SoC
しすてむおんなちっぷ
基板にCPUやGPUなどのプロセッサコアを1つのLSIに集積し、あわせて通信機能や音声の入出力、DRAMなどの周辺機能をまとめて、ワンチップでコンピューターシステムとして機能できるようにしたもの。
メイン画像のRaspberry PiはSoCにUSBポートやHDMI出力、SDカードスロットなどを取り付けシングルボードコンピュータとして実装している。
SoCを活用することにより、各機能を別のLSIで実装し接続するよりも小型かつ低コスト、消費電力も削減できる。メモリなどをプロセッサとは別のダイ(半導体回路)として実装し同一パッケージにおさめたものはSiP(System in Package)とかPoP(Package on package)と呼ぶが、外見・機能上はSoCと区別できないので、一般的にはこれらもSoCに含めて理解されている。
2000年代ごろから使われるようになった用語。定義上は古くからあるマイクロコントローラ(マイコン)やシステムLSIと重なるが、「無線LANやBluetooth、3G/LTEなどの通信機能を有し」「CPUにARMコアを利用した」「高性能品」がSoCと呼ばれる傾向がある。
ルータや無線LANアクセスポイントなどのネットワーク機器、デジタルカメラやライブカメラなどには専用開発されたSoCが搭載されている。
近年ではスマートフォンの高性能・多機能化により、スマホ用に開発されたSoCが様々な機器に展開している。スマホ用チップを流用すれば、IoT機器で求められる無線通信機能、セキュリティ機能、AI、音声の入出力、画像出力、タッチパネル、カメラやセンサーから入力された情報の処理...などが全てワンチップで賄えるからである。
具体的にはカーナビ/ディスプレイオーディオ、スマートスピーカー/スマートディスプレイ、VRゴーグル、ドローン、UAV...などにはスマホのSoCがそのまま、あるいは少々のカスタム(周辺回路の追加、不要な機能の削除など)を施した上で搭載されていたりする。上記のRaspberry Piにセンサーなどの周辺機器を取り付けることで、個人でIoT機器を自作することも可能になった。
Nintendo Switchをはじめとするゲーム機にもSoCが使われている(SwitchはTegra X1のカスタム品を搭載)。SurfaceやMacintoshなどのパソコンにも専用に開発されたARMベースSoCが搭載されるようになった。さらにはIntel CoreやRyzenなどx64の一部製品もメインメモリとストレージ以外のすべてのシステムの主要機能(過去にはディスクリートのGPUやチップセットで提供されていた機能)を内蔵するようになり、事実上SoC/PoP化している。