来歴
本名は中島 美雪(読み同じ)。
ヤマハミュージックコミュニケーションズ所属。
1975年、シングル『アザミ嬢のララバイ』でデビュー。
同年、世界歌謡祭にて『時代』がグランプリを受賞。
4つの年代にわたってオリコンシングルチャート1位を記録した唯一のソロ・アーティストである。
作詞家・作曲家としても数多くのヒット曲を世に送り出し、大きな成功を収めており、
他のアーティストへの提供曲では2010年代も加えて5つの年代にわたって1位を記録。
(研ナオコや工藤静香、TOKIO(ジャニーズ)等)
作・構成・作詞・作曲・主演を手がける音楽劇「夜会」を1989年から開催。
1999年、文部科学省の国語審議会委員を務めた。
この審議会の委員を務めた歌手は中島みゆきだけである。
2009年、紫綬褒章を受章。
東日本大震災後に桜井和寿や福山雅治ら多くのミュージシャンにカバーされた経緯から、
近年は楽曲『糸』で有名となり、結婚式でも歌われる歌手となった。
長年独身を通している大物アーティストのひとり。
人物
初期の楽曲は歌詞の内容が『暗い』『湿っぽい』と表現されるものが多かったため、
彼女のファンを名乗ると陰キャ扱いされることが多かった。
(漫画「哭きの竜」の中にもこういった描写が登場する)
このため本人も陰のある人物と思われがちだったが、ライブやメディア出演の際のトークでは、
うってかわって豪快で陽気な一面を見せている。
中島の担当していたラジオ番組を一度でも聞いたことのある人間であれば、
彼女の軽快かつ芸人顔負けのトークで本気で笑わせに来た夜を思い出すだろう。
歌唱時とトーク時で別人かと思うほどギャップのあるアーティストの代表格ともいえる。とにかく一言で言い表せないのでイラストのギャップで例えるならば・・・
これが歌唱からした一般的なイメージだとすると・・・
ラジオではこんな感じである。しかもハイテンション。なお誇張は一切ない。挙げ句の果てには吉野家の制服を着てラジオ収録の現場にユーミンの前に現れたりと謎のセンスを大爆発させる等事欠かない。(ちなみにユーミン曰く「かなわない」)
ラジオなどには出演が多いものの、基本的にはメディアへの露出は慎重になるタイプでもあり、
一時期TV出演から大きく遠ざかっていた時期もあった。
若い世代にも既に有名だったにもかかわらず「初めて動く中島を見た」という人も多かった。
慎重な性格ゆえに長い歌手生活の中で目立ったトラブルも全く無く、
メディア出演が増えた2000年以降も順調に活動を続けており、
世代を超えてファンが非常に多い。
また、長い活動の中で時代に合わせて(芯は変わらないながらも)、
常に新しいテーマ・新しいスタイルをパフォーマンスに取り入れ続けているため、
各世代にファンがいるのも特徴。
交友関係
吉田拓郎や小田和正、松山千春、さだまさしを初めとしたミュージシャンの他、楽曲提供を受けた者としては前述の研ナオコや工藤静香、柏原芳恵との交友が深い。
このほか、コンサートの演奏スタッフ等、数多くの人から慕われている。
松任谷由実とはデビューが近く、
楽曲の方向性や本人たちのキャラクター、ファン層などが全く異なることから、
マスコミやファンらからライバルとされることが多い。
また同じポピュラーソングコンテスト出身者である谷山浩子とも交友が深く、こちらは戦友的存在でもある。
主な楽曲
1970年代
- 『時代』(1975年):2ndシングル。
1975年の『第6回 世界歌謡祭』でグランプリを受賞した出世作であり、初期の代表曲。
後年、卒業式で歌われたり、音楽の教科書に掲載されたりして親しまれ、
2007年に「日本の歌百選」にも選ばれている。
- 『わかれうた』(1977年):5thシングル。
自身初のオリコンシングルチャート1位を獲得。
70万枚以上を売り上げ、1978年度の年間チャートで10位を記録した大ヒット曲。
