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魔界帝国の女神

まかいていこくのめがみ

1993年に公開されたマリオの映画化作品。正式には『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』。
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概要編集

1993年5月28日(日本では7月10日)公開。監督はロッキー・モートンとアナベル・ヤンケンの2人。

日本公開時のキャッチコピーは「マリオが、ハリウッドを本気にさせちゃった!」


CMなどを除くと2023年現在スーパーマリオ唯一の実写映像作品である。日本に限らなければマリオとルイージが実写で登場するバラエティ番組もあったりしたのだが、日本ではこれが唯一。


任天堂アメリカが映画化権を売り出したことで企画が始まったのだが、任天堂は制作自体には一切関わっていない。そのためかゲームのスーパーマリオとは大きく設定が異なり、その内容も非常に奇天烈なものに。


マリオ、ルイージ、クッパ、デイジーといったメインキャラ以外にも、実はサブキャラクターにマリオキャラの名がふんだんに使われている。ただし、「グンバ」、「トード」などと日本語版でも英語名が使われているため気づかれていないことがほとんど。


2023年9月15日にリバイバル上映予定。


ストーリー編集

6500万年前、巨大隕石の落下によって、地球は地上世界と地下世界の2つの次元に引き裂かれた。地上世界(人間世界)からは遠い昔に絶滅したと思われていた恐竜は地下世界で進化し、地底に独自の世界を築いていた。


そして、現代のニューヨーク・ブルックリン。一人の女性が教会の前で大きな卵と小さな石を置き、その場を去って行く。それを拾った教会のシスターたちの前で、卵から人間の赤ん坊が生まれた。


それから20年後。ブルックリンで配管の仕事を請け負うマリオとルイージの兄弟は、地下の下水路で化石発掘を行う調査チームのリーダーであるデイジーと知り合う。


主な登場人物編集

我々の知る姿のマリオではなく、ニューヨークで配管工を営む中年の男性。弟のルイージを育てた苦労人。現実主義な性格をしていたが、地下世界での冒険を経て、次第に自らの目の前で起こっている常識から大きく離れた現実を受け入れ、クッパとの対決に臨む。

女性を口説くのに慣れており、デイジーをナンパするルイージに協力したりしている。自身にもダニエラという恋人がいる。

2015年に宮本茂氏が「マリオの本名はマリオ・マリオ」と発言した……とされるニュースが一時期飛び交ったが、これは『スーパーマリオ30周年祭』における冗談のような発言が拡散されてしまったものであり、後に任天堂は「本編のマリオの正式名称は『マリオ』」と完全否定している。


マリオの弟で、兄と共に配管工を営んでいる。弟というがマリオとは大きく歳が離れており、実際血の繋がった兄弟ではなく、孤児院からマリオに引き取られて育てられた。フィクション好きの空想家で、口下手だが勇気や思い切りのある性格であり、やたらと勘に頼って行動する。

デイジーと出会ったことで互いに惹かれあっていき、別れる際に相思相愛を確認しキスをしたほど。

後の作品で、ルイージとデイジーにマリオにおけるピーチ姫同様にカップリング設定が生まれるが、そのもととなったのはこの作品ではないかと言われることが多い。

実は本作より2年前のファミコン版『マリオオープンゴルフ』にて、マリオのキャディーをピーチ、ルイージのキャディーをデイジーが務めており、ルイージとデイジーの接点をそこから汲んだのかもしれない。


マリオの恋人で、日焼けサロンで働く本作のオリキャラ。

セクシーな風貌で一見すると高飛車な性格だが、マリオ達が連れて来たデイジーを気遣い、脱出の際マリオに協力的な姿勢を見せるなど、実際はフランクで常識人。終盤ではマリオと結婚し同居している様子がうかがえる。

一応の元ネタは『初代ドンキーコング』の「レディ(ポリーン)」だが、本作ではオリジナルの「ダニエラ」というファーストネームが付き、そちらでしか呼ばれない。


大学の化石発掘調査チームのリーダー。

その正体は地下世界に広がる恐竜帝国ダイノハッタンの王女である。赤ん坊だった頃に母に連れられ、クッパの起こしたクーデターから逃れて地上の教会に託され、孤児として育てられてきた。クッパ達に追われる中でマリオとルイージに出会い、ルイージと惹かれあっていく。

ピーチ姫ではなく彼女がヒロインに抜擢されたのは、「ピーチ」という名前が当時海外で卑猥な単語扱いであり「Princess Toadstool(毒キノコ姫)」に変えられていたのだが、この名前だとキノコ王国が前提となってしまうため本作の設定にそぐわないので、無難な女性名のデイジーが採用された……という説がある。


