概要
記念すべき「スーパードンキーコングシリーズ」第1作目。
従来のドンキーコングとはまた違ったテイストの作品になっており、横スクロールのアクションゲームになっている。
スーパーファミコンで3Dグラフィックのキャラ・背景を実現しているが、そもそもスーパーファミコンの処理能力ではポリゴンを動かすのでさえ特殊なチップがないと到底無理であり、実際は3Dグラフィックを取り込んだ2Dグラフィックである。これは特殊チップ「スーパーFXチップ」を搭載したスターフォックスと比較すれば明らかである。
特筆できるのは、最初に「当時のパソコンの色数で3Dモデルを作り、そこからスーパーファミコンのスペックに落とし込んだ」こと。最初からスーパーファミコンのスペックでCGを作らなかった理由は、「交互に色を高速点滅させることによってスーパーファミコンの表現限界を超えた色数を出す」という発想を持ち込んだため。これにより多くの色数を前提としたグラフィック作りがなされた。
ゲーム仕様
全6エリア・各所ボスを含めて6~7ステージを攻略していく。
セーブデータは最大3つ。
攻略達成度をセーブデータでパーセンテージ表記し、最大101%にならなければ完全攻略とはいえない。
ステージは単純にゴールに向かうだけでなく、道中に隠されたボーナスゾーンを発見しなければ踏破したとは看做されない。全てのボーナスゾーンを探し当てると、ステージタイトルに「!」が付加され、エリア内の全てのボーナスゾーンを制覇すればエリアタイトルも同様の表記となる。
各ステージに、攻略ヒントを与える「クランキーコングの小屋」、エリア間の移動を補助する「ファンキーコングの小屋」、セーブデータを作成してくれる「キャンディーコングの小屋」が敷設されている。
いわゆる典型的なステージ攻略型の横スクロールアクションであり、「コイン→バナナ」「1UPキノコ→ライフバルーン」といった置き換えがなされている以外は、基本はマリオシリーズと同じである。
ただステージ攻略の時間は無制限、またドンキーコングとディディーコングは自前で攻撃方法(ローリングアタック/樽投げ/ハンドスラップ【ドンキー限定】)を獲得しており、マリオシリーズよりアクション性に富む。その代わり、各種アクションの特性を活かしきらなければ攻略困難なステージも増えていくため、アイテムに頼れないという意味では若干玄人向けではある。
道中に「K」「O」「N」「G」の四枚のパネルがあり、収集できれば1UPボーナスが発生する。
アニマルフレンドという、いわゆる乗り物扱いのサポートキャラが出現するステージもあり、彼らの力を借りればより効率よくステージの攻略を進められる。
難易度は日本語版の方が若干低く、海外版と比べてギミックや敵キャラが少し減少している(GBA版ではギミックが減っておらず難易度が海外版と同じになった)。こうした難易度調整はバトルトードから行われていたことである。
ストーリー
ドンキーコングにバナナ倉庫の見張りを言いつけられたディディーは、ドンキーを恨めしく思っていた。
というのもその日は激しい雨に風、おまけに稲光かと思えば今度は雷鳴が轟くような天候だからである。
ディディーはバナナのことを考えながら辛さを紛らわし、見張りをしていた。
そんなディディーをよそにドンキーのバナナを狙っていたクレムリン軍団はすぐそこに来ていた。
元々クレムリン軍団はバナナを盗む機会をうかがっており、この嵐の夜にバナナ・ドロボー計画を実行した。
大量のクレムリン軍団相手にディディーも応戦するが敵わず、タルに閉じ込められてジャングルの茂みに放り込まれた。
そして、バナナは見事に盗まれてしまった。
翌朝、ドンキーは初代ドンキーコングであるクランキーの声で目が覚め、彼からバナナが盗まれていることを聞き、倉庫を見て初めてバナナがないことに気が付いた。
そして、ドンキーは怒りに燃え、ドンキーコングアイランドの隅々まで探してでもディディーを探してバナナを見つけることを決意する。
登場キャラクター
この物語の主人公。マリオと戦ったドンキーコングから数えて2代目にあたるドンキーコング。呑気な性格をしているが、バナナのことになると真剣になる。説明書の台詞から一人称は「オレ」。
ドンキーコングの相棒のサルでもう1匹の主人公。バナナ倉庫の見張り番中にクレムリン軍団に襲われる。
初代ドンキーコング。頼りないドンキーたちのためにお説教やらヒントやらをくれる。
ドンキーの1番仲のいい友達で、彼にはバナナのように愛らしい姿に見えているらしい。
セーブ小屋でセーブをしてくれる。なお、容姿はアニメ版とは異なる。
サングラスを付けたサーファーでメカニックなコング。ファンキーブレーンという自作の飛行機でワールド間の移動を助けてくれる。
大柄なワニ。クレムリン軍団のボスであり、バナナ・ドロボー計画の発案者兼実行者。
このドンキーコングカントリーのどこかにいるらしい。
レベル
番号 | 名前 | ステージ数 | ボス | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | コンゴジャングル | 6 | ボスノーティ | 同名のステージがスマブラに登場 |
2 | モンキーマインズ | 6 | ボスネッキー | |
3 | 森の岬 | 7 | ボスクイーンB | |
4 | ホワイトマウンテン | 7 | いかりのボスノーティ | |
5 | カントリーファクトリー | 7 | ボスダムドラム | |
6 | 闇の入り江 | 6 | いかりのボスネッキー | |
7 | キングクルールのふね | 1 | キングクルール | ワールド内のマップはなく、直接ボスとの対戦になる |
主なステージ
- コンゴジャングル
ドンキーたちの家がある、ジャングルのステージ。
バナナジャングル
クレムリンのどうくつ
タルたいほうの谷
- モンキーマインズ
炭鉱や遺跡のある、アイランドの歴史を思わせるマップ。
マインカートコースター
ストップ&ゴー ステーション
ノーティの遺跡
- 森の岬
深い森の奥にせせり立つ崖の岬のステージ。
ネッキーの森
森のかくれが
裏切りマンキーコングの森
- ホワイトマウンテン
吹雪が視界を奪う雪山のマップ。難易度が急に上がる。
吹雪の谷
クリスタルトンネル
トーチライト トンネル
- カントリーファクトリー
工場や人工的な施設が集まる工業地帯のステージ。
オイルこうじょう
トリックトラップリフト
エレベーターアンティクス
- 闇の入り江
毒を思わせる怪しい色の入り江のマップ。ラスボス前の最後のマップである。
毒ガストンネル
さいごのステップ
余談
当初のプロットでは『マリオが開発したタイムマシンがワリオに奪われてドンキーコングがそれを取り戻す』という構想だった。参照
GBA版
2003年12月12日にゲームボーイアドバンスソフトとして発売された移植版。
主な変更点は以下。
- オープニングムービーが追加。
- 効果音やボイスの変更。例えばドンキーのボイスは『ドンキーコング64』と同様のものになっている。
- KONGパネルの演出が『スーパードンキーコング2』以降のものに統一。
- ボーナスステージ行きのタル大砲は続編で登場するボーナスバレルに統一された。
- ボス戦クリア時にクランキーが登場し一言セリフを発するシーンが追加。次回作以降も同じ。
etc…
資料動画
BGM集