概要
ドイツの技術者Walter Reichelがトロリーポールに替わるものとして考案し、完成させた集電装置。
名称の「ビューゲル」はドイツ語で弓、弧などを意味する"Bogen"という単語。英語では"Bow collector"とよばれ、日本では英表記に倣い「弓型集電器」と名づけられている。また、その形から「布団叩き」(※)という俗称がついている。トロリーポールのような走行中の監視の必要はなくなったものの、進行方向を変える際はビューゲルの向きも変えなければならず、トロリーポール同様に高速時の架線追従性も悪いためパンタグラフに取って代わられた。
※・・・鉄道通信線用の電信柱を「蝿叩き」と言うのと同じたぐいの俗称。
類似品
既存の車両の改造では改造費を安く上げるため、トロリーポールの先端をY字型に分岐させ、その先に集電艝を取り付けた「Yゲル」(「Y字型ビューゲル」の略)というものや、トロリーポールを2基並べてその間を鋼管でトラス構造を組んで補強・接続し、先端に集電艝をつけた「ボウコレクター」というものがあった。