概要
『スーパーマリオ64』と『スーパーマリオサンシャイン』の流れを受け継ぐ、3Dアクションのマリオシリーズの一作。
今作はマリオシリーズで初めて宇宙が舞台となっており、様々な星に用意されたスターを集めることが目的。
BGMはスーパーマリオのゲームとしては初となる、オーケストラの生演奏を採用。神曲と呼ばれるものが多く、クラブニンテンドーの景品としてサウンドトラックが登場するなど、高い評価を得ている。
後に、マリオシリーズだけでなく大乱闘スマッシュブラザーズシリーズにも参戦することになるロゼッタと星の子供チコがキーキャラクターとして初登場する。
2010年に続編として、『スーパーマリオギャラクシー2』が発売された。
2020年9月18日に、前2作と共にNintendo Switch用ソフトである『スーパーマリオ3Dコレクション』に収録されて発売された。HD画質に対応するようになったほか、おすそわけプレイで原典同様のアシストプレイも可能。
あらすじ
百年に一度ある「星くず祭」の日、マリオに招待状が届く。招待状は、ピーチ姫からのものだった。ピーチ姫からの招待状をにぎりしめ、マリオがピーチ城に到着するとそこは星くず祭の真っ最中だった。
だが、突如飛行船に乗ってクッパが登場。「我輩の作る新しい銀河の誕生に立ち会ってもらう」というクッパの台詞と共に、またまたピーチ姫がピーチ城ごとさらわれてしまう。そしてクッパ達は銀河へと消えていった。マリオも戦ったが、クッパの手下であるカメックによって、宇宙の彼方へと弾き飛ばされてしまう。
気がつくとマリオは「ヘブンズ・ドア(天の扉)」と呼ばれる場所にいた。その世界で星の子「ベビーチコ」(『スーパーマリオギャラクシー2』からは「ベビィチコ」表記)と、エメラルドのドレスを着た女性「ロゼッタ」と出会う。彼女達はクッパによって宇宙に散らばった「パワースター」を集めてほしいと言う。
マリオは地球を飛び出し、宇宙を冒険することとなる。広い宇宙に浮かぶ奇妙な惑星の数々。マリオは特殊な能力で星を巡り、ピーチ姫の手がかりを探す。
登場人物
- マリオ(声:チャールズ・マーティネー)
本作の主人公であり、プレイヤーキャラクター。ジャンプやダッシュなどのおなじみのアクションに加え、「スピンアタック」を新たに習得し困難に挑む。
- ロゼッタ(声:メルセーディス・ローズ)
ピーチ姫と容姿が似ているが、肩がはだけたエメラルドグリーン基調の服装や髪の色のほか、彼女よりも長身で、前髪で右目を隠していることなどの違いがある。
ストーリーが進むと、チコ達とマリオに対して絵本を読んでくれることもあり、ストーリー進行とともに章が進んでいく。章が進むことで明らかとなるが、この内容はロゼッタ自身の過去を書いたものである。絵本中では、彼女は最低でも数百年は生きていること、キノピオ探検隊の使う宇宙船は彼女が初めて出会ったチコが持っていた船であること、なぜ彼女がチコたちの「ママ」であろうとしているかなど、ほうき星の天文台創成の核心が触れられている。
なお、身長設定に関しては開発途中ではピーチ姫と同様だったのだが、同時期に開発していた『マリオカートWii』に登場することが決まった際に「重量級の女性キャラとして出したい」という『マリオカート』側スタッフの要望で現在の身長となったらしい。
海外版での名称は「ロザリーナ姫」(Princess Rosalina)となっている。
銀河中に住んでいる星の子。スターピース(後述)が大好物で、変身能力を持つ。いろいろな種族のチコが存在する。ロゼッタのことを「ママ」と慕う。
海外版での名称は「ルーマ」(Luma)となっている。
ロゼッタから授けられる特別なチコで、白く小さい。マリオにスピンの力を与えてくれる。
- バトラー
海外版での名称は「ポラリ」(Polari)となっている。
- ハラペコチコ
- コメットチコ
- よろずやチコ(チコショップ)
- カン・バーン、ケイジ・バーン、デンゴン・バーン、カワラ・バーン
- キノピオ(声:サマンサ・ケリー)
また、キノピコもオープニングに複数体登場する。
