概要
「ドンキーコングシリーズ」に登場するチンパンジーのキャラクター。チンパンジーだが長い尻尾がある。
ドンキーコングの良き相棒で、赤色のベストと帽子を着用しているのが特徴。
間違われやすいが「ディーディーコング」ではない。
初登場は1994年に発売された『スーパードンキーコング』。
レア社により開発されたキャラクターだが、2002年にレア社がマイクロソフトに吸収されてからは任天堂に所属しており、彼の帽子にはNintendoのロゴが追加されたほか、マリオシリーズにも登場するようになっている。
一人称は基本的に「オイラ」で定着しているが、作品によっては「ぼく」になることがある。
ドンキーと比べてしっかり者。『ディディーコングレーシング』の説明書によると、好きなものは冒険とバナナ。嫌いなものは退屈と子供扱い。しかし実際は少年らしく活発でやんちゃな側面も持ち合わせており、悪戯を仕掛けたりと幼さを感じさせる言動も少なくない。
一方で『スーパードンキーコング2』ではグラサンをかけながらラジカセ片手に踊ったりとクールな一面も見せていた。
パワーは劣るが身軽なため素早い。
『64』で使用した「バレルジェット」や「ピーナッツ・ポップガン」は後のマリオシリーズやスマブラシリーズを経て2D本編でも扱うようになり、今となってはディディーを象徴する要素とも言える。
コングファミリーの中でもドンキーと同様にクレムリン軍団との因縁は深い方で、『ディディーコングレーシング』では思い込みで後をつけてきたクランチが、『ドンキーコングたるジェットレース』では一方的にライバル視してくるキップが登場していたりする。
アクションや使用武器
ローリングアタック
基本技の横トンボ返り。
尻尾
長い尻尾はフックに引っ掛けてぶら下がったり、ムチのように攻撃に使うこともできる。
『ドンキーコング64』ではバネのようにして大ジャンプする「スプリングテール」が使える。マッドファクトリーorガリオンとうだいに入った後、クランキーコングの薬で習得する。ディディーの顔が描かれたパッドの上でZボタンを押すと尻尾をばねのようにして高く跳ぶことができる。ランキーと被りがちだが、あちらと違って空中を自由に移動できない。英語表記はSimian Spring。
ピーナッツ・ポップガン
英語表記:Peanut Popguns
ファンキーコングが開発したピーナッツを発射する木製の二丁拳銃。威力は標準だが、他のウエポンより少しだけ速い。アステカンウインドではこのピーナッツを食べるトーテムがある。
『64』のオープニングではこちらに近い動きを披露していた。
バレルジェット
英語表記:Rocketbarrel Boost
『64』で登場した能力でアステカンウインドに入った後、クランキーの薬で習得する。
ジェット噴射による飛行を可能とするタル。噴射口の炎で特定の物に着火もできる。ピーナッツポップガンとセットで活躍することも多い。ただし、武器購入前だと武器を構えていない。ハゲタカやフクロウとの空中レースで使われる。この状態でゴールデンバナナを取ると踊らなくなるので、RTAではこの方法がよく使われる。キングクルール戦ではライトを壊して、クルールの頭に落とす。設置個所は13か所とタイニーに次ぐ多さである。
作品によって形状が異なり、代表的なのものは『ドンキーコング64』に登場した一対のタル。フィールドスマッシュの装備アイテムとしても登場。『SP』で使用した「ハイパーバレルジェット」は64のバレルジェットを鋼鉄製にした物。
「マリオシリーズ」では一つのタルに赤いウイングが付いた物。スペシャル技以外にも専用のアニメーションで持ち込まれることもあり、勢い余って大気圏外まで飛んで行くという演出が取り入れられたことも。
『リターンズ』、『トロピカルフリーズ』ではロケット状でバッグの中に収まる程のサイズとなっている。ゲーム上ではホバーしかできないが、とあるムービーではとんでもないパワーを発揮した。『トロピカルフリーズ』では水中ステージの追加に伴い「ジェットブラスト」による速泳ぎもできるようになった。
名前から混同されやすいが、同じくドンキーシリーズに登場する「たるジェット」や「ロケットバレル」とは別物なので注意。
ディディータックル
英語表記:Chimpy Charge
『64』で登場した能力でクランキーの薬で習得できる。
一定時間力を貯めた後、前方に突進しつつ頭突きをお見舞いする攻撃。特定のスイッチを押して仕掛けを作動させることもできる。尚、説明では「ショルダータックルができる」と表記されているのだが肩は一切使っていない。タイニーの救出に使われる。
エレキショッカー