累計売上はミリオンセラーに達したが、初のミリオンセラーとして扱われないことが多い。
- 『りばいばる』(1979年):7thシングル。
オリコンチャートでは11位ながら、30万枚以上を売り上げた。
1980年代
- 『ひとり上手』(1980年):9thシングル。
40万枚以上を売り上げ、初期の代表的楽曲になっている。
- 『世情』(1978年):1978年発表の4thアルバム『愛していると云ってくれ』収録曲。
ドラマ『3年B組金八先生(1981年放送の第2シリーズ)』の挿入歌として知られる。
- 『悪女』(1981年):11thシングル。
1970年代の『わかれうた』に続き1980年代でオリコンチャート1位を獲得した作品。
80万枚を超えるセールスを記録し、1982年度の年間チャートで6位を記録した大ヒット曲。
『ジュエルペット』にも使われたことがある。(9thアルバム『寒水魚』収録の別バージョン)
著作権の問題もありDVDの当該エピソードでは別の曲に差し替えられている。
- 『誘惑』(1982年):12thシングル。
前作に続く好セールスを記録し、1982年度の年間チャートで17位を記録。
- 『横恋慕』(1982年):13thシングル。
1982年度の年間チャート48位を記録。
- 『あの娘』(1983年):14thシングル。
1983年度の年間チャートで89位を記録。
- 『ひとり』(1984年):15thシングル。
1984年度の年間チャートで80位を記録。
- 『あした』(1989年):24thシングル。
オリコンチャートでは18位ながら、
33週にわたってチャートインするロングヒットとなった。
1990年代
- 『永久欠番』(1991年):19thアルバム『歌でしか言えない』収録。
歌詞は東京書籍から発行された中学3年生向けの国語の教科書『新しい国語』に掲載された。
また『傾斜(1982年)』や『誕生(1992年)』も教科書に採用されたことがある。
- 『浅い眠り』(1992年):28thシングル。
ドラマ『親愛なる者へ』主題歌。同ドラマでは中島も女医役で特別出演している。
当時40歳にして中島みゆき初のミリオンセラーシングルとなった作品。
1992年度の年間チャートで10位を記録した大ヒット曲。
ドラマ『家なき子』主題歌。
1980年代の『悪女』に続き1990年代でオリコンチャート1位を獲得した作品。
2作目のミリオンセラー。
1994年度の年間チャートで5位を記録した大ヒット曲。
『ファイト!』は、1983年発表の10thアルバム『予感』収録曲で、
シングル『空と君のあいだに』の両A面としてリカットされた作品。
- 『旅人のうた』(1995年):32ndシングル。
ドラマ『家なき子2』主題歌。
前作『空と君のあいだに/ファイト!』に続き、
1990年代でオリコンチャート1位を獲得した作品。
3作目のミリオンセラー。
2000年代
- 『地上の星/ヘッドライト・テールライト』(2000年):37thシングル。
ドキュメンタリー番組『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』主題歌。
1990年代の『空と君のあいだに/ファイト!』『旅人のうた』に続き、
2000年代でオリコンチャート1位を獲得した作品。
4作目のミリオンセラー。
通算オリコンシングルチャート100位圏内チャートイン183週を記録。
本曲で2002年末に『第56回NHK紅白歌合戦』に、デビュー27年目で初出場を果たし、
130週目でオリコンチャート1位を記録。
プロジェクトXの題材にもなった黒部ダムから中継され、歌詞を間違えたことも有名。
- 『銀の龍の背に乗って』(2003年):38thシングル。
ドラマ『Dr.コトー診療所』主題歌。
20万枚以上を売り上げ、後期の代表的楽曲になっている。
2010年代