マリオを追って宇宙へ出てきたキノピオの探検隊。キノピオ隊長を始めとしてキノコ船と呼ばれる宇宙船でパワースターを探している。
基本的に隊員の足を引っ張ってばかりで、隊員からの信頼も薄いのだが、パワースターへの近道を作ってくれるなど、役に立つこともある。ヘッドライトの光でテレサを倒すことが出来る。
- あおキノピオ メガネをかけているキノピオ。知的で、的確なアドバイスをしてくれることもあるが、運動は苦手。スターダストギャラクシーではメガネをなくしたため、かけていない。
- きいろキノピオ
- みどりキノピオ
- むらさきキノピオ
他のキノピオよりも行動的で、大抵奥地に進んでいたり、氷の浮かんだ海に潜ってパープルコインを探すなど、いつも身体を張っているのは彼である。
因みに手紙が来ているときは彼の頭上に封筒のマークが表示され、近づくと音が鳴って知らせる。
- ルイージ(声:チャールズ・マーティネー)
スターを全て集めると2周目としてプレイヤーキャラとして遊べるようになる。これまでの作品と同様に、マリオよりもジャンプ力が高いかわりに滑りやすい。
ルイージのシナリオでもルイージが登場するが、本人はルイージ(プレイヤー)を自分によく似た人物としか思っていない。
なお、ルイージのシナリオは一部しか変更されていないため、ピーチ姫の手紙のあて先がマリオのままだったり、ファントムギャラクシーで捕まっているルイージが助けを求める相手もマリオのままである。
- ピーチ姫(声:サマンサ・ケリー)
- 星ウサギ
外見は普通のペンギンと同じ。海の島で水泳の授業を受けているが、海の中に隠れる珍しいものを見つけては授業をサボり、よく遊んでいる。
- ペンギンコーチ
- ペンギン仙人
ミツバチ王国の女王。非常に大きい。クワカブト一家の乱暴ぶりに手を焼いている。ハチマリオの場合、体に張り付くことが出来る。
『マリオカート7』ではレーサーとして参戦する(大きさはマリオなどと同程度になっている)。
- ハニービー
- シャッチー
- テレサレーサー
関西弁を話すおばちゃんロボット。綺麗好きでかなり口うるさい。天文台のドーム「マシンルーム」内にもいる。
変身
ハチキノコを取ることで変身。ミツバチの姿になり、空中でAボタンを押し続けるとFLYメーターが無くなるまで飛び続けることができる。FLYメーターは飛行を続けている間に減少していき、着地時や何かに掴まっている間は回復していく。また、花や雲を足場として利用したり、「ハチミツカベ」に張り付いて、壁を移動することも可能。この状態になっている間は、通常の状態では回避行動をとるコテムシという敵が攻撃して来る。また、幅跳び・バック宙・三段跳びができなくなる。
水に触れる、もしくはダメージを受けると元の状態に戻る。
因みに光はテレサ同様苦手。強い光を浴びるほか、スターリングや水に触れる、ダメージを受けるのいずれかを起こすと元の状態に戻る。
バネキノコを取ることで胴体に大きなバネが巻きついたマリオに変身。スリンキーのような動きで、常にジャンプし続けながら移動する。
着地時にAボタンを押すと、非常に上昇力の高いジャンプをすることが可能。空中で壁にあたると自動的に壁キックを行う。通常のマリオでは昇れないほどの傾斜や、カベキックで昇るにはあまりに幅がありすぎる狭間を昇ることができる。
スターリングや水に触れる、ダメージを受けるのいずれかを起こすと元の状態に戻る。
ファイアフラワーを取ることで変身するマリオシリーズお馴染みの変身。
約20秒間、バウンドしながらある程度対象を追尾するファイアボールを投げられる。ファイアボールは敵を倒す以外にも、障害物を壊したり、燭台に火を付ける効果も持つ。従来の2Dアクションシリーズとは違い、ファイアボールを投げながら移動することは不可能になっている。
なお、この状態ではスピンはできないが、ジャンプ中にファイアボールを投げることでマリオの地面着地までの落下速度を遅らせることは可能。
アイスフラワーを取ることで変身。
約20秒間、全身が氷結化し、水面や噴水、溶岩を凍結させ、それらの上をスケートで移動できる。滝を凍らせ、壁キックをすることも可能。
余談だが、『NewスーパーマリオブラザーズWii』で登場するものとは効果が異なる。
