概要
1999年12月10日に発売されたドンキーコングシリーズ初の3Dアクションゲーム。
プレイするには『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』同様「メモリー拡張パック」をNINTENDO64本体に装着する必要がある。
開発はスーパードンキーコングシリーズに引き続きレア社。『スーパーマリオ64』を始めとする箱庭アクションで、5体のキャラクターを交代操作するシステムとなっている。難易度は高く、全体的に謎解きが多い。
当時プレイしたプレイヤーの平均クリア時間は30時間程度と報告されており、超ボリュームのゲームとして認知されていた。
また、ミニゲームや対戦モードなど、遊び要素も数多く用意されている。
元祖『ドンキーコング』のアーケード版をそのまま移植している他、レア社初期のPCゲーム『JETPAC』もこれまた移植されているという、ファンにはたまらない一品。
作風やゲームシステムは前年同社から発売された『バンジョーとカズーイの大冒険』と似ているが、敵キャラを倒すとコミカルな音をたてて倒れるなど、ギャグテイストな演出が強い。
オープニングデモで流れる「モンキーラップ」は、各キャラクターを紹介する曲となっている。また、この曲は大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでアレンジされたものが使用されている。
2015年4月2日にWiiUバーチャルコンソール版が配信された。
ストーリー
今まで何度もドンキーコング達に敗北して来たキングクルールは今回、新兵器ブラストマティックを開発。
これを使ってドンキー達の住むDKアイランドを破壊しようと復讐を企て、搭載した巨大な人工島に乗りDKアイランドを目指していたが、部下の荒っぽい運転が災いし大岩に衝突してしまう。
事故にめげず早速DKアイランドを破壊しようとするが、なんと衝突のダメージで肝心のブラストマティックが壊れてしまい動かなかった。
これに憤慨したクルールだったが、部下の1人が「コング達の宝であるゴールデンバナナを盗み出し、加えてドンキーの仲間も捕らえ、サル共がそれらを探している間にブラストマティックを修理してしまおう」と提案。クルールもそれに賛成し、即座に実行するよう部下達に命じた。
一方ドンキーは自分の家で音楽を聴きながらくつろいでいた。そこへオウムのスコークスがやって来て、仲間達がいなくなった事を告げる。
クレムリン軍団の仕業だと気付いたドンキーは今回も立ち上がる!
登場キャラクター
操作キャラクター
おなじみの主人公にして、コングクルーのリーダーであるゴリラ。
回収できるアイテムは「黄色」。
能力は平均的で、「ストロングDK」や「バレルブラスト」など特定の場所でのみ発動するアクションが多い為、本作ではやや地味な印象。特に「ゴリラハンド」は新しく覚えるワザとしてはネタにされがち。
おなじみドンキーの相棒である小柄なチンパンジー。
回収できるアイテムは「赤」。
殴り合いは不得手だが、「バレルジェット」で特定の空中を自在に飛び回れるなど、移動能力に優れている。
ピエロの様にひょうきんな見た目をしたオランウータンで、関西弁で話す。
回収できるアイテムは「青」。
急な傾斜を滑らず移動できる「ハンドウォーク」や、シビアな時間制限を高速で走り突破する「ハンドスプリント」など、地上での活動に秀でている。
おさげとオーバーオールが特徴の、お転婆なモンキーガール。
回収できるアイテムは「紫」。
小さくなる「ミクロコング」や、滞空時間を延ばす「くるくるパラシュート」、専用の「タイニーワープ」など、彼女でなければ行くことの出来ないエリアが多い。
ドンキ-を超える怪力を持つが、性格はピュアで臆病なローランドゴリラ。
回収できるアイテムは「緑」。
足が遅く移動能力に欠けるが、巨大化して戦える「グレートチャンキー」や、障害をぶっ飛ばす「パンチパンチ」など、自慢のパワーで窮地を切り開く事に長けている。
サポートキャラ
元祖ドンキーコング。今回はマッドサイエンティストな雰囲気の薬屋を営む。
コング達に新しいアクションを与える薬を売りつけてくる。
おなじみノリノリなショップ担当のゴリラ。
今回は武器屋を営むエンジニアであり、コング達が持つ重火器の提供や強化を行ってくれる。
ちなみに口調はスーパードンキーコングシリーズに見られた英語混じりでは無くなっている。
ドンキーのガールフレンドで、今回も今までとは容姿が異なる。
今回は楽器屋を営んでおり、HP代わりであるスイカの補充・強化も担当してくれる。
