SCEIは2016年4月1日付けでソニー・インタラクティブエンタテインメント(Sony Interactive Entertainment)に社名変更に伴い現在の略称はSIEIとなっております。
本記事では、以前のコンピュータエンタテインメント時代について解説する。
ちなみに、同じ子会社にあたる任天堂ハード向けのソフトを開発・販売するSonyMusicによるゲーム事業についてはUNTIESを参照。
概要
正式名称「ソニー・コンピュータエンタテインメント(Sony Computer Entertainment Inc.)」の略称。
ソニー株式会社の子会社であり、家庭用ゲーム機やゲームソフト等の開発・製造・販売を行っている。
ソニーがコンピュータゲーム事業に参入するために、1993年11月にソニー・ミュージックエンタテインメントとの出資で設立された。
1994年に当時最先端技術であった3D映像を武器にした据え置きゲーム機・プレイステーションを発売。
ファイナルファンタジー7の大ヒット、ドラゴンクエストⅦのPS発売決定によってプレイステーションはハード市場の首位に立つ。ハードだけでなく「クラッシュバンディクー」「サルゲッチュ」など特徴的な自社製ソフトも積極的に販売していた。
2000年に後継機のプレイステーション2を発売。DVD再生機器としては安価で購入できたこともあり、ソフトが少なかった初期から高い売り上げを出していた。
モンスターハンターやドラゴンクエストⅧ等の有力ソフトが多数発売されたことで、マイクロソフトのXboxや任天堂のゲームキューブなど同世代のゲーム機に対しても優位に立ち続けた。
2004年に携帯ゲーム機市場にも参入し、プレイステーション・ポータブルを発売した。
しかしニンテンドーDSの爆発的普及には追い付けず、一時の勢いを失う。PS2を含む据え置きゲーム機のシェアが携帯ゲーム機に奪われ始めたのもこの頃である。モンスターハンターポータブルの大ヒットである程度は盛り返したものの、DSからトップシェアを奪うことは叶わなかった。
2006年には据置機市場でも新機種プレイステーション3を発売したが、高性能CPUやブルーレイ対応など機能を盛り込んだ結果、62790円という当時のゲーム機としては異例の高価格となった。
そのためPS3は苦境に立たされ、Wiiに首位を明け渡すことになった。
2009年にモデルチェンジして軽量化・逆ザヤ解消を果たした新型PS3を投入。据置機市場首位であるWiiのソフトリリースが鈍化していたこともあり一定の巻き返しに成功したが、この時点でSCEはこれまでの無理な値下げ及びPS3に費やした費用により104億円の債務超過を抱えてしまっていた。
2011年にプレイステーション・ヴィータを発売したが、こちらもニンテンドー3DSに敗れている。
その後、SCEIはソニー本社との連携強化のために組織再編を行い、ソニー本社から多額の債務保証を2度受けて立て直しを図った。
次世代機戦争でWiiUに先手を打たれたため窮地に陥るが、2014年に次世代機プレイステーション4を発売。WiiUに対し逆転勝利を果たした。
2016年にはSCEIとソニー・ネットワークエンターテイメントナショナルを統合し、ソニー・インタラクティブ・エンタテイメントLLCを設立。
それに伴いSCEIはソニー・インタラクティブ・エンタテイメント(SIEI)に社名変更した。
4月にモバイルゲームアプリ開発事業のForwardWorksを設立した。
※以降についてはSIEIを参照。
ソニーチェック
PSシリーズの表現規制が他社製ゲーム機よりも厳しいために生まれた言葉。
特に初代PS時代はパンチラ程度でもエログロに厳しい検閲が行われることが多々あった。
もっとも、当時はレイティング審査機関が存在せず各ハードメーカーによる自主規制が要求されていた時代であり、SCEだけの問題とは一概に言えない。同時期の任天堂も審査基準は厳しめであった。
(セガサターン初期は18禁ソフトの販売も許可されていたが、後に規制強化を余儀無くされている)
CERO設立後はソニーチェックも緩和され、SCE自ら大人向けソフトをリリースする機会も増えた。
但しソニーチェックそのものが無くなった訳ではなく、CERO審査の上にソニーチェックが被せられた結果、他機種で可能だった表現が修正されることが何度かあった。
特に2018年以降はソニーチェックが益々過敏になっている。PSシリーズでのバイオレンスやセクシー表現の規制は海外でも批判を集めており、署名運動にまで発展してしまったこともある。
どこの国の会社にも一律で英語での審査を要求するなど、SIE審査の非効率性も批判されている。
そもそもCERO設立に至った一番の理由は、各ハードメーカーの審査基準がバラバラなせいで同じゲームでも機種毎に内容を修正しなければならなかったからであり、審査基準の統一が最大の目的であった。
