つばめよ高い空から 教えてよ地上の星を
つばめよ地上の星は 今何処にあるのだろう
楽曲情報
- 作詞・作曲・歌:中島みゆき
- 編曲:瀬尾一三
概要
2000年から2005年にかけて放送されたNHKのドキュメンタリー番組『プロジェクトX~挑戦者たち~』の主題歌。
発売以来オリコンシングルチャートで100位圏内チャートイン通算183週(歴代1位)を記録した。
また、初登場から1位獲得までの100位圏内チャートイン週数(登場130週目)、100位圏内連続チャートイン(174週)、初登場からミリオンセラー達成までの100位圏内チャートイン週数(登場139週目)を果たし、歴代1位を記録。いずれも現在までの最長記録である。
2002年の第53回紅白歌合戦では出場した中島がプロジェクトXの舞台の一つでもある黒部ダム(黒部川第四発電所構内)からの中継で歌唱し、歌詞を間違えたことも有名。
2024年に『プロジェクトX』の新シリーズ『新プロジェクトX ~挑戦者たち~』の開始を受け、同番組の主題歌としてリファインされた『新・地上の星』が発表された。
初代のバージョンと比較してキーを上げたバージョンとなっているが、これはかつての『プロジェクトX』の舞台となった昭和時代後期と、現代(ひいては『新プロジェクトX』のメインとなる平成時代)の違いを意識しての事である(昭和と比べて平成期は物事のスピードと、より高い質や見栄えが要求された事の表現)とされる。当初はテンポを上げようとしていたが、中島によると速いテンポで歌うと下手になるとのことで、キーを上げる方向になったと語っている。
誕生秘話
1990年代も晩年、バブル崩壊の影響も社会の隅々に波及していたころ。
不況、倒産、負け組…そんな言葉があちこちに飛び交い、日本は戦争なき敗戦ムードに包まれていた。
「もう一度思い出してほしかった、木っ端みじんに吹き飛んだあの焼け野原の中から、死に物狂いで這い上がってきた先人たちの時代を…」
当時プロジェクトXのプロデューサーを務めていた今井彰は、そんな熱い思いを抱いていた。NHK=国営放送局故に特定の民間企業の宣伝ともとられかねない企画に難色を示す向きも強く、当時は社内のだれもが期待していなかったが、今井は情熱と人生をかけて取り組んだ。
番組を飾る主題歌に誰を起用するかで悩む中、ホテルの有線放送から流れてきた「ホームにて」や「命の別名」などを聞き「この無名の人々に光を照らすことが出来るシンガーは、日本広しと言えども中島みゆきしかいない」と感銘を受け、所属するヤマハにオファーを送り続けた。
しかし当時は中島への負担を懸念したヤマハが差し止めて、門前払いを受ける形となった。今井は勇気を振り絞って企画書同封のもと、再び中島みゆきへ直接オファーを掛けた。
「みゆきさん、日本には地の底で泥や汗にまみれながら頑張ってきた無名の人々が沢山います」
「彼らを照らす光を、みゆきさんの歌声で当ててやってください」
ドラマでも、歌番組でも、人気歌手とのCMタイアップでもない。平日のゴールデンタイムに流されるドキュメンタリー番組。放送五回分の企画書を受け取った中島は、第一回「富士山頂に気象レーダーを建設する男たち」をめくり…
「地味だなぁ…」
と率直な感想を抱き……同時にこうも思った。
「私が照らしてやるまでもない…」
「私が光を当てるまでもなく、彼ら自らが光を放っている」
「高い空を見上げるまでもなく、地上には星が輝いている」
と…
一週間後、中島は今井に直接電話を掛け、オファーを承諾することを告げた。
関連動画
関連タグ
麦の唄:同じくNHKの番組(連続テレビ小説『マッサン』)の主題歌となった中島みゆきの楽曲
高良みゆき:第7話エンディングテーマで歌唱し、話題となった。
スバル・ナカジマ ギンガ・ナカジマ:名前の元ネタになった可能性がある。
スターズオンアース:この曲を馬名の由来とした、2022年の2冠牝馬。