英語表記:Guitar Gazump
『64』で登場。キャンディーから購入する。星型の赤いエレキギターを演奏し、周囲の敵を一掃するエネルギー攻撃。楽器とメロディー以外は他のコングと同じ性能。衝撃波はエレキギターと同じ星マークになる。モンキーラップでは、バレルジェットとともに披露している。
『マリオテニスGC』ではスペシャルショットとして考えられていたが没となっている。ひと鳴らしするとパワーが溜まり、そのまま振りかぶってボールを打ち返すというものになる予定だったようである。ギターのデザインは『64』そのまま。
ドンキーコングシリーズ
スーパードンキーコングシリーズ
『スーパードンキーコング』ではドンキーの相棒として、キングクルールに盗まれたバナナを取り返しに向かった。
機動力以外の特徴としてはバレル系のアイテムを担ぐ際に前方へのガードをしつつ移動できる安定感を得られる。
説明書では憧れのドンキーの様にゲームのヒーローとなって世界中に飛び回りたいことをプレイヤーに明かしている。
『スーパードンキーコング2』でもプレイヤーキャラとして続投。クレムリン軍団に捕まったドンキーを助けるべく、ガールフレンドのディクシーコングと共に冒険をした。
待機モーションではジャグリングを披露。
『スーパードンキーコング3』ではドンキーと共にクレムリン軍団に捕まってしまう。
GBA版『1』および『2』では隠し要素として、ディディーが単独で旅立つ「ヒーローモード」が用意されている。
ディディーコングレーシング
唯一のドンキーコングの名が入っていない単独タイトル。
自身の名を冠するだけあり、バランスの取れた性能を持つ。
ドンキーコング64
ジャングルガーデンの牢屋に囚われており、ドンキーに救助してもらうことで操作が可能になる。
攻撃範囲とスピードに優れており、立ち攻撃が弱い代わりに、得意の横トンボ返りやバックフリップの踏みつけが強力。回収出来るアイテムの色は赤。能力は上記の「アクションや使用武器」を参照。
タイトル画面のディディーパートの動画はジャングルガーデンのトロッコのシーンを映している。
ドンキーコングリターンズ
1人操作ではドンキーにおぶさり、直接的な操作は2P限定となる。本作から2Dアクションで初めてピーナッツ・ポップガンとバレルジェットを使うようになっている。
発射したピーナッツをボスキャラのマグリーに食べさせて隙を作るという攻略法はディディーの特権。
ラスボスを2P操作でドンキーを復活させないまま倒した場合には個別のエンディングが流れる。
ドンキーコングトロピカルフリーズ
必殺技は敵をバルーンに変えるもの。
特定の条件を満たすことによって1Pだけでも操作が可能となった。
外伝作品など
ドンキーコングジャングルクライマー
ドンキーと同行しているがサポート役に近い立場で、直接的な操作はほぼ不可能(ただし通信対戦ではプレイアブル)。
代わりにドンキーに投げ飛ばされる「ディディーアタック」で遠くにいる敵を倒したりアイテムを取得することができるほか、ドンキーでは辿り着けない場所に行けたりとやれることは多い。加えてライフの肩代わりにもなるため、後半になるに連れて難易度がぐんと高まっていく本作ではディディーがいるか否かで大きく変わってくる。
専用アイテムはドンキーと共に羽ばくことで空を飛べる「羽根」や、振り回して障害物を破壊する「ハンマー」、雪を溶かしたりTNTバレルに点火する「バーナー」といったものがあり、完全クリアには必須。
他ゲームのディディーコング
マリオシリーズ
『マリオゴルフファミリーツアー』を皮切りにマリオファミリーに参入。
持ち前の身軽さから常にスピードタイプとしての地位を確立しており、スペシャル技はバナナを意識したものやバレルジェットを使ったものが多い。
ステレオタイプな猿の様な挙動が強調されやすく、ドンキーコングシリーズとはまた違ったコミカルさを感じるキャラ付けをされている。中でも定番となっているのが頭上で手を叩く動作。
出演率は準レギュラー的立ち位置と言えるレベルであるが、Wii U作品における直接の登場は『マリオ&ソニックAT リオオリンピック』のみと一時期は減少の傾向にあった(他にあるとすればキャラマリオ等)。
マリオファミリーに加わった恩恵としてグッズ等も数多く販売されており、マリオシリーズ出典のamiiboは完全オリジナルのデザインが用意されている。
マリオカートシリーズ
『ダブルダッシュ』からドンキーのパートナーとして参戦。この頃は軽量級であったが、後の『Wii』では中量級に変更された。
『ツアー』ではスペシャルスキル「バナナバレル」を使用する。
