概要
2020年11月12日に発売されたゲーム機で、その名の通りPS4の後継機。希望小売価格は税込54978円、デジタル・エディションが税込43,978円となっている。
2022年9月15日からは5500円の値上げが実施され本体価格は通常版が税込60478円、デジタル・エディションが税込49478円となった。
2023年にはPS5のリモートプレイ専用コンソールである「プレイステーションポータル」、また厚さと大きさを薄くし、ストレージ容量もアップさせた新型(便宜上、第2世代と表記する)が、サイレント値上げも兼ねて発売された。
二回目の値上げ後値段はディスクドライブ搭載版が66980円、デジタル・エディションが59980円。
2024年8月27日にさらなる値上げが発表され、3回目の値上げ語の値段はディスクドライブ搭載版が79,980円、デジタル・エディションが72,980円。
2024年9月11日の深夜0時にはpro版も発表された。
pro版の値段はディスクドライブ無しで税込み11万9980円。
本体仕様
スペック(ディスクドライブモデル・デジタルエディション)
ここでのスペックはスマホでの見やすさを考慮し、一部のみ表記する。詳しいスペックはこちらを参照されたい。
基本 | 備考 | |
---|---|---|
CPU | AMD Ryzen™"Zen2",8コア/16スレッド,周波数:最大3.5GHz | |
GPU | AMD Radeon™ RDNA-2 graphics,レイトレーシング,周波数:最大2.23GHz | |
システムメモリ | GDDR6 16GB | |
映像出力 | 4K120Hz、8K、VRR対応(HDMI2.1による) | 8Kは将来的にアップデートで対応予定。 |
SSD | 825GB | |
ディスクドライブ | UHD BD(100GBまで) | DVD、BD(BD-Rは128GB、BD-REは100GB)、ビデオ再生可能 |
オーディオ | "Tempest"3Dオーディオ |
スペック(第2世代)
基本的なスペックは上記の初期版と同様。ただし、ストレージ容量が825GB→1TBに増え、ディスクドライブの取り外し(デジタルエディションでもドライブを取り付けることができる)ようになった。
グラフィックの大幅な進化
PS4では敵、味方のキャラクターを作るのに、理論上では大体で8~10万ポリゴンが表示できていた。地形・背景のポリゴン数は数千万ポリゴンだったが、PS5では、なんと一体のキャラクターを作るのに最大で3300万ポリゴン(PS4の約300~400倍以上)で地形のグラフィックが最高で1000億ポリゴン(PS4の地形グラフィックの約1000倍)というすさまじい進化を遂げている(アンリアルエンジン5のテックデモで確認できる)。
SSDの高速化
生データ5.5GB/s、圧縮データ8-9GB/sという凄まじい処理速度の高性能SSDを初搭載。これまでのPSシリーズに比べて読み込み速度が非常に早く、PS4の100~150倍であり、歴代最速となった(1GB当たりの読み込みがHDD内蔵のPS4では20秒ぐらいだったが、SSD搭載PS5では1GB当たりで0.135秒と爆速化している)。
これはPS5のプロセッサとして採用された「Zen2」に使われているPCI Express 4.0の恩恵によるもの。また内製のSSDコントローラが優秀で、かつSoC側にハードウェアによる透過圧縮展開機能を追加しており、これらは開発者が特に意識することなく利用できるらしい。
これまで、ゲームディスクの挿入時やダウンロード時に約2~3秒で読み込みが瞬時に完了と公式で発表されている。
このように、PS4での不満点であった、インストール時が長すぎてすぐにゲームが遊べないといった問題点は解消され、ロード時間の短縮によってストレスはかなり軽減されたといえる。
市販のM.2 SSD(NVMe/PCIe 4.0仕様)も使用可能(カバーを外すと取り付けられるようになっている)。
2021年9月のシステムアップデートで対応が開始され、各メーカーから動作確認済みと謳う製品が発売された。ただしこれらは公式認証を取っているわけではなく、かつ増設する際はサーマルスロットリング対策のためM.2 SSDに規定サイズのヒートシンクの取り付けが必須となっている。このため、予め取り付け済みの製品も売られている。
