ウィンドウ
うぃんどう
ウィンドウ(Window)は窓のことだが、カタカナで「ウィンドウ」と表記する場合はコンピューターのユーザーインターフェースを指していることが多い。「ウィンドウ」はWindowsなどで一般的に使われている表記(X Window SystemやNeXTでも「ウィンドウ」)だが、macOSではウインドウと表記している。
多くのウィンドウシステムでは、複数のウィンドウを重ね合わせることができるが、ユーザーが直接操作できるのは通常、最前面のウィンドウ(アクティブウィンドウ)である。アクティブウィンドウはタイトルバーに色が付くなどして操作可能であることを示している。
ここではウィンドウシステムにおけるウィンドウについて解説する。コンピューターゲームのメッセージウィンドウは当該記事、ステータスウィンドウはステータス画面を参照。
タイトルバー
ウィンドウの最上部の、標題(タイトル)が表示されている領域。ウィンドウを閉じる/最小化/最大化 などのボタンが右端(macOSの場合)または左端(Windowsの場合)に表示されている。
ChromeのようにTDI(Tabbed Document Interface)を採用しタイトルバーがタブ表示になっているアプリケーションでは、ここに複数のタブが並んでいてタブの切り替えや追加ができるようになっている。
スクロールバー
ウィンドウの右端(場合によっては下部にも)に表示されている帯状の領域。ウィンドウが表示領域に収まりきらない情報を表示する際、巻物を読むように上下または左右に動かしながら表示させることができる(スクロール)が、この表示範囲を示すのがスクロールバーである。Webブラウザなどでは限られた画面を有効に活用するため普段は表示されず、スクロール時にのみ見えるようになっていることが多い。
ステータスバー
開いている文書の情報(テキストエディタの文字コード表示や行数など)やカーソルの位置、選択している何らかのオブジェクト(リンクしている文書のありかなど)、表示倍率などのステータスを表示する領域。ウィンドウ最下部(スクロールバーがある場合はその下)に表示されていることがある(すべてのアプリケーションに存在するわけではない)。
サイズ変更グリップ
ウィンドウの右下端にある、ドラッグしてウィンドウのサイズを変更するために用いられる領域。斜め平行線が用いられる。
しかし、近年のウィンドウシステムではどの端をドラッグしてもウィンドウのサイズが変更できるようになっていることが多く、サイズ変更グリップはあまり使われなくなっている。
メニューバー
アプリケーションの操作項目(アプリケーションメニュー)が表示された領域。階層構造になっており、プルダウン形式で多数の機能を一覧表示させることができる。Windowsではウィンドウの上部(タイトルバーの下)にあるためウィンドウの構成要素になっているが、macOSでは画面の上部に固定表示されており、ウインドウ内にはない。
ちなみにmacOSの前身のNEXTSTEPではアプリケーションメニューがメインのウィンドウから分離したパレットウィンドウ形式になっており、メニューの深い階層にあるが多用する項目についてはツールバーのように分離して常時表示させることができた。
ツールバー
アプリケーションの操作項目がアイコン表示された領域。メニューバーと違いウィンドウの一部または分離したパレットウィンドウに常時表示されているため、機能を一発で呼び出すことができるほか、アイコンから直感的に機能を理解しやすいためペイントソフトなどで多用される。
Microsoft OfficeのOffice 2007以降のバージョンでは、従来のメニューバーを廃止しツールバーをタブで切り替えるリボンというインターフェースに置き換えたが、ユーザーの評価は微妙。
Multiple Document Interface(MDI)
ウィンドウ内に複数のウィンドウを持つユーザーインターフェース。これに対し通常の単独ウィンドウをSDIという。Windowsはウィンドウの数ごとにプロセスが立ち上がる仕組みのため、メモリやリソースを節約するためWindows 2.0で設けられた。すべてのWindowsアプリケーションで使えるわけではなく、アプリがMDIに対応している必要がある。
近年はメモリが潤沢になったのと、代替のインターフェースとして後述のTDI(Tabbed Document Interface)が多用されるようになったため非推奨となった。Microsoft Officeでもこのインターフェースを捨てている。
Tabbed Document Interface(TDI)
複数の文書をタブで切り替えて表示する方式のインターフェース。Chromeなどのタブブラウザでおなじみだが、ペイントツールやワープロソフト、テキストエディタなどでもMDIに代わって多用されるようになっている。