- 『麦の唄』(2014年):44thシングル。
ドラマ『マッサン』主題歌。
本曲で2014年末に『第65回NHK紅白歌合戦』に、2002年以来12年ぶりの出場を果たした。
- 『糸』(1992年):1992年発表の20thアルバム『EAST ASIA』収録曲。
1998年にシングル『命の別名』のB面としてリカットされた作品で、
カバーやコマーシャルがきっかけで2010年代に大きな支持を受け、
2017年にJASRAC賞で金賞を受賞し、当時65歳にして中島みゆき初の国内作品1位を獲得。
2018年に有料音楽配信認定で100万DLを超えた作品としてミリオン認定された。
5thシングル『わかれうた』を含め、6作目のミリオンセラー。
- 『慕情』(2017年):45thシングル。
ドラマ『やすらぎの郷』主題歌。
2010年代で有線J-POPリクエストランキング1位を獲得した作品。
本曲で4つの年代にわたって有線J-POPリクエストランキング1位を記録した。
(80年代『悪女』、90年代『浅い眠り』、2000年代『地上の星』、2010年代『慕情』)
2020年代
- 『俱(とも)に』(2022年):47thシングル
ドラマ『PICU-小児集中治療室-』主題歌。
本曲が収録されたアルバムで、
オリコンとBillboard JAPANの2つのチャートで自身初の週間デジタル1位を記録した。
- 『心音(しんおん)』(2023年):48thシングル
アニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』の主題歌。
中島にとっては初のアニメ映画の主題歌になった。
主な提供曲
1970年代
- 『あばよ』(1976年):研ナオコに提供。
1970年代のオリコンチャート1位を記録。
60万を超えるセールスを記録し、研ナオコ最大のヒット曲となった。
提供曲『かもめはかもめ』や『窓ガラス』もヒットとなった。
中島本人の歌唱は、6thアルバム『おかえりなさい』に収録。
- 『しあわせ芝居』(1977年):桜田淳子に提供。
30万枚以上を売り上げ、桜田淳子の代表的楽曲になっている。
中島は、第20回日本レコード大賞の西条八十賞(のちの作詩賞)を受賞した。
中島本人の歌唱は、6thアルバム『おかえりなさい』に収録。
- 『この空を飛べたら』(1978年):加藤登紀子に提供。
35万枚以上を売り上げ、加藤登紀子の代表的楽曲になっている。
中島は、第20回日本レコード大賞の西条八十賞(のちの作詩賞)を受賞した。
中島本人の歌唱は、6thアルバム『おかえりなさい』に収録。
1980年代
- 『すずめ』(1981年):増田恵子に提供。
40万枚以上を売り上げ、増田恵子最大のヒット曲となった。
中島本人の歌唱は、12thアルバム『御色なおし』に収録されている。
- 『春なのに』(1983年):柏原芳恵に提供。
30万枚以上を売り上げ、柏原芳恵の代表的楽曲になっている。
中島は、第25回日本レコード大賞の作曲賞を受賞した。
今上天皇の好きな曲として知られる。
中島本人の歌唱は、17thアルバム『回帰熱』に収録。
1980年代のオリコンチャート1位を記録。
50万枚以上を売り上げ、工藤静香の代表的楽曲になっている。
提供曲『FU-JI-TSU(1988年)』、『MUGO・ん…色っぽい(1988年)』も1位を記録。
中島本人の歌唱は、17thアルバム『回帰熱』に収録。
1990年代
- 『ルージュ』(1977年):1979年発表の6thアルバム『おかえりなさい』収録曲。
1977年にちあきなおみに提供した作品で、
1992年にはフェイ・ウォンがカバーし、アジアで大ヒットとなった。
また、その年の香港の音楽賞を総なめにした。
- 『慟哭』(1993年):工藤静香に詞を提供。(作曲は後藤次利)
1990年代のオリコンチャート1位を記録。
