概要
ビューグル(Bugle)とは、非常に単純な構造の金管楽器の一種。「らっぱ(喇叭)」「信号らっぱ」とも呼ばれる。
トランペットのような形をしているが、一般的な金管楽器にあるバルブを備えつけておらず、唇の形や息のスピードのみで音の高低を調節する。そのため、基本的に「ド(低)・ソ(低)・ド(中間)・ミ・ソ(高)」の5音階しか音を出すことができない。
なお、この音名を「ド・ト・タ・テ・チ」と説明する場合もあるが(例:おもちゃのチャチャチャ)、これはビューグルを吹く際の口・舌の形と息の流れ方に由来している。
信号らっぱ
軍隊で用いられるビューグルは、「信号らっぱ」または単純に「らっぱ」と呼ばれ、特技課程を修了したらっぱ手のみが吹奏することを許される。
ビューグルの甲高く鳴り響く音は、遠方まで届き、かつ騒音のなかでも聞き取ることができる。そのため、古来より太鼓と並ぶ連絡手段として重宝され、「前進」「停止」「射撃」「突撃」などの戦闘指揮の号音(号令)を担っていた。
無線技術の発達した現代においては第一線で使われることはなくなったものの、平時における日課号音(「起床」「食事」「消灯」など)や、栄誉礼、観閲式などの式典行事において引き続き用いられている。
陸上自衛隊と航空自衛隊では横持ちで吹奏するが、海上自衛隊では狭い艦内でスペースを節約するために、縦持ちによる吹奏を基本としている。
また、管の調性は日本やアメリカではG管が一般的であるが、そのほかの国々では半音高いA♭管が主流となっている。
関連イラスト
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関連動画
日課号音(陸上自衛隊)
日課号音(大日本帝国陸軍)
日課号音(大日本帝国海軍)
平成25年度自衛隊記念日観閲式 特別儀じょう隊入場
関連タグ
トランペット - バルブが付いていない以外は基本的構造は同じである。
FA-MAS - フランス製のブルパップ式5,56mm小銃。その形状からビューグル(クレロン)と呼ばれる。
正露丸 - パッケージにらっぱ(ビューグル)のマークが描かれている。セットで流れているテーマ曲は旧日本軍の日課号音「食事」である。
木口小平 - 大日本帝国陸軍のらっぱ手。日清戦争における英雄的な活躍が後世に語り継がれている。