トロリーポール
とろりーぽーる
電車(主に路面電車)やトロリーバスの屋根に設置されている集電装置の一つ。「ポール」や「電棍」ともよばれる。
無動力の制御車や付随車に取り付けられた事例もあった。いずれも現在ではほとんど廃れており、レトロな雰囲気を演出する要素となっている。
近年の電車は路面電車に限らず簡素なシングルアームのパンタグラフが増えており、ぱっと見には昔に戻ってるように見えなくもないが、実際にはシングルアームパンタグラフはトロリーポールと構造が全然違うので先祖返りではない。なお、車齢の高い車両の中には最初はトロリーポールで登場し、現在はシングルアームパンタグラフというのも存在する(元神戸市電500形の現広島電鉄570形など)
外観は、棒が立っているだけの単純なものやその先端に滑車のようなもの(最近まで残った関西電力のトロリーバスのそれは、V字型の溝を切ったシューとなっている。パンタグラフ参照)が取り付けられている形状であり、先端より紐(これはポールが跳ね上がるのを防止するためである)がついており、先端を架線に接触させて集電する。
現在主流のパンタグラフに比べ比較的簡素なつくりであるため、架線の精度が必要でない、コストが安いなどの理由により使われていたが、特に分岐が存在すると架線から外れやすい、外れた場合再接続させなければならないため、連結運転や高速運転が困難である。
また、進行方向に対して1本のもの(これは帰りの電気を線路に流す)と、2本のもの(2本目のポールから電気を返す、ちなみにトロリーバスの場合道路に電気を返せないためこの形式のみとなる)のものが存在する。2本ポールを採用した理由は、地面に流した電気により埋設された水道管などが電蝕(腐食)するのを防ぐためであり、主に市街地を走る路面電車で採用された。