観鈴ちんとヨッシー

クッパの居城であるビルで飼われている恐竜。デフォルメの一切無いリアルな子供の恐竜である。

舌を伸ばしての捕食行動はほぼ原作通りと、本作においては原作再現度も比較的高い。

レナに殺されそうになったデイジーを救うなど活躍した。


ダイノハッタンの大統領。ゲームで知られるカメではなく、ティラノサウルスから進化した恐竜族という設定。

クーデターを起こしてデイジーの父親である国王を追い落としてキノコに変身させ、国を乗っ取り独裁者として君臨している。自分の悪口を言った者は逮捕して逆進化させ、「グンバ」に変えて配下に置くなど残忍かつ残酷。恐竜世界と人間世界を統合して、両世界を支配しようと企む。その暁には人類の抹殺を果たそうとする(自分たちを差し置いて地上に住む人間を憎悪していた)。

ちなみに、クッパの海外名は「Bowser(バウザー)」であり、ノコノコ(厳密にはカメ一族)の海外名が「クッパ(Koopa)」なのだが、この映画では日本でも海外でもクッパであるため、日本以外では「なぜかノコノコがラスボスになっている」と思われることもある。他にノコノコに該当するキャラが存在しないため、本当にノコノコをラスボスにした可能性も無くはないが。

「レナ」という情婦か秘書のような女性も登場する。


  • レナ

クッパの秘書兼愛人。デイジーの母親とは顔見知りだったようで、デイジーを「母とそっくり」と語る(メタ的には、デイジーの母親をデイジー役のサマンサが兼任していた)。

クッパ以上強い野心を持ち地上世界征服をも企む。クッパがデイジーに執心しているのに嫉妬し殺害を目論むが、ヨッシーに阻止され失敗。

マリオとクッパの戦いの最中、どさくさに紛れて隕石の欠片を手にすると隕石に取り付けて二つの世界を繋げようとする。それを止めに来たルイージ、デイジーと対峙するも隕石の結合を進めた結果、逆流したエネルギーに耐えられず壁面に叩きつけられ、白骨化するという末路を辿った。

この後、クッパもマリオとルイージに敗れ後を追うこととなる。


いつも2人揃って行動するクッパの手下。クッパによって知能を進化させられたが、それでも元が悪すぎたのか頭は悪いままで、ドジを踏んでばかり。

クッパに批判的な発言をしたために彼の怒りを買い、処刑されそうになる寸前で寝返りを敢行する。

なお、「スパイク」はガボンの英名。『レッキングクルー』のブラッキーも同じ英名だが、本映画でのモチーフになったのは前者のガボンの方である。


クッパが使役する兵士。クッパに逆進化させられた住人たちの成れの果ての姿。人間よりも大柄で、頭が異様に小さく首から下が異様に大きい。知能は総じて低く単純な行動が多い。

「グンバ」はクリボーの英名だが、本作では恐竜族の一種でゲームとほぼ別物であるためか、日本語版でも英名そのまんまで登場。

逆進化銃という、生物を退化させる光線を放つ特殊な銃を持つ。


ブンブンバーの雇われ用心棒。びっしりとスパイクが生えた赤いエナメルのワンピースという刺激的(?)衣装に身を包んだ大柄な女性。KONISHIKIに似ている。情が深い性格なのか惚れ合ったマリオに協力し荒事に力を貸す。

マリオの口説き文句「俺と一緒にダイエットしようぜ」はやや有名。


  • キノコ

クッパに逆らい変化させられた国民たちの成れの果ての姿。一応『スーパーマリオ』シリーズのキノコが元ネタではあるが、茶色い菌糸体をデロデロとぶら下げているベタベタした何かという、登場作品バグったかのようなビジュアル。


  • ボム爆弾(Bob-Ombs)

ボム兵ほぼそのままの姿で出演。しかし大きさはごく一般的な手榴弾サイズで、ゼンマイも右側面に付いている他、足裏には何故かリーボックのロゴがある。垂直な壁面や天井も歩行して踏破できる。一般国民にも危険物として認知され恐れられている。


評価編集

4800万ドル(当時のレートで50億円以上)の巨費を投じて作られた本作だが、興行成績はすこぶる悪く、北米興行収入が2100万米ドル、日本配給収入が3億円と、日米ともに散々な結果となり、製作費の半分程度しか回収できないという大赤字を出すことに。

日本で公開された際は『スーパーマリオコレクション』のCMでも使われるなどのPRもされたが、よりにもよって恐竜繋がりかつその年トップの興行収入であった『ジュラシック・パーク』の公開と同月で重なってしまったことが響いた。

ゲームからかけ離れた設定も全体的にB級映画感が漂い、内容も「これは断じてマリオではない」と批判されることが多い。あまりのひどさから有名作品が実写化される際よく引き合いに出されるほど。


とりわけアメリカでの評価は非常に辛辣で、本作で主演したボブ・ホスキンスはダニー・デヴィートの代役という形で出演したのだが、後のガーディアン紙のインタビューで、今までで最悪の仕事として真っ先に本作を挙げ、「金のために出たのだが、それでもギャラを投げ返したいぐらい」「なにもかもが素人で、あれほどひどい映画は類を見ない」と、2人の監督と共に酷評しているほど。

