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プレイステーション3

ぷれいすてーしょんすりー

ソニー・コンピュータエンタテインメントが開発・販売した据え置き型ゲームハード。
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Play Beyond


概要

ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)が開発した据え置きゲーム機

2006年11月11日(土)発売。略称は「プレステ3」、「PS3」等。「プレイステーション2」の後継機にあたる。

初期型はメイン画像のように「PLAYSTATION3」と全て大文字のロゴを使用していた。

2017年5月31日出荷完了。


2021年7月2日にはPS3向けのPlayStation Storeから新規購入が終了となる予定だったが、2021年4月20日に撤回された。


スペック

CPUCell Broadband Engine 3.2GhzPowerPC系統カスタム
GPURSX Reality SynthesizerNVIDIA Geforce 7800 GTXカスタム
メインメモリXDR DRAM 256MBPS2のDRDRAMの後継
ビデオメモリGDDR3 256MBRSXと同一のパッケージに載せられている
メディアBD-ROM/2.5インチ内蔵HDDBD-ROMはゲームによっては2層ディスク版も有り。HDDはユーザーの手で交換可能。

BD-ROMメディア及びオンラインでの配信に対応しているゲーム機だが、Blu-ray Videoの再生機能など、強力なメディアプレイヤー機能を有する多機能端末である。ただし、メディアプレイヤー面以外はどうなっていたのかというと....

別売りの専用チューナー「torne」を繋げると、地上波デジタル放送受信・録画機能も追加される。別売りのローカルサーバー付きHDDである「nasne」を使用すれば、BSCS放送も視聴・録画できる。


ネットワーク機能を標準装備しており、インターネットへの接続を前提としている。Blu-rayディスクの視聴、ホームネットワーク(家庭内LAN)に接続された機器に蓄積された動画写真音声の再生も可能で、ゲーム機としてだけではなく、様々な使い道がある。

オンラインサービス・Playstation Network(PSN)に接続することで、オンライン対戦やPlayStation Store内でのゲームソフトダウンロードコンテンツの購入、体験版のダウンロード等はもちろん、仮想ビデオレンタルサービスまで受けることが可能。

同社製PSPPS Vitaとの連携機能も持ち、これらによってコンテンツを持ち出す際の「母艦」としても機能する。これらから本体を操作したり、対応ソフトであればそのまま呼び出してプレイ(リモートプレイ)することも可能。


PS1及びPS2ソフト(初期型のみ)の互換機能を搭載。メモリーカードは既存の物を使用するのではなくHDD内にそれぞれの機種に対応した仮想メモリーカードを作成し、そこに書き込む方式。過去のデータ資産を活用するためにUSB接続のカードリーダーを別売しており、戻すことも可能なためにデータバンクとしても使用可能。

後のモデルではPS2の互換機能は廃止されたが、PS1ソフトの起動は可能で、PS2ソフトは起動こそできないもののデータバンクとしての活用も可能。

ちなみにPS2ソフトが動く機種にはPS2のCPU(Emotion Engine)とGPU(Graphic Synthesizer)がワンチップ化されたものが丸々入っている。

要するにPS2が丸々入っている。ということ。

これはPS2とPS3でアーキテクチャが異なる事とPS2のVRAMの帯域がPS3のそれを上回っている為と考えられる。初期型のPS2作品はOSに内蔵されたバイナリ単位のパッチでまともにプレイできるよう修正された作品がほとんどである。


また、Webブラウザを標準搭載。今となっては珍しくなった独自エンジンのブラウザである(WiiDSのブラウザはOperaがベース)。

しかしながら独自エンジン故にプラグインなどの拡張機能に対応できないという弱点も持つ。


CPUに東芝・ソニー・IBMの3社で共同開発したCell Broadband Engineが採用されている。ただしこのCPUのコアはPowerPC、つまりWii(WiiUも含む)、Xbox360と仕様がやや似ている。

CellはPPE(PowerPC Processor Element)とSPE(Synergistic Processor Element)をそれぞれ1基以上搭載したプロセッサの事で、PPEはシステムの制御などいわゆる普通のCPUの機能を担当し、SPEは浮動小数点演算に特化した構造になっている。


PS3のCellは1つのPPEと8つのSPEで構成されており、SPEは主にGPUの補佐やメディア関連の処理(データのデコード、サウンドなど)を担当している。また8つのSPEのうち1つは他のSPEに不具合が起きた際の補欠役のために休ませている(即ち実質1+7コア)。