そして2022年7月、ウェスタン・デジタルが公式認証済み製品を発表し、8月より販売開始。2020年発売の既存のヒートシンクなしのモデルにヒートシンクを追加しただけの製品だが、認証を得るにあたって複数タイトルでの数百時間の動作検証を実施しているという。容量ラインナップは1TBと2TB。
ビジュアル面
4K~8Kの高解像度の出力に対応し、美麗映像と大画面4K・8Kハイビジョンで楽しめる仕様になった。
レイトレーシングと呼ばれる技術を導入したことにより、光の表現が見直しされた。
これまで、テレビ画面中心の光の表現だったが、PS5では太陽、電球、松明などの自然の光の反射が可能になった(アンリアルエンジン5を使ったPS5用のデモで確認できる)。
発売当初はPS4Pro同様に1440pは非サポートで、高いリフレッシュレートを持つWQHDゲーミングモニタには対応していなかったが、2022年9月のアップデートで正式対応した。ただしHDMI接続のみ対応となる。
また4K出力はソフトによってはネイティブ4K(固定解像度)の60fpsは難しく、ダイナミック4K(可変解像度)の60FPSやネイティブ4Kの30fpsといった内部解像度もしくはフレームレートを負荷に応じて下げる、といった方法をとっており、ソフトによってはフレームレート優先とするためにレイトレーシングを切り解像度も可変とするモードを持つ、2K(1,920×1,080)をアップスケーリングして4K出力しているものあり、ビジュアル面の謳い文句の全てを活かして遊べているとはいいがたい状態となっている。
その他
3D音響に対応しており、水の音や落石などのリアルな自然音響を360度で全方位で体感できる。
ちなみに、かつて一部のPSソフトの中には3D立体音響対応(ヘッドフォン推奨)が少なからず存在していたため、こちらが立体音響への先駆けとなっただろう。(メーカーについてはソニー以外だった様な…)
Ultra_HD_Blu-ray(UHBD)ディスクにも初対応しており、1080pよりも鮮明な解像度(4K)でゲームを体感できる(PS5通常版のみ、後述のデジタル・エディションはYouTube等での同解像度に変更できるくらいに限定されるため非対応)。
さらにはディスクドライブのないモデル(デジタル・エディション)も発売され、SIEの社長によると、「多くのユーザーがデジタル版(ダウンロード版)を購入している」とのこと。
仮の話となるが、PS5のProモデルでデジタルエディションを発売するについては経済的なコスト面からすると可能性は低いと思われる。
ディスクなしでもゲームを遊ぶことができるが、PS5デジタル版ではディスクおよびPS4中古ソフトが一切使えないので注意が必要。また、ストレージの整理整頓においては苦痛となってしまうのだ。理由は、PS4版のソフトウェアでは外付けSSDへ移動できるもののPS5版(独占タイトルを含む)ではSSDに移動不可という制約ができているので容量不足に陥ってしまうという欠点もあるので注意。
PS5本体ではカバーを取り外して、2か所のダストキャッチャーが配備されており、わざと埃を吸い込んで後から掃除機で簡単に掃除できるようになっている。同時にお手入れもしやすい設計になっている。
オリジナルのGPUと比べるとinfinity cacheが非搭載だったり、浮動小数点パイプラインがデチューンされていたりと、目に見えないところでコストダウンを図っている。
こういった高性能さから、PS5で発売されたソフト(特に独占タイトル)は洋ゲー或いは洋ゲー風のゲームが多くなっている。海外デベロッパーによる日本風な邦ゲーも少なくはない。
PS3・4と異なり、Webブラウザは提供されなくなった。ただし機能としては内蔵しており、ユーザーズガイドの表示やWebインタフェースへのアクセスが必要な画面で呼び出されている。ゲーム機に本当に必要な機能なのかどうかの検討結果および、ペアレンタルコントロールが難しいためであるという。
また、PlayStationStoreでは、PS5のゲームのダウンロード版およびダウンロード専売ゲームの購入が可能だが、それにはプレイステーションストアチケットやクレジットカードを使う必要がある。