クランキーの愛妻。『スーパードンキーコング3』までは元気だったが、今作までの間に亡くなってしまった。
死因は不明であるが、今回は幽霊となってコング達にヒントを与えてくれる。
各ステージエントランスのドアにスタンバイしている。たぶんコングの行く場所に先回りしているのだろう。
キングクルールの弟らしい、とてつもない巨体のワニ。
その反面は心優しい性格で、DKアイランドの破壊を試みるクルールに反発した事で牢に閉じ込められた。
彼を出してあげるには各ステージのボスを倒すことで得られるボスキーが必要である。解錠する度に喜び回り、その振動や波動で次ステージの入り口が開く。
科学者のイタチ。元々今回のDKアイランド破壊計画のチーフだったが、信用できないという理由でクビにされ、クレムリン軍に復讐を誓う。
各ステージにウロつく色髪の敵を倒すと設計図が得られ、集めて渡すと報酬としていい物がもらえる。
各ステージでボスステージへ通じるドアの門番をしている、ブタとカバのコンビ。
『ドンキーコングリターンズ』以降に登場する、おたすけピッグとは無関係。なおトローフは肥満で高いところにある鍵を開けられずに困っておりバナナをスコーフに与えて太らせてシーソーを逆転させる事で鍵を開けられるようになる。というか、そんなまどろっこしいことをせずカバに開けさせたら解決する話である。
敵キャラクター
クレムリン軍団のボスでコング達の宿敵。
今回はコング達に復讐しようと新兵器ブラストマティックでDKアイランドの破壊を目論むが、オープニングでのトラブルでブラストマティックが壊れるハプニングに見舞われ、手下達にドンキーの仲間をさらったりゴールデンバナナを盗むよう命じたりして修理の時間を稼ごうと試みる。
本作ではオープニングや一部のステージイントロで悪の大ボスらしく顔を隠すような演出を見せる。
ステージ
DKアイランドの各地やキングクルール艦体に隠されたゲートから、それぞれのステージにワープできる。全体的に薄暗い所が多く、ゴールデンバナナなど多くのアイテムを集めながらボスキーの入手を目指して行く。
割と煩雑なチャートで進行するゲームな為、攻略の経緯などは攻略サイト等を参照。
英語表記:Donkey Kong Island
コング達の拠点となるエリアで、ドンキーの頭そっくりな山がある島とクルールの移動要塞がにらみ合う海域。それ以外にもバナナフェアリーの顔を象った宮殿のある島がある。
ドンキー型の山の口に当たる洞窟を抜けた先にはドンキーの家がある村があり、ゲーム開始時はそこからスタートする。
クルールの要塞島は『スーパードンキーコング2』でクレムリン島が沈んだ後に造られたと思われるが、GBA版『スーパードンキーコング』ではエンディングにてクルールが「船から降りなければ島を破壊する」と発言していることからあらかじめ造っておいた可能性もある。
- ジャングルガーデン
英語表記:Jungle Japes
入るのに必要なゴールデンバナナ:1
シリーズ定番である熱帯のジャングルで、各エリアを繋ぐ洞窟の割合も多い。
ボスはアーミィ・ジロー。
- アステカンウインド
英語表記:Angry Aztec
入るのに必要なゴールデンバナナ:5
数多くの遺跡がそびえ立つ砂漠地帯で、ほぼ全ての建物に入ることが出来る。流砂は熱々なため入るとダメージを受けてしまう。
ボスはドガドン。
- マッドファクトリー
英語表記:Frantic Factory
入るのに必要なゴールデンバナナ:15
寂れたおもちゃ工場で、BGMもあって物悲しく不気味な印象を受ける。どこかにある電源を操作する事で、止まっている中枢部を稼動させることが出来る。
ボスはマッド・ジャック。
- ガリオンとうだい
英語表記:Gloomy Galleon
入るのに必要なゴールデンバナナ:30
灯台や沈没船がある、3つのエリアに区切られた入り江。深い水中には多くの敵や謎解き要素があり、ある場所では水位も変えられる。
ボスはパフトス。モーターボートでの戦闘となる。
- ひるよるウッド
英語表記:Fungi Forest
入るのに必要なゴールデンバナナ:50
スタ-ト地点の時計台でステージ全体の昼夜を変えられる森林。それぞれの時間で行ける場所や起こるイベントが大きく異なる。
ボスはドガドン再び。
- クリスタルどうくつ
英語表記:Crystal Caves
入るのに必要なゴールデンバナナ:65
多くのクリスタルと氷が点在する、寒々しくも美しい広大な洞窟。とある理由で一定時間ごとに落石が振ってくるため、まずはそれを止める必要がある。