高性能機ゆえに大容量メモリを搭載しているような印象があるが、上記したように搭載メモリ量はわずか256MBでしかない。メモリ不足と推定される症状でフリーズする事例も報告されているが、単一スペックのハードを大量に売るゲーム機のビジネスモデル上とゲームソフトの最適化の都合上、メモリ容量の変更は困難である。実は途中でハードウェアスペックを上げることが可能になったゲーム機は1990年代ではニンテンドー64セガサターンがメモリ容量を増やすことができたがそれ以外は存在せず、2024年現在では全スペックをモデル途中で変更できたケースは[{XBOX ONE]]、Xbox Series X(Series Sも含む)くらいしかない。

256MBというのはメインメモリの話であり、PS3はそれとは別にVRAMとして256MB積んでいるので(ゲーム機としての)実質的なメモリ量はライバル機であるXbox360と全く同じである。2つのメモリはデータをやりとりすることができるため、1つの512MBのメモリとして扱うことも可能である。また、ソフトによってはHDDにスワップ領域を作ることでカバーするものもある。


PS3がメモリを分割したのは、CPUとグラフィックボードからの同時アクセスによる速度低下を回避する目的があると思われ、またメモリの転送速度自体もメインのXDR DRAMが25.6GB/s、VRAMのGDDR3が22.4GB/sと同世代機の中では格段に速い(SONYのゲーム機は基本的に高速メモリを積む傾向にある)。でも結局ゲームを開発する側は最適化にXbox360よりも手間を要する結果となった。


初期モデルは価格が高く、消費電力も非常に多かったが、マイナーチェンジの度に値下げと消費電力の削減が進み、2011年のCECH-3000では消費電力が半減。

末期のCECH-4200/4300は初期モデルの3分の1程度である。


型番による違い

初期モデル

  • CECH-Axx Bxx

最初期モデル。この型番のみPlayStation2規格のゲームがプレイできる。SACDの再生もできるが、BD-R/BD-REの読み込み制度はあまり高くない。

両者の違いは無線LAN、メモリーカードスロットの有無、HDD容量、塗装。

  • CECH-Hxx

PlayStation2互換機能とSuperAudioCDの再生機能がオミットされ、狂気じみた部品数削減と製造コスパの減少が行われる。

マイナーチェンジとして、後期モデルはピックアップレンズが2個になる。赤色レーザーと青色レーザーを一つのレンズから発射するシステムの方が高価になるためである。

  • CECH-L00

さらに部品削減される。コントローラが振動機能なしのSIXAXISから、振動機能ありのデュアルショック3に変更。


中期モデル

  • CECH-2000、2100、2500

フルモデルチェンジ。本体の小型化、サードパーティーシステムのインストール機能をオミット、BRAVIAリンク(HDMI機器制御)デジタル音声のビットストリーム出力に対応。

いわゆるYLODのリスクがあるのは2100まで。

  • CECH-3000

マイナーチェンジ。無線LANアクセスランプのオミット。AACS規定によりBlu-rayビデオとトルネのアナログ出力(D端子やコンポーネント端子)が480iに制限される。


後期モデル

  • CECH-4000

フルモデルチェンジ。本体の小型化、歴代プレイステーションと同じくコストカットを念頭に再設計されている。ディスクドライブをトップフローディング方式に変更。

  • CECH-4200

AACS規定によりBlu-rayビデオ、トルネのアナログ出力ができなくなる。

  • CECH-4300

最終モデル。HDDアクセスランプのオミット。


苦戦と巻き返しと最期

既に据え置きゲーム市場をほぼ独占していたPS2の後継機ということもあり、ゲーマー達の期待はPS3に集中していた。

しかし、数千億円もの開発費を投入したCell、当時最新規格であったBlu-rayドライブ、PS2互換のためにチップそのものを搭載と、機能を詰め込み過ぎた代物に仕上がってしまい、巨大かつ重量な本体や実際に発表された高すぎる価格(税込62790円、発売直前に49980円へ変更)と、徐々に雲行きが怪しくなっていた。


こうして発売を迎えたPS3だが、ブルーレイの読み出し装置に使われるレーザーダイオードの生産が遅れ十分な量を用意できず、東京都千代田区のビックカメラにPS3目当ての客が大量に押し寄せ店内が大混乱する状況になった。そもそもこのハードはBlu-ray Discプレイヤーとしてほぼ最初に出たハードであるため、ディスクドライブは間違いなく高価になって当然であった。