静穏性
PS5本体では巨大ファンが搭載されており、より効率的に排熱を強化している。
PS5通常版(ディスクドライブモデル)のみ、DVDドライブユニットの部品が板金になっており、2重構造になっている。
これは起動時の駆動音と振動を大幅軽減する目的で採用されたものである。
コントローラー
DualSense
HD振動の技術(永遠のライバル社とは特許的には全くの別物)を搭載しており、これまでのPSシリーズのコントローラーと比べると、リアルな振動を体験できるようになった。また、デュアルショック4で搭載されていた静電式パネルがほとんどのソフトで活用されていなかったこともあり、今後のゲームソフトでデュアルセンスで活用される可能性がある。
起動時のコントローラーのバッテリー駆動時間がデュアルショック4の約2倍に長持ちされている。
PlayStation Portal(PS Portal)
最大1080pの解像度と60fpsのフレームレートに対応した8インチの液晶ディスプレイと、DualSenseと同等の機能を持つコントローラーを備えるリモートプレイ用デバイスである。Project Q(仮)として発表したが正式名称が「PlayStation Portal」に決まった。
2023年5月に発表され、年内の発売で希望小売り価格は約2万9,980円を予定している。
SNS等では約10年前にライバル企業で出てきたこれを連想した人が多かったとか。
互換性
PS3初期型以来のPS4用ソフトの互換にほぼ対応している(同じAMDのx64アーキなので対応自体は容易)。またPS4ソフトの読み込み高速化も実現するなどの恩恵があるという。
一部のPS4用ソフトはディスク版、ダウンロード版共にPS5ダウンロード版にアップグレードする事が可能で、切り替える事でどちらのバージョンでも遊ぶことが出来る。
アップグレードにかかる費用はソフト毎やキャンペーン等により異なり、無料もしくは割引価格となるが有償となる。また、PSPlusの特典のPS4用ソフトは基本的にはアップグレード版を使用出来ず、ディスク版はアカウント登録国と同じ国で発売されたディスクのみが対象となるので海外版や未発売ソフトのアップグレードはできない、ディスクドライブのないデジタルエディションではディスク版のアップグレードが不可能などの制限がある。
PS3以前のH/Wアーキテクチャの仕様が違うことに加え、2世代前への互換対応がコストアップに繋がるため、PS1・PS2・PS3のソフトの互換性は持たせていない。
また、課金サービスのPlayStationPlus、PlayStationNOWは継続してサービスを引き継ぐことができる(やり方は外部リンクにある公式サイトを参照)。
PlayStationVR(初代と2世代目)も使用可能で、PSカメラ用のアダプタを入手する事でそのまま使用可能(PS5用HDカメラはPSVRには使用できないが、PSVR2なら対応している)。
また、PSVR用ソフトではDUALSHOCK 4及びモーションコントローラを使用するが、DUALSHOCK 4のジャイロセンサーを用いずパッド操作のみで完結しているタイトルのみDualSenseでの操作可能となっている。
また、下位互換を用いているため、同じソフトであってもPS5版は初代PSVR非対応(PS5版は2世代目のPSVR2のみ対応)となっており、アップグレードを行っている場合はPS4版を起動する必要がある。
余談
ボタン配置
決定ボタンが「〇」か「×」かで意見が分かれていたが、SIEによると決定ボタンは「×」で統一し、「○」でキャンセルにするのこと。
また、SIE公式でオプションでのボタン変更が廃止(事実上の封印)されるとのこと。
恐らく、外国での「×」ボタンがチェック(日本とは違ってチェックシートの□に✕を入れるというのが常識なのだろうか)を意味するからだと思われる(そのため、海外版のPS用ソフト(海外向けの初期コンフィングのオプションとしてはPS1~PS5までの全世代機種では共通らしい)はほとんどが「×」ボタンで決定する仕様となっており、逆に海外製のPS用ソフトを日本仕様にローカライズする際は「○」ボタンで決定する仕様に変更されていた。なお、一部は「○」「×」どちらも決定となっているものもあった)。