ソニーチェックのせいでサードパーティは結局機種別に内容を修正しなければならなくなり、大きな負担になっている。明らかに基準統一の足並みを乱しており、表現の幅に悪影響を及ぼしている。
国内外のレーティング機構にとっても、迷惑極まりない行為だろう。
主なゲームハード
据え置きゲーム機
携帯ゲーム機
発売ゲームソフト
※紹介文最後の箇条のリンクは外部の公式サイト。サイトによるが、音量注意。
主なもの
※改名後の作品はSIEIも参照。
SIRENシリーズ | 「どうあがいても、絶望。」(SIRENより) |
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ジャンルは3Dアクションホラーゲーム。かの「サイレントヒル」のスタッフが制作していること、また、テレビCMが怖すぎるということで放送中止になったという逸話でも有名である。ホラーものには珍しい、日本を舞台にした、土着的・民俗的な題材を扱っている。
シリーズを通して、怪異現象に巻き込まれた普通の人々が、どう怪異の中どう生き抜こうとするかが、ストーリーの主な内容。シリーズもので、「SIREN」、「SIREN2」、「SIREN:New Translation」の三作品。
Pixivでは、ゲームの世界観のためにR-18Gの絵が多く投稿されている。また、ギャグ系統も多い。特にSIRENに登場した、宮田司郎は、「撲殺天使宮田」という愛称で呼ばれるほどの人気があり、ファンアートも多く投稿されている。
- SIREN(2003.11.06/PS2)
- SIREN2(2006.02.09/PS2)
- SIREN:New Translation(2008.07.24/PS3)
俺の屍を越えてゆけ | 「生きる、死ぬ、託す。」 |
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ジャンルはロールプレイングゲーム。通称「俺屍(おれしか)」。
舞台は平安時代の京の都。京を荒らす鬼たちを滅ぼそうとする故に、短命と種絶に呪われた家系が、その過酷な運命に抗いつつ、神々の力を借りながら、京の都を平和へと導く話。独特なストーリーシステムは、『人間ダビスタ』と呼ばれる。
今なお、「日本のゲーム史に残る最低最悪の続編を作り出した作品」と言われており、SCEIの自社IPを軒並み潰したという噂まで出ている。
なお、上記の話はあくまでも噂なのだが同じくSIEの主要な作品であったワイルドアームズはアプリが配信されるまで停滞状態となり、ポポロクロイス物語はその後に出た作品は通常のRPGではなく牧場物語とのコラボ、サルゲッチュは2019年になってようやく公式アカウントが開かれたという事例から『噂ではなく本当なのではないか?』と言っている人も多い。
- 俺の屍を越えてゆけ(1999.06.18/PS・2011.11.10/PSP)
ICO | 「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」 |
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ジャンルはアクションアドベンチャーゲーム。いけにえの少年、囚われの少女。行き場を失った二人が、霧の中の朽ちかけた古城を脱出しようと試みる。「手を繋ぐ」という斬新なシステムや、その世界観など、日本国内も然ることながら、海外でも非常に高い評価を受けたゲーム。
ワンダと巨像、また、発売未定の人喰いの大鷲トリコと同じグループが制作している。
- ICO(2001.12.6/PS2・2011.9.22/PS3)
ワンダと巨像 | 「最後の一撃は、せつない。」 |
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ジャンルはアクション。別名「握力ゲー」。
上記の通り、ICOの制作チームが作ったため、その独特な世界観が特徴的。魂を失った少女を生き返らせるために、「古えの地」と呼ばれる禁忌の地に眠る16の巨像を倒そうとする、ひとりの青年の話。
Pixivでは、世界観を重視した、「ふつくしい」と評価されるイラストが多い傾向にある。
- ワンダと巨像(2005.10.27/PS2・2011.09.22/PS3)
パタポンシリーズ | 「目覚めよ、勇者(ヒーロー)たち」(パタポン3より) |
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ジャンルは、言うなればアクションRPGと音ゲーを融合させた、通称「コマンド・カーニバル」。目玉のような可愛い不思議な生き物、「パタポン」の進軍のために、プレイヤーは神様となり、彼らに太鼓で指示を送る。シリーズもので、「パタポン」、「パタポン2ドンチャカ♪」、「パタポン3」と続く。
Pixivでは、パタポンたちの擬人化や単体で描かれたもの、他作品とのコラボなどが多い。
- パタポン(2007.12.20/PSP)