その客の内の一人が発した物売るっていうレベルじゃねぇぞ!」という台詞がニュース番組にて字幕つきで流れ、そのインパクトと状況の分かりやすさからネット上にて一躍話題となった。


その後、2000番以降のスリムモデルが発売されてからはコストダウンによる低価格化によってPS3の普及が進み、元々の性能の高さやHDテレビの普及も相まってソフトウェアラインナップも充実し始め、少しずつ勢いを増していった。

しかし、不幸にもスマートフォンの普及タイミングがほぼ同時期に到来してしまい、元々ライトユーザーに弱かったのも相まって、かつてのPS2時代のような勢いを取り戻すことはできなかった。さらに日本ではPS4のローンチがずらされているため、当時のコンシューマーは過剰にニンテンドー3DSで開発する傾向があった。


次世代機のPS4にはPS3互換機能が搭載されていなかったのが功を奏したのか、同機発売後もPS3はしばらく前線で活躍し続け、11年(2006年~2017年)という非常に長い期間活躍することができ、SCEの久夛良木健社長(発売当時)が発言した「10年は戦える」が現実になった。

しかし、最終的な普及台数は8741万台とXbox360に僅差で勝利、Wiiには1500万台近く差をつけられるという結果に終わり、据え置き型PSでは初となるトップ陥落となった。

また、この時やPSP時代の逆ザヤが仇となり、2016年のSCE事実上倒産(SIEへの統合)への遠因となった。


ちなみに当時のライバルハードは最初こそ絶好調だったが、後々になって性能面の都合から人気が衰退し始め、2015年(ヨーロッパでは2020年)まででソフトが打ち切られてしまった。そして、当時のソーシャルゲームに対する過剰な世論などが災いし、次世代機実質的にはゲーム性能がPS3より上のハードなども日本では徐々にかなりひどい扱いを受けることになった。ちなみに、当時の海外ではソニーの戦略が功をなしたのか信じられない程にPS4ばかりが持ち上げられる時代に突入し、Kinect強制同梱で批判を浴びたハードは最初は追い破られていたが、ゲーム機の性能競争はその後、どちらかというとXbox系シリーズの方が次第に上回るようになる。


余談

コントローラから本体への通信がBluetooth(無線時)やUSB(有線及び充電時)で行われるため、パソコン用にデバイスドライバを作る有志や(USB接続)、USB-Bluetoothアダプタを製造している某メーカーがPS3コントローラ専用受信機(Bluetooth接続)にするプロトコルスタックを公開している。


消費電力の高さゆえに、(特に初期型は)放熱量もまたハンパではない。夏場に電源を入れてからものの10分ほどで熱暴走を起こしたという話もまま聞かれる話である。無論室温や置き場所によるところもあるが、長く使いたいならやはり夏場に注意は必要となる。

PS3で肉を焼く動画も存在する。

これに起因する問題として、YLOD("Yellow Light of Death"の略。電源ランプが黄色に光って起動しないことから命名)という故障がある。

故障原因は基板とプロセッサを繋ぐBGAハンダのクラック。初期型の修理は終了しているため、自分の手で外からドライヤーで温めるなり、分解してオーブンやヒートガンで基板を焼くしかない。心配ならリスクが少ないCECH-2500以降の型番をお勧めする。

余談だが、同世代のXbox360にも、初期型に同様の不具合がある(RRoD)。

マイクロソフトは無償修理に応じたが、PS3は無償修理を受けられたという報告と受けられなかったという報告が混在している。


問題としてカスタムファームウェアと呼ばれる改造ファームウェアを導入し、ソニーの規格外のソフトウェアをインストールするという行為が起きている。

このソフトウェアの中にはチートツールやコピープロテクトを解除してバックアップディスクを作成したり、逆にプロテクトチェックをかいくぐって起動するといったことも可能。

そのためファームウェアアップデートが頻繁に行われ、Ver.3.56では抜本的な対策が施される。

しかし、結局はいたちごっこを繰り返し、現在はファームウェアアップデートも散発的になり野放し状態になっている。

ちなみにPSPやWiiでも同じ問題が起きている。


ACではバンダイナムコが唯一「SYSTEM357」、「SYSTEM369」の2種の互換基板を出している。後者はSYSTEM357の強化版で『鉄拳タッグトーナメント2(と『~Unlimited』)』でのみ採用された。


DVDの普及に貢献した前世代機のPS2と同じく本機もBlu-rayの普及に貢献し、ライバル規格であったHD-DVDに勝利することができた。


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