)することがある。
ネタとはいえ美人キャラを醜女にすることもあるため批判される事があるが、これについては当時のギャグマンガの傾向が大いに関わっており、何も沢田ユキオだけが悪いわけではない(オカマネタや「昔は美人だったが今は醜女」などは、当時のギャグ漫画としては定番中の定番である)。
逆に原作では悪女キャラであるキャプテン・シロップを、漫画内ではとても可愛く描いている。
余談
連載初期には何度かゼルダの伝説シリーズのネタを入れているが、実は沢田はゼルダの伝説と無関係ではない。
ファミコン必勝漫画にて『ゼルダの伝説』の読み切りを描いた他、わんぱっくコミックスでマリブラザーズ2を連載していた時は同誌に掲載されていた乱丸版『リンクの冒険』のゼルダ姫を1コマのみ出している(ピーチ姫に化けていた敵がゼルダ姫に変身した)。
単行本40巻の巻末には記念として沢田が最初に描いたマリオマンガが掲載されている。マリオが悪人顔だったり、クッパの顔が牛みたいだったり、ピーチがマリオに冷たかったりなどキャラクターが大分異なる。作風も変わっており多少のボケはあるが下ネタはなく、ストーリー自体は真面目である。
同名タイトルで、小学館の学習雑誌に掲載されていた嵩瀬ひろしの漫画作品も存在する。(画像右)
連載当初はマリオが他のゲームにお邪魔したり、逆にお邪魔されることもあった。
画像のネタは「ケイプがスターフォックスの世界からアーウィンを盗んできた(マリオは特に何もしていない)」「マリオが『神々のトライフォース』の世界からペガサスの靴を盗んできた」「カービィがマリオたちのピンチに駆け付けるが別のゲームだと気づき『お呼びでない』として慌てて帰って行った(後にケイプが盗んだものを取り返しに再び登場している)」というネタを示している。
上記にも書いたが、わんぱっくコミックスで連載されていた「スーパーマリオブラザーズ2」は本作の前身に当たる。ギャグや下ネタが多い本作と比べると、熱血でシリアスな面が多く描かれている。また、マリオブラザーズは関西弁を使っている。
「長い時間を生きたピーチ姫そっくりの女性メロン」「クッパたちが用意したニセマリオ(ロボット)が悪事を働く」など後のマリオシリーズに登場した人物と類似点があるキャラも出ている。
「スーパーマリオブラザーズ3」編も連載されたが、掲載紙の廃刊に伴いわずか2話で終了。クッパと決着を付けることなく打ち切りとなってしまった。
しかしマリオくん5巻の巻末漫画では、「マリオ3のクッパ」が登場してマリオたちと対決しており、かつて付けられなかった決着を付けている(ただし前作とのつながりはない)。またこのストーリーでは初めて「クッパの死(消滅)」が描かれた。
関連イラスト
関連タグ
個別
コロコロコミック 沢田ユキオ スーパーマリオ ギャグ漫画 児童漫画
関連作品
スーパーマリオメーカー:マリオくんのキャラマリオが配信
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ:ピーチが使用するキノピオガードが「味方を盾(武器)にする」という本作のギャグと同じ。ちなみにピーチ姫は24巻でキノピオを盾にしている。
だがしかし:スーパーマリオくんコミックガムが本編中に登場。アニメ2期でも無事に収録され、まさかのアニメデビューを果たす。
Pixiv内の代表的なコラボ作品
※以下のタグはスーパーマリオくんをパロディをした二次創作作品タグであり、沢田ユキオの作品では無く沢田ユキオとは一切関係はございません。