概要
メモリ不足(Out of memory)は、システムに割り当てられたメモリが十分でないことで起こる様々な不具合。システムが不安定になったり、作業データが保存できなくなったり、ひどい時は突然強制終了してしまったりする。今時のコンピューターは数GB以上のメモリを搭載している上、一部のメモリ領域に圧縮をかけることで節約する機能があったり、仮想メモリといって溢れたデータをストレージに退避させることで物理メモリを遥かに超えるデータを扱うことができたりするため、昔のパソコンやPDAに比べて悩まされることは減っている。
Windowsの32ビットアプリは使えるメモリが(仮想メモリ込みで)実質2GBしかなかったため、ペイントツールなどで高解像度設定にするとレイヤなどに使えるメモリが少なくなり、なんとか描き始めることはできても使っているうちにエラーが起きて再起動しないといけなくなることが割とよくあった。
さらに昔のWindows9xでは空きメモリがあってもシステムリソース不足で不安定になったりもした。もっと大昔のMS-DOSの時代にはメインメモリが640KBしか使えない「640KBの壁」があったため、高解像度画像などの大きなデータを扱うことができなかった。
ハードウェアに加えてOSやアプリも64ビット化されたシステムでは、仮想メモリ込みで数TBのメモリ空間が使える(もちろんストレージの空き容量に左右されるため実質はもっと少ないが)ため、こういった制約が取り払われている…のだが、メモリリークといって、プログラムの不具合によってメモリの解放がなされず、消費メモリがどんどん増えて他のプログラムの使用領域を圧迫する現象が起こることがある。この場合は原因となっているプログラムを再起動すればよいのだが、常駐プログラムやデバイスドライバ、あるいはOSそのもののバグが原因になっている場合はシステムごと再起動しない限り解決しない。
メモリ不足はVRAMでも発生する。というか、今ではメインメモリよりもこちらの方が起こりがちな問題かもしれない。ゲームなどはVRAMが足りないとフレームレートが低下したり、途中でエラーが出て強制終了してしまうこともある。
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カストロ…『HUNTER×HUNTER』の登場人物であり、彼の行動が「メモリ不足」という旨の言葉に例えられた。