ボスはアーミィ・ジロー再び。
- ゾゾゾ~キャッスル
英語表記:Creepy Castle
入るのに必要なゴールデンバナナ:80
嵐の夜にそびえ立つ不気味な古城で、城内も地下もオバケだらけ。終盤だけあって仕掛けも敵も厄介なものが多い。
ボスはキング・カットアウト。
- ハイドアウト
英語表記:Hideout Helm
入るのに必要なゴールデンバナナ:100
クルールの移動要塞中枢部で、本作のラストステージ。
突入と共に破壊兵器「ブラストマティック」の発射カウントダウンが始まるが、集めた設計図の数に応じて発射までの時間を延ばすことが出来る。
その間に5匹のコングの力をフル活用して進み、動力を止めて破壊する事を目指して行く。
ここではバナナがないため、バナナメダルはミニゲームをクリアした後に回収することになる。
ボスはキングクルールだが、決戦は逃げ出した先のDKアイランドで行われる。
モンキーラップ
『ドンキーコング64』はタイトルの画面の前に5体のコングを紹介するムービーがある。その時に流れる曲がモンキーラップである。海外では"DK rap"と呼ばれることがある。歌詞は全て英語だが、説明書にその訳が書いてある。作詞はレア社のグラント・カークホープ氏である。
『大乱闘スマッシュブラザーズDX』ではステージ「DKアイランド コンゴジャングル(『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では「いかだと滝」)」で流れる。歌手はジェームズ・W・ノーウッドJrというラッパーであり、各パートのテープスピードを変えることで曲の雰囲気を変えている。
ファイターはドンキーコングしか登場していないが、全員分のパートがある。ただし、チャンキーパートの「hell」は下品な単語なので、「heck」に置き換えられている。海外では「DK64のレートはE(全年齢)で"one hell of a guy"、Melee(『大乱闘スマッシュブラザーズDX』)のレートはT(ティーン)で"one heck of a guy"」とネタにされている。『大乱闘スマッシュブラザーズ_for_Wii_U』からはランキーとチャンキーのパートが削除されてしまった。
余談
英語版では、DKアイランド以外のステージ名は同じ頭文字の単語を2つならべたものになっている。
幾つかのステージにはクルールの肖像画等が飾られていることから、クレムリン軍の管轄地と思われるが、明言はされていないため不明。
実は実機版では処理落ちが頻繁に発生しており(ミニゲームの『いやいやコング』が顕著)、ゲームそのものは処理落ち前提でゲームテンポが調整されているが、バーチャルコンソール版では処理落ちがなくなっているので、興味があるのなら比べてみよう。
バンジョーとカズーイの大冒険同様お蔵入りになった「Project Dream」のネタも再利用されている。
近い時期に出ていたレア社のゲーム『バンジョーとカズーイの大冒険』とはシステムや作風などが似通っており、一部ステージやBGMには、同作で使われていたものや没になったものをアレンジして流用した部分が幾つも存在する。
レア社のゲームに違わず、かなり高い難易度を持つ本作だが、特に最後のボスキーの入手方法はかなり面倒くさい。N64コインとレアコイン、クラウン4個を手に入れないとクルールが置いていった保管庫のドアが開かないのだ。
コイン類はミニゲームをクリアしないと手に入らないが、難易度が高いので「ゲーム内のゲームのせいで詰む」プレイヤーが多かった。
ちなみにこのゲームはリメイク版を除くとレア社で開発された最後のドンキーコングシリーズである。このゲームが発売してから3年後の2002年にレア社がマイクロソフトに買収された関係で、ドンキーコングシリーズ本編は11年後の『ドンキーコングリターンズ』まで発売されることがなかった(この間に番外編やリメイク版がいくつか発売されている)。
関連動画
バーチャルコンソール版紹介映像
テレビCM
本場
日本版
関連タグ
任天堂 NINTENDO64 ドンキーコングシリーズ スーパードンキーコング
バンジョーとカズーイの大冒険:レア社開発のNINTENDO64のゲームでBGMの雰囲気などいくつか類似点が存在する。
ムジュラの仮面:同じくNINTENDO64のゲームで仮面で種族を変えながら冒険する。メモリー拡張パック必須であるのも共通。
マリオストーリー:同じくNINTENDO64のゲームで仲間を変えながら冒険する。