コンビタグとしての記事は「マリソニ」を参照。
概要
任天堂の『マリオシリーズ』と、セガ(セガゲームス)の『ソニックシリーズ』が夢の共演を果たしたオリンピックゲームシリーズ。国際オリンピック委員会公認というだけあって、実際のオリンピック競技の風景や内容、プログラムを忠実に再現し、ゲーム向けにアレンジがなされている。
日本だと「マリオはよく知っているがソニックはキャラクターぐらいしか知らない」ほど知名度に差があり、夢の共演と言われてもいまいちピンと来ない人が多いかもしれないが、海外だとソニックはマリオに引けを取らないどころかディズニーのミッキーマウスと競るほどの人気で、国内未発売のゲームやCM・映画・コミック・アニメ・グッズなどのメディアミックスでも活躍し、それだけではなく遺伝子の名前の由来や、市の条例変更に影響を与えるほど、圧倒的知名度を誇る日本キャラクター(シリーズ)である。
そういった事情もあるせいか、3作目までの販売が国内は任天堂になっているが、海外ではセガがパブリッシャーとなっている。なお家庭用ゲームの他にも、ゲームセンター向けに調整されたアーケード版も稼働している(後述)。
シリーズ一覧
マリオ&ソニック AT 北京オリンピック
発売年 | 2007年(シリーズ第1作) |
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対応機種 | Wii・NintendoDS |
Wii版はWiiリモコンを生かした操作、Nintendo DS版はタッチペンを利用したゲームが収録されている。
初期作ゆえに荒削りさが否めない部分はあるが、キャラゲーとしての作り込みはこの頃から抜群によく、全世界で1000万本を売り上げるという驚異的なセールスを記録した。
マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック
発売年 | 2009年(シリーズ第2作) |
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対応機種 | Wii・Nintendo DS・iPhone |
Wii・Nintendo DSで内容が異なり、Wiiは前作同様集まって楽しむパーティゲーム色が強いが、Nintendo DS版では1人でじっくり遊ぶストーリーモード「アドベンチャーツアーズ」が登場。一風変わったステージやルールでオリンピック楽しむ「ドリーム競技」は、今作からマリオとソニックそれぞれの世界観を再現したステージで競技をする内容に変更され、シリーズの目玉要素になった。
なおiPhone版は海外のみ配信され、操作キャラクターはソニックシリーズのキャラクターのみに限定されている。セガゲームス販売だから仕方ないね。
マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック
発売年 | 2011年(シリーズ第3作) |
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対応機種 | Wii・Nintendo 3DS |
1作目の競技をより発展させてリメイクした内容が収録され、Nintendo 3DS版の競技は短時間で終わるミニゲーム要素が強くなっており、ストーリーも各キャラクターに視点を向けた群像劇になった。ヨーロッパでは青色のWiiが同梱された限定版も販売。
なおイメージキャラクターとして松岡修造が起用され、彼が出演したCMは一時期某界隈でネタやMAD素材にされるほどだったという。
マリオ&ソニック AT ソチオリンピック
発売年 | 2013年(シリーズ第4作) |
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対応機種 | WiiU |
これまでオンライン要素はランキング登録のみだったが、本作で一部の種目のみではあるがネットワークオンライン対戦に初めて対応した。本作以降は国内外ともに任天堂の販売になった。一時期Nintendo 3DS版も存在すると当時のIGN編集長が発売の示唆を公言していたが、実際はWii Uのみの発売となっている。
マリオ&ソニック AT リオオリンピック
発売年 | 2016年(シリーズ第5作) |
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対応機種 | WiiU・Nintendo 3DS・アーケード |
マリオシリーズ、ソニックシリーズと共にかなりの登場選手が増え、キャラクター数が多いことが特徴。また、両機種ではamiiboに対応しており、平成と携帯ハード版最後の作品でもある。
先発した3DS版はキャラクター使用上の制約が多かったためファンからは不評だったが、WiiU版は元々のパーティ路線が噛み合って評価はこれまで通りとなっている。
今作ではアーケード版が存在し、こちらは体全体を使って遊ぶ体感型のゲームになっている。なおアーケード版は実際に、リオネジャネイロの選手村で遊戯施設として設置されていたらしい。
マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック
発売年 | 2019年発売(シリーズ第6作) |
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対応機種 | Nintendo Switch・アーケード(2020年稼働予定) |
