ヘッドライトには以下の意味がある。
- 自動車、自転車、航空機などの乗り物の前側(通常進行方向に面している側)に取り付ける照明。前照灯。自動車のヘッドライトについては本項で詳述する。
- 人の頭に被せたり、帽子・ヘルメットなどの被り物に取り付けたりして、人が進んでいく行く手を照らすための器具。洞窟、鉱山、下水道といった光源の無い場所で用いられる。
自動車のヘッドライト
自動車の電装品のひとつ。夜間や暗い場所を走行する時に使用し、前方を照らすほか、車両の存在を対向車や歩行者に知らせる意味もある。
保安基準上の呼称は「前照灯」。保安基準上必ず備えなければならず、夜間やトンネル内では必ず点灯しなければならない。
不活性ガスを封入した白熱電球であるハロゲンランプが主流だが、2007年のレクサス・LS600hを皮切りに、LEDを使用した前照灯の採用も広がりつつある。
前灯の種類
自動車の前照灯は2段階になっており、1段階目では車幅を示すことに特化した小型灯であるスモールランプ(車幅灯、スモールライト)が点灯する。ポジションランプは前方を照らすほどの光量はないが、車の存在を周囲へ知らせることができる程度のもので、薄暮時や停車時に使用する。
デイライト(昼間走行灯)といって、走行中は自動点灯するランプもあるが、夜間にヘッドライトが点灯すると自動消灯する(夜間に使うと明るくなりすぎるため)。
ヘッドライトとは別にフォグランプを装備した車両もある。これは霧や降雪、大雨などで視界が優れない時に使用するもので、ヘッドライトと異なり必ず備えなければならないものではない。補助灯扱いなので前照灯とはならず、これ(と車幅灯)のみの点灯は無灯火扱いで前照灯の灯火義務違反となる。
前照灯とこれら車両の前方を照らす灯火を総称して前灯と呼ぶ。
ヘッドライトのデザイン
自動車のフロントフェイスを「顔」に見立てると「眼」に当たり、「表情」を左右する非常に重要なパーツである。高度経済成長期までの旧車は「丸目」、1970年代後半〜80年代半ばは「角目」が主流だったが、これは1974年までアメリカ合衆国の規制ではヘッドライトは丸型のシールドビームでなければならなかったからである。日本車や欧州車ではその前からも少数ながら角形や異形のライトが存在したが、当時の自動車メーカーは、最大の消費地であるアメリカの法規を無視できなかった。アメリカでは1984年に異形ライトが全面解禁され、それ以降に登場した車種では異形ライトが一気に主流になった。
関連タグ
ヘッドランプ...表記揺れ。
ヘッドライト・テールライト...中島みゆきの楽曲