レインボースターを取ることで変身。
約20秒間、虹色に光りだし無敵状態になり、触れただけで敵を倒せる。走り続けていると走行速度が上昇する。
レッドスターを取ることで変身。
約60秒間、ジャンプ中にWiiリモコンを振ると、空を自由に飛ぶことができる。また、Aボタンを押しっぱなしにしつつコントロールスティックを操作することで、空中で静止して飛行方向を変えることができる。
周囲にあるパープルコインやスターピースは、隣接した状態でスピンするだけで瞬時に回収することが可能。
さらに、天文台ではハラペコチコが変身したギャラクシーの方向に飛ぶと、スーパースターリングを使用しなくてもそのギャラクシーに移動することができる。
なお、試練の銀河のスーパースターリング(緑色)に触れると時間内でも元に戻る。
エリア
ドーム
ほうき星の天文台の各地に配置されている生活スペースのような場所。このドームの中にあるスターキャプチャーを使うことでギャラクシーへと向かうことが出来る。ドームには4〜5か所のギャラクシーが存在し、ギャラクシー内の各シナリオでパワースターを獲得すればクリアとなる。シナリオが多数設けられているギャラクシーと、シナリオが1つしか存在しないギャラクシーがあり、またドームの最後に出現する「プラント」においてグランドスターを獲得すると次のドームをプレイすることが出来る。
テラス
最初に行けるドーム。基本的操作を身につけるためのステージとなっている。
- エッグプラネットギャラクシー(スター×1)
- ハニービーキングダムギャラクシー(スター×3)
- トライアルサーフィンギャラクシー(スター×5)
- フリップパネルギャラクシー(スター×7)
- クッパJr.ロボプラント(スター×8)
バスルーム
2番目に行けるドーム。ここでは、ステージ上のギミックを利用することを身につけるステージとなっている。
- スターダストギャラクシー(クッパJr. ロボプラントをクリア)
- バトルロックギャラクシー(スター×12)
- トライアルボールギャラクシー(スター×11)
- バンバンバニッシュギャラクシー(スター×18)
- クッパスタープラント(スター×15)
キッチン
3番目に行けるドーム。ここでは特別な操作や変身能力を上手に使いこなすためのステージとなっている。
- グラスビーチギャラクシー(クッパスタープラントをクリア)
- ファントムギャラクシー(スター×20)
此処でオバケマリオに変身できる。ボスである「ポルタ」が登場する。
- トライアルバブルギャラクシー(スター×19)
- フローターランドギャラクシー(スター×30、グラスビーチギャラクシーの「海の底のキラキラ」をクリアしている)
- クッパJr.シッププラント(スター×23)
ベッドルーム
4番目に行けるドーム。ここでは今までの操作をより上達させるステージとなっている。
- ウィンドガーデンギャラクシー(クッパJr.シッププラントをクリア)
- アイスボルケーノギャラクシー(スター×26)
- サンドアイランドギャラクシー(スター×29)
- ハニークライムギャラクシー(スター×42)
- クッパダークマタープラント(スター×33)
子供部屋
- ヘブンズドアギャラクシー
マシンルーム
5番目に行けるドーム。今までの操作を駆使しながら、さらに隠れた仕掛けを見つける能力を鍛えるステージとなっている。
- オータムウッズギャラクシー(クッパダークマタープラントをクリア)
- ループオーシャンギャラクシー(スター×36)
- トイボックスギャラクシー(スター×40)
此処でバネマリオに変身できる。このステージのメインBGM「スーパーマリオ2007」は、『スーパーマリオブラザーズ』の地上BGMのアレンジで、このゲームのCMにも使用された。
- スカルシャークギャラクシー(スター×55、ティアドロップギャラクシーをクリア)
- クッパJr.クリーチャープラント(スター×45)
ロフト
最後に開くドーム。難易度は全ドーム中最難関で、ステージ構造もかなり複雑になっている。プラントは存在しない。