一方でゲーム誌関連のインタビューでは本映画を絶賛しているため、本心ではどう思っていたかは不明なまま2014年に亡くなられてしまっている。


ただ、日本では「言うほど悪くは無い」という意見もあり、マリオ産みの親である宮本茂氏も黒歴史扱い等はしておらず「作家性の持った違う解釈ができる作品は面白いです」と、意外にも好意的なコメントを残している。ただ興行収入や評価が振るわなかったことについては「任天堂のクリエイティブな目で見なければ駄目」という反省点があったらしく、本作の失敗が後のイルミネーションとの共同製作につながった。


これらの事情から知名度はそれほど低くなく、あくまで我々の知るマリオとして見なければ(それでもB級テイストの域は出ないが)良い映画だったのかもしれない……。


とはいえ、物語としては「配管工の兄弟がクッパに攫われたお姫様を救い出し王国を救う」というマリオブラザーズのコンセプトはきっちりと守っており、原作ネタを元にした演出や小ネタも多く、実はよく観るとマリオ作品として押さえるところはしっかり押さえてると評価できなくもない作品となっている。


2023年の映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」公開後は、何故か本映画のソフトが軒並み品切れになるという思わぬ事態が起こっている。「ブルックリンで配管工をしている」という設定が踏襲されるなど、本作に対してもリスペクトが見られる。一方、本作のルイージ役のジョン・レクイザモは同作について「声優に多様性が欠けているので見ない」と語った一方、大ヒットを記録すると「次回作には出てもいい」と手のひら返しをしている。緑の二番手が偉そうに…


余談編集

やはりハリウッド映画という事で漫画作品でも触れられている。

本山一城版『スーパーマリオ』では『マリオカート編』3巻にてデイジーが「わたしはデイジー! アメリカで上映された映画のヒロイン!! ピーチはでないけどあたしはでたのよ!」とアピールしている。


本山一城版スーパーマリオの「ヨッシーのロードハンティング編」では畑作業を営む中年女性バーサのペットとして飼われており、ヨッシーと友達になる。人語は喋れないがヨッシーとは意思疎通が可能で「オレ~だぜ」という男らしい口調。バーサのペットにされたヨッシーに対し「マリオの友達なら一緒に行ってこい。その代わりオレも友達だぜ」という旨を伝えて送り出している。

最終巻ではクッパが起こした異変の影響で性格が逆転してしまい、敵となってヨッシーと対峙する。しかしクッパがマリオに敗れたことで激突する前に正気を取り戻した。


逆進化銃(Devolution Gun)

スーパーマリオくん』では、漫画オリジナルエピソードの「クリスタルキノコアドベンチャー」編で、クッパが退化銃を持ち出してルイージをサルへと変えている。元ネタとしてこの作品についても触れられている。


また、後のゲーム作品でも「スーパーマリオ64」の「壁や絵に飛び込んで異世界に行く」という点や、「スーパーマリオオデッセイ」の「リアルな恐竜」「アメリカ風の大都市」という点で本映画を彷彿と要素があり、度々話題に上ることがある。


関連イラスト編集

本家のマリオシリーズのようにデフォルメされた作品もある。

ダイノハッタンの戦いMiniSketch - Movie!Daisy


関連タグ編集

スーパーマリオ ハリウッド

ルイデジ

ピーチ姫救出大作戦!ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー:同じくマリオの劇場作品(アニメではあるが)。特にザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーの方は「ブルックリンに住んでいる配管工兄弟が異世界に行く」という設定が共通している。


スーパーマリオギャラクシー:「クッパが星の力で悪の帝国を築こうとする」「異なる世界を行き来する冒険(厳密には惑星を行き来するのだが)」「メインヒロインがピーチではない」「クッパが悪用しようとした星の力によって倒される(レナの末路と同じ)」「マリオが白骨化して倒れる(こちらもレナの末路と同じ)」「元の日常に戻るもヒロインたちと離れ離れになるが、いつかまた会える(ことが示唆される)」といった点が類似。少し苦しいがマリオとクッパの戦いで描かれた「地底と地上を行き来して攻防を繰り広げる」など舞台を変えながら戦うという表現も、ギャラクシーの「マリオとクッパが星々を行き来しながら戦う」に通じなくもない。


爆竜戦隊アバレンジャー:映画公開から10年後の2003年に制作されたスーパー戦隊シリーズ第27作。巨大隕石により「ダイノアース」という地球から分裂した別世界が存在し、そちらで生き残った恐竜たちは独自の進化をしていったといった設定がよく似ている。


機動武闘伝Gガンダム:こちらも見た目を思いっきりぶっ壊した為に従来作からのシリーズファンから黒歴史扱いされやすい作品だが、シリーズに於ける基本コンセプトを遵守しシリーズ産みの親から好意的な評価を得た共通点を持つ。

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