概要
Windows 2.xはMicrosoftがWindows 1.0の後継として開発したオペレーティング環境。1.0と同じく単体では動作せず、MS-DOSの拡張環境であった。
英語版は1987年12月にリリース。2.0の発表は、Macintoshで高い評価を得ていた表計算ソフトExcelのWindows版の発売に合わせて行われ、本バージョンはWindowsプラットフォームで初の成功をおさめた。とはいえ、1989年時点でPC互換機が3000万台以上出荷していたのに対し、Windowsの累計売上は200万本を超える程度でしかなく、当時のPCユーザーの9割以上がDOSを使っていた。また、当時のMicrosoftはIBMとOS/2を共同開発しており、多くのユーザーにどちらを選ぶべきか混乱を生じさせたが、MicrosoftはWindowsは個人向け、OS/2は中規模以上の企業向けという説明をしていた。
日本語版は1989年6月にWindows 2.1がPC-9800シリーズ用に出たが、あまり売れなかった。当時の日本ではDOSで動く一太郎とLotus 1-2-3の組み合わせが鉄板で、WordとExcelに乗り換えようとするユーザーはほとんどいなかったのである。また、当時はマイクロソフトの国内代理店だったアスキーの普及促進戦略でMS-DOSが無料で配布されており、OSを金を出して買う習慣も根付いていなかった。
80386専用バージョンのWindows/386も用意されており、こちらは仮想86モードを使用してDOS環境を複数稼働させることができるのが売りであった。
機能
ウィンドウを重ね合わせることができるようになったことと、メモリ拡張手法のEMSに対応したことが大きな特徴で、Windows 1.0では使い物にならなかったマルチタスクが実用的になった。また、GDIが改良され、画面表示も幾分高速になっている。
ファイル管理の機能はWindows1.0と同様MS-DOSウィンドウが担った。
Windows 9xと違いタスクバーがないので、ウィンドウを最小化するとデスクトップ上のアイコン表示になる。
関連タグ
Microsoft MS-DOS DOS Windows Windows1.0 Windows3.0 Windows3.1 Windows9x OS/2