90万枚を越えるセールスを記録し、工藤静香最大のヒット曲となった。
提供曲『私について(1990年)』も1位を記録。
中島本人の歌唱は、21stアルバム『時代-Time goes around-』に収録。
- 『最愛』(1984年):1985年発表の12thアルバム『御色なおし』収録曲。
1984年に柏原芳恵に提供した作品で、
1993年には柏原を敬愛するビビアン・チョウがカバーし、香港で大ヒットとなった。
- 『幸せ』(1997年):小林幸子に提供。
1997年に小林幸子に提供した作品で、
1998年にはリッチー・レンがカバーし、台湾でミリオンセラーを記録。
また『竹の歌(1995年)』や『銀の龍の背に乗って(2003年)』も中華圏で大ヒットした。
中島本人の歌唱は、34thシングル『愛情物語』に収録。
2000年代
- 『宙船(そらふね)』(2006年):TOKIO(ジャニーズ)に提供。
2000年代のオリコンチャート1位を記録。
40万枚を越えるセールスを記録し、TOKIO(ジャニーズ)の代表的楽曲になっている。
ジャニーズ事務所所属アーティストの楽曲で、
着うたダウンロードがミリオンを突破したのは、この曲が初。
中島は、第48回日本レコード大賞の作詩賞を受賞した。
中島本人の歌唱は、34thアルバム『ララバイSINGER』に収録。
- 『永遠の嘘をついてくれ』(1995年):吉田拓郎に提供。
1995年に吉田拓郎に提供した作品で、
2006年に吉田拓郎とかぐや姫が行った野外ライブコンサート「つま恋2006」で、
中島みゆきが吉田拓郎と歌唱した曲として知られる。
中島本人の歌唱は、24thアルバム『パラダイス・カフェ』に収録。
2010年代
- 『泣いてもいいんだよ』(2014年):ももいろクローバーZに提供。
2010年代のオリコンチャート1位を記録。
ももいろクローバーZがグループとして初のオリコンチャート1位を記録したことで知られる。
中島は、他アーティストへの提供曲が5つの年代にわたって1位を獲得したことになった。
中島本人の歌唱は、44thシングル『麦の唄』にB面として収録。
- 『愛される花 愛されぬ花』(1986年):三田寛子に提供。
1986年に三田寛子がに提供した作品で、
2018年には中国大陸の歌手、チョウ・ビーチャンがカバーし、
中国の大ヒットドラマ『愛される花』のオープニングテーマとなった。
中島本人の歌唱は、30thアルバム『おとぎばなし-Fairy Ring-』に収録。
2020年代
- 『島より』(2021年):工藤静香に提供。
中島本人の歌唱は、44thアルバム『世界が違って見える日』に収録。
NHK紅白歌合戦出場歴(提供曲・カバー含む)
1976年(第27回)
『LA-LA-LA(研ナオコ)』
1978年(第29回)
『かもめはかもめ(研ナオコ)』
『しあわせ芝居(桜田淳子)』
『雨・・・(小柳ルミ子)』
1979年(第30回)
『ひとりぽっちで躍らせて(研ナオコ)』
1983年(第34回)
『春なのに(柏原芳恵)』
1988年(第39回)
『MUGO・ん…色っぽい(工藤静香)』
1993年(第44回)
『かもめはかもめ(研ナオコ)』
『慟哭(工藤静香)』
1997年(第48回)
『幸せ(小林幸子)』
2002年(第53回)
『地上の星(中島みゆき)』・・・本人の初出場。
2006年(第57回)
『宙船(TOKIO)』
2011年(第62回)
『時代(徳永英明)』
2014年(第65回)
『糸(クリス・ハート)』
『麦の唄(中島みゆき)』・・・本人2回目の出場。
2015年(第66回)
『時代(徳永英明)』
2016年(第67回)
『宙船(TOKIO)』
2018年(第69回)
『時代(島津亜矢)』
2019年(第70回)
『糸(島津亜矢)』
2022年(第73回)
『黄砂に吹かれて(工藤静香)』・・・35周年SPメドレーの一曲。