- パタポン2ドンチャカ♪(2008.11.27/PSP)
- パタポン3(2011.04.28/PSP)
ワイルドアームズシリーズ | 「本当の嘘なら、後悔はしない」(WAXFより) |
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ジャンルはロールプレイングゲーム。シリーズ通して、西部劇とSFを融合させた世界観が特徴的。それぞれの作品に「英雄」「想い出」「進化」などのキーワードが設けられている。シリーズもので、「WA1」、「WA2」、「WA3」、「WAF」、「WA4」、「WA5」、「WAXF」と続く。
- WILD ARMS>(1996.12.20/PS)
- WILD ARMS 2nd IGUNITION(1999.09.02/PS)
- WILD ARMS Advanced 3rd(2002.03.14/PS2)
- WILD ARMS Alter code:F(2003.11.27/PS2)
- WILD ARMS the 4th Detonator(2005.03.24/PS2)
- WILD ARMS the Vth Vanguard(2006.12.14/PS2)
- WILD ARMS XF(2007.08.09/PS2)
PS2初期につくられたロールプレイングゲーム。コミカルな世界観と、物語中盤からの陰鬱さが特徴的。設定が、主人公の初期装備が「拾った枝」であったり、「魔王」という立ち位置だというのに、ペラッペラという、色々とおかしいことも目に付く。だが、ファンの間では、「世界一地味な神ゲー」と呼ばれている。
pixivでは、ファンアートが大半を占める。ときどき、魔王の擬人化が見られる。
- ボクと魔王(2001.03.15/PS2)
勇者のくせになまいきだ。シリーズ |
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ジャンルはシミュレーションゲーム。プレイヤーは「破壊神」となり、世界征服を目論む「魔王」の野望を叶えるべく、その野望を打ち砕こうとする「勇者」たちを、プレイヤーの創造したダンジョンで蹴散らすゲーム。シリーズもので、「勇者のくせになまいきだ。」、「勇者のくせになまいきだor2」、「勇者のくせになまいきだ:3D」と続く。ゲーム内には様々なパロディが存在し、そろそろ訴えられないか心配である。
Pixivでは、登場人物の「魔王」に関するイラストが多い傾向にある。
ちなみに開発がアクワイアなためか俺屍の悪影響から免れる事が出来た数少ない作品である。
- 勇者のくせになまいきだ。(2007.12.06/PSP)
- 勇者のくせになまいきだor2(2008.10.16/PSP)
- 勇者のくせになまいきだ:3D(2010.03.11/PSP)
- V!勇者のくせになまいきだR(2017.10.14/PS4(PSVR専用))
サルゲッチュシリーズ |
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メディア展開も多くなされているゲームシリーズ。ゲームでは総じて、プレイヤーたちは「ピポサル」と呼ばれるサルたちを様々な道具たちを駆使し、捕獲していくことが主である。
Pixivでは、ファンアート他、擬人化も多い。
どこでもいっしょシリーズ |
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ジャンルは人工知能系ゲーム。ポケピと呼ばれる生き物たちと会話をしたり、一緒に遊ぶこと、コミュニケーションソフト。そのほのぼのとした世界観から、根強い人気を誇り、様々な媒体でゲームが出されている。本シリーズのキャラクター・井上トロは、SCEIのマスコットキャラクターである。
Pixivでは、本作品の世界観を尊重した優しいイラストや、トロやクロがコスプレをしている姿、まいにちいっしょに関する絵が多い。
ぼくのなつやすみシリーズ |
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小学生の少年に仮託して、昭和の一夏を過ごす、シミュレーションゲーム。キャラクターは「キレイキレイ」のキャラクターで有名な方によるもの。シリーズもので、現在4作品。また、「8月32日」と呼ばれる有名なバグは、ゲーム史上最恐とまで呼ばれる。しかし、ゲーム自体は、特に戦後昭和の時代を生きた人々にとっては、暖かく懐かしい世界を再現したものとして人気である。
ポポロクロイス物語シリーズ | 「2人の恋に、涙がポポロ」(ポポロクロイス物語IIより) |
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その他
クラッシュバンディクー(カーニバルまで)
版権タイトル
るろうに剣心シリーズ
関連タグ
ForwardWorks - 現在はSonyMusicの子会社