概要
DRAM(Dynamic Random Access Memory)は、半導体素子の一種で、自由に読み書きができる記憶装置(RAM)のうち、書き戻し操作が必要なものを指す(書き戻し操作が不要なものがSRAMである)。
SRAMに比べて大容量化が容易で、価格が安価であることから大量に使われ、現在のコンピューターの主記憶装置(メインメモリ)やVRAMの主流となっている。値動きが激しく、フラッシュメモリと並んでDRAMの市場価格は社会的に注目を集めることが多い。
パソコンなどでは、DRAMモジュール(メイン画像にあるようなもの)を主基板上のソケットに挿入することで増設できるようになっている。
ノートパソコン用DRAMをデスクトップPCで流用する「RAMアダプター」という商品も存在する。
主なDRAM
SDRAM
「Synchronous DRAM」の略。
システムバスに同期(シンクロ)して動作するDRAM。
現在の主流でDDR SDRAMシリーズもこれの派生型に当たる。
RDRAM
Rumbus社が開発していたDRAM。
所謂「一筆書き」状の配線で単純な構造ながら広い帯域を確保できるのが特徴。但しその構造ゆえに全部のソケットにメモリモジュール(RIMM)もしくは配線用のモジュール(CRIMM)を差す必要がある。
PC市場ではRDRAMを採用したintel 820が「黒歴史」と呼ばれるほど冴えないものになってしまったが、ゲーム機ではNINTENDO64やPlayStation 2に採用されいずれも一定の成果を挙げている。
XDR DRAM
上記のRDRAMの後継でDDR2 SDRAMに対抗して開発された。
XDRとはeXtreme Data Rateの略で、その名の通り1クロックで8bit転送する事でデータ転送レートをベースクロックの8倍にまで引き上げるという特性を持つ。
PlayStation 3に採用され、同機が400MHz(メモリのベースクロック)×8Bit(1クロック当たりのデータ転送量)×16bit(1チップ当たりのメモリのバス幅)×4(搭載されているチップの数)で204.8Gbit/s(=25.6GB/s)の帯域を実現している。
1T-SRAM
本質的にはDRAMだがSRAMの特徴も持っている「疑似SRAM」の一種。
アクセスレイテンシ(CPU~メモリの間のモタつき)が少ないのが特徴で、ゲームキューブやWii、アーケード基板の「トライフォース」などに採用されている。
但しメモリの中に特殊な回路を内蔵している関係上帯域が若干ネックになっている。