「×」ボタンで統一されるとなると、これまで国内のPSシリーズ対応のソフトを遊んできたプレイヤーにとっては混乱が生じることがあり、しばらく、「○」か「×」かで戸惑うだろう。
しかし、今後のアップデートで改善される余地があるかもしれない。(大人数でメーカーに問い合わせをすれば可能性は一応ゼロではないが…)
しかし、今のところ2023年8月の時点では不具合の修正や新機能の内容は公式サイトに出るものの上記についてはそのままの様だ。
公式による分解映像公開
2020年10月7日、SIEの手による、分解映像が公開された。
安易に分解しないように先んじて公開したと見られる、まさかの公式。
非公開の外部調達のチップメーカーが特定されないよう、映像加工が入っている部分はあるものの、これでPS5の中身がだいたい判明することになった。
カバーは簡単にはずせる。このカバーの下にM.2 SSDのスロットが用意されている。
PS4に引き続き、大型のヒートシンクとシロッコファンを搭載し、APUとSSDを確実に冷やしつつ、静音を実現。
そしてAPUとの間に挟む放熱媒体はなんと液体金属。コスト削減のために採用したのだという。これがなかったらもっと巨大な筐体になっていたとのこと。
結局は
なんでもバラバラにすることで有名なiFixitによって発売後に分解された。その結果、上記の液体金属によって修理難度が爆上がりしていると推測されている。ソース
国内での流通状況(2022年)
本ハードが発売される直前に新型コロナウイルス感染症が流行したことで、ハードに必要な半導体の製造が世界的に滞ってしまったため、需要に対して十分な供給が用意できず、発売日から年単位で品薄状態が続いた。
さらに、転売屋(転売ヤー)による買い占め行為によって定価よりも高額な値段で転売される問題が発生し、さらに在庫が限られてしまったため多くの企業がお一人様1台までというお買い上げ個数の制限付き抽選販売の形式をとることになった。
2022年になると円安が進んだことで外国人による日本国外への転売も起きるようになり、産経新聞の高木克聡氏は「ゲーム機・ソフト・開発人材それぞれの不足による『三重苦』が市場の衰退を招きかねない事態となっている」と指摘している。
それもそのはず、ゲーム機やゲームソフトとは転売ヤーにとっては利益(いわゆる私欲のため)を産むための道具としてしか見てくれないという残念な人間も少なくはない。(そもそも転売屋からはそう捉えているゲームの価値観そのものが間違っている)
しかし、2022年後半からは巣ごもり需要の衰退によってPC向け半導体の過剰在庫が発生するようになり、本ハードもその影響を受けたのか2022年末頃から供給が改善し、現在では通常販売や店頭販売が見られるようになった。
国内での流通状況(2023年)
2023年後半の7月現在は半導体は比較的に22年よりも入手しやすい状況になっており、今のところは安定傾向である。
問題点
PS5のゲームプレイ中にクラッシュが頻発してセーブデータが消える不具合が多数報告されており、本体の欠陥を隠蔽している疑惑が浮上しており、海外では集団訴訟に発展している。
他にもコントローラーのDualSenseはスティックに触れていないのに勝手に操作が行われるドリフト現象が多数報告されており、こちらでも集団訴訟を起こされている。
ドリフト現象に限って言えば他社製コントローラーでも起こっていることでありDualSense特有の問題ではないが、他社製コントローラーに対する同様の訴訟がほとんど和解や仲裁に移行しているのに対し、ソニーは仲裁への移行にすら失敗している。
関連動画
関連タグ
ソニー Sony SIE(SIEI) プレイステーション プレイステーション2 プレイステーション3 プレイステーション4 プレイステーション5 PS5 PS_one Playstation5 ロストエピック
杉田智和:自身のYouTubeチャンネルにて開封場面を投稿。
子安武人:息子とのラジオにて抽選に当たったことを語った。
海馬瀬人:衣装がPS5本体の見た目にそっくりであり、しばしばネタにされている。
E353系:同じく外観がPS5そっくりでネタにされる特急電車。