2019年3月30日の『セガフェス2019』内にて、マリオ&ソニックの東京オリンピックが公式に発表された。amiiboに対応しているかは現時点不明だが、E32019のトレーラーから全競技のオンライン対応をしている(競技自体かレコードのみかは未発表)事が示唆され、今作では女性選手以外も、一部競技で専用の衣装を着用する。
据え置き対応版としては珍しくストーリーモードが搭載されており、最初の東京オリンピック開催の年である1964年にタイムスリップする事件に巻き込まれ、ドット絵の世界に紛れ込むストーリーが展開される。
このソフトとは別に、同じくセガゲームスからPlayStation 4・Nintendo Switch向けの純粋なオリンピックスポーツゲームになる『東京2020オリンピック』と、ソニックのキャラクター達のみに限定されるが、スマートフォン(iOS,Android)で遊べる『東京2020ソニックオリンピック』も2020年に配信された。
余談
ソニックのライフジャケット
ソニックは泳げない(水中を歩いたり水上を走ることは可能)という設定のため、水泳競技ではライフジャケットを着用して参加する。当初は「ソニックは泳げないので水泳競技には参加できないようにする」という要望がなされていたが、「オリンピックの華の競技で主人公が参加しないのはいかがなものか」と異論が付き、激しい協議の結果「ライフジャケットを着るなら許可する」という妥協案が提示され、採用された。なお当初はオレンジ色だったが、『マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック』からは青色のライフジャケットへと変更された。
よく見るとソニックだけが飛び込み前に走る前のような構えを取り、水に潜った際には顔を出し、上体を起こして犬かきのように進むという仕様になっており、設定に忠実にしようとする制作陣のこだわりが感じられる。
平昌オリンピック版について
2018年の平昌オリンピックについては、ユービーアイソフトがオリンピックゲームの権利を取得したため販売できなかったとされているが、他にも様々な要因や推測があるので、実際のところは曖昧である。権利関係で揉めたのか、はたまた揉めるのが嫌だったのやら……
ちなみにUbiが2016年12月に発売したオープンワールドウィンタースポーツゲーム、『Steep』の拡張パックである『STEEP Road to the Olympics』(2017年12月発売)に平昌オリンピックのコースが収録されている(Webサイトにも平昌オリンピックのロゴマークと「Officialy Licenced Product」の表記がある)。
AT 東京2020オリンピックにおけるキャラクター描写
『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』から、マリオシリーズの登場人物は特定の競技(空手・サーフィンなど)で裸足になる一方、ソニックシリーズの登場人物は靴を履いたままになっている。
これは「ソニックは裸足にならない(靴を脱がない)」という公式の制約を基に統一しているため。
だが、一応ソニックも公式作品で素手素足になった事はあり、また過去には裸足を晒した、設定次第で裸足になるキャラクター、アニメ『ソニックX』でエミーが裸足でサンダルを履くシーンはあったりする。また、2020年に公開された『ソニック・ザ・ムービー』では、気絶したソニックがボロボロになった靴を脱がされるシーンがあり、ある人物にソニック愛用の靴をプレゼントされるまで裸足になっている。
あくまで通常のソニック達の靴は脱がせたくないということであろうか。
セガのオリンピックゲーム
マリオ&ソニックシリーズしか無いと思われがちだが、これとは別に海外では『Beijing 2008』、『Vancouver 2010』、『London 2012』といったオリンピック公式ゲームをリリースしている。そのうち、『Beijing 2008』は日本でもPlayStation 3版/Xbox360版が『北京オリンピック 2008』のタイトルで発売された。
シリーズの終焉
2019年発売の『東京2020オリンピック』をもってシリーズは終結したとされ、この情報は関係者や報道で拡散された。
理由としてはIOCの方針変更により、パーティゲーム的側面が強い本シリーズとのライセンスを更新しないと決め、以降はeSportとの連携を強めていくため、などの大人の事情だという。日本ですらも東京オリンピック版は久々のミドルヒットを飛ばしたこともあり、惜しい話である。
華々しいオリンピックゲームを生み出してくれたこと、そして何よりもマリオとソニックの共演を大々的に実現してくれた事。この歴史的な作品を約12年間生み出した事に任天堂とSEGA、そして公認の国際オリンピック委員会等の多大な関係者には大きな拍手を贈りたい。
なお、明言こそされていないが、今穂IOCがサイド方針変更した場合にシリーズ継続の可能性はある。また、マリオとソニックが共演するゲームのリリース自体が完全否定されたわけではない。ただしマリオとソニックは世界観・ゲーム性が共に異なるため、両社ともに「普通のゲームにおける共演は一筋縄ではいかない」「オリンピックという題材だからこそ実現できた」という見解をかつては示していた。
関連タグ
任天堂 マリオシリーズ マリオ セガ ソニックシリーズ ソニック・ザ・ヘッジホッグ クロスオーバー
オリンピック 北京オリンピック バンクーバーオリンピック ロンドンオリンピック ソチオリンピック リオオリンピック 東京2020オリンピック
大乱闘スマッシュブラザーズX - 北京オリンピックとほぼ同時期に共演が実現している。
安倍マリオ - ある意味パロディ