『8DX』のDLC第6弾にて家庭用ゲーム機のマリオカートでは久々の登場を果たした。
プレイアブル以外では『アーケードグランプリ』にて観客として登場し、DKと描かれた旗を振って応援している。
マリオテニスシリーズ
『マリオテニスGC』で初参戦となり、同時にバレルジェットが『ドンキーコング64』以来の再登場を果たした。
「究極攻略秘蔵資料マリオテニスGC」の高橋宏之氏のコメントによると開発段階では同じく『64』から登場したエレキショッカーを使ったエレキショットが候補に挙がっていたが、最終的にNOAに好評だったバレルジェットが採用され、海外版のパッケージに描かれるまでに至った。
また、攻撃系スペシャルショットのアクロバットバナナショットもNOAからのリクエストでバナナを表現したもの。
『マリオテニスエース』では無料アップデートで追加参戦。スペシャルショットはジャングルスイング。
マリオパーティーシリーズ
『DS』からシリーズ初登場となるが、この頃はイベントNPC。
『9』では特殊ボードのDKジャングルに登場し、遺跡を一周すると「ディディーコングミニゲーム」を始まる。
『スターラッシュ』、『スーパーマリオパーティ』にてプレイアブルへと昇格。
マリオストライカーズシリーズ
スピードとパスの能力値が高めの選手として登場。
初登場となる『チャージド』での固有のアビリティは前方に光の柱を出現させ、吸い込まれた相手を一定時間強制的に退場させる「レッドカード」を使う。
『バトルリーグ』では無料アップデートで追加参戦。衣装替えの機会に乏しいディディーにとっては様々なコスチュームを着せ替えられる一作となっている。ハイパーストライクはバレルブラスト。
大乱闘スマッシュブラザーズ
スマブラシリーズでは第3作『大乱闘スマッシュブラザーズX』から参戦。
軽業師のようにアクロバティックな動きで戦う。必殺ワザでは『ドンキーコング64』の「ピーナッツ・ポップガン」や「バレルジェット」を使う。
最大の特徴は、下必殺ワザでアイテム「バナナのかわ」を自由に生み出せること。このバナナのかわを生かした立ち回りがディディーの面白みであり、また難しい点でもある。
詳しい解説はディディーコング(ファイター)を参照。
他媒体のディディーコング
アニメ版
- 1999年版
声優は林原めぐみ。一人称は原作と同様、基本的に「オイラ」で時折「ぼく」。
饒舌かつやや毒舌気味。注射が大の苦手。
ドンキーからは頼れる相棒として信頼を寄せられており、喧嘩をしても最終的に仲直りするのがお約束である。
一方でトラブルで透明化した際にはイタズラ放題する等やんちゃな面もあり、回を追うと他のコング達同様薄情で日和見な面も目立って行った。
力尽くでクレムリン軍団に立ち向かう場合はパワー不足…というよりかはそもそも戦闘力がほぼ無いに等しいため、基本的にドンキー頼り(一部の回ではドンキー抜きでも応戦できていたが)。『スーパードンキーコング』のボーナスステージをミスした際に見せる動作も再現されている。
オープニング曲とエンディング曲はドンキーと共に歌っている。
CV:エリック・バウザ(原語版)
モブキャラとして登場。ディクシー、チャンキーらと共にマリオvs.ドンキーコングの対戦を観戦しており、その時のドンキーへの応援が激しくクランキーの待ったを無視して応援し続けたために、彼に名指しで注意されてしまっている。その際の反応は原語版と日本語版で異なっており、前者は謝罪していたが、後者は渋々した様子だった。
本作では目が繋がっていない。
漫画版
須藤ゆみこの『ウホウホドンキーくん』ではドンキーの弟分的存在として登場。
どういう訳か殆ど人間の子供と言っても過言ではないくらいに見た目が違う事で結構有名。
主に頭の賢いツッコミ役で、ドンキーがエンガードに対し失言した際にトンカチで殴る等の一面もあるが、一方でとんだとばっちりを受ける場面等もある。
しかし、後半からはドンキーと共に出番が少なくなってしまう。
声優
- クリス・サザーランド(『スーパードンキーコング』~『マリオカートダブルダッシュ!!』)
- 林原めぐみ(アニメ版)
- 鈴木勝美(『マリオテニスGC』以降)
『マリオゴルフワールドツアー』ではクリス・サザーランドと鈴木勝美の既存ボイスを混ぜて使用している。
『スマブラ』シリーズでは声優は起用されず、現実のチンパンジーの声が使われている。
余談
レア社のスタッフによれば、ドンキーコングを二代目にするに当たってドンキーコングJrの代役として作られたキャラらしい。
関連イラスト
pixivでは単独で描かれることは少なく、相棒のドンキーやガールフレンドのディクシーとコンビで描かれることが多い。