- ダンジョンケイブギャラクシー(クッパJr. クリーチャーをクリア)
- キャノンフリートギャラクシー(スター×48)
- ヘルプロミネンスギャラクシー(スター×52)
- ミステリーサークルギャラクシー(スター×50、トイボックスギャラクシーの「鋼鉄魔王メカクッパ」をクリアしている)
ドーム以外のギャラクシー
通常のギャラクシーとは形態が異なり、ほうき星の天文台から直接スーパースターリングを使用して向かうギャラクシーで、ステージ内のスターの数もほとんどが1つである。
ハラペコチコの変身によって行けるギャラクシー
ほうき星の天文台に出現するハラペコチコに規定量のスターピースを与えることにより、彼が変身してステージが出現する。
- スイーツファクトリーギャラクシー(スターピース×400、スター×7)
- コクーンアステロイドギャラクシー(スターピース×400、スターダストギャラクシーの「ひっぱりマユとクモキング」をクリアする)
- ティアドロップギャラクシー(スターピース×600、グラスビーチギャラクシーの「海の底のキラキラ」をクリアする)
- フィッシュトンネルギャラクシー(スターピース×800、サンドアイランドギャラクシーの「砂竜巻の上昇気流」をクリアする)
- サンドリバーギャラクシー(スターピース×1000、「オバケ屋敷のルイージを救え!」と、ループオーシャンギャラクシーの「激走!ペンギンレース」をクリアしている)
- デスプロムナードギャラクシー(スターピース×1200、「オバケ屋敷のルイージを救え!」とヘブンズドアの「天の扉のパープルコイン」をクリアしている)
- スノーカプセルギャラクシー(スターピース×1600、ヘルプロミネンスギャラクシーの「地獄の釜をかけぬけて」をクリアする)
試練の銀河(チャレンジギャラクシー)
グリーンスターを全て集めると行ける様になる。クリアするにはかなりの技量が必要となる。
- チャレンジサーフィンギャラクシー
- チャレンジボールギャラクシー
- チャレンジバブルギャラクシー
- クッパギャラクシープラント
- グランドフィナーレギャラクシー
スーパーマリオくんでは
『スーパーマリオギャラクシー編』は38巻~40巻となっている。
ゲーム版との違いは
- チコ達の長老のバトラーが、シワシワの老人の星の精になっている。
- 作者特有のギャグ補正故にキノピオ隊長がやたらと尊大でダジャレ好きなキャラとなっている。
- 障害物のゴロゴロ岩に顔がある。
- マリオが一部の敵キャラと和解している。
等が挙げられる。
余談
当時の人気はすさまじく、Wii初の3Dマリオ作品である為発売と同時に売り切れが続出した。
その勢いたるや、同日に発売した『オプーナ』を買いに並んだ客を根こそぎかっさらい、クソゲーと認定させ、更には生産中止に追い込み、業界の闇に葬るレベル。
もっとも、そのような意図があったわけではないだろうが…。
販売面では1222万本(2014年5月現在)を記録し、3Dアクションマリオシリーズとしては歴代最高の販売本数を達成している。
海外の各ゲームサイトで高い評価を得た(IGNによると、Press平均9.7)ほか、IGNの2007年ゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞。また、日本ゲーム大賞2008年度優秀賞と、第5回英国アカデミー賞ゲーム部門作品賞を受賞した。
「クッパが帝国を築き、星の力を悪用して世界征服を目論む」「異なる世界を行き来する冒険」といったコンセプトは、映画『魔界帝国の女神』に通じるものがある。
この映画のクッパは地底世界に帝国を築いており、隕石の力を我が物とすることで地上世界の侵攻まで果たそうとしている。また黒幕の1人がクッパを見限って隕石の力を手にしようとするが、反動に耐えられず白骨化する……という結末を迎えている。
ギャラクシーのクッパとマリオも似たような末路や倒れ方を辿っており、悪用しようとした力によって倒される、白骨化して倒れるという部分は類似している。
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