概要
計算を行うための機械・道具。英語ではCalculator(カリキュレーター)で、現代においてはほぼ「電卓」を指すが、ここでは電卓以前のさまざまな計算機についても扱う。
分類
歯車やカムなどを用いた機械式のものや、リレーを用いた電気回路の繋ぎ変えにより計算するもの、半導体によって構成されるものなど様々なものがある。それぞれにデジタル(飛び飛びの値、すなわち離散的な数値で計算する)とアナログ(連続的な量で計算する)の各方式がある。
アナログ式は縮尺や電圧などの物理量の増減で演算を行い「ある程度の丸め誤差が生じる」という性質があるが故、デジタル式に比べ圧倒的に種類が少ないが、主な物に計算尺がある。
日本では「コンピューター」の和語に「電子計算機」が当てられているが、数学的な計算を行う計算機と区分するのに「電算機」と略されることが多い。
なお「計算機」も「計算器」も共に「けいさんき」であるが、前者が全てを機械的に処理する装置なのに対して、後者が人間が計算するのを補助する道具という違いがあり、そろばんや計算尺は後者に当たる。ただし現在では厳密に使い分けられてはいない。ちなみに手回し式計算機は「タイガー計算器」カシオは「カシオ計算機」である。
余談
現在もっとも身近な計算専用の機械である電卓は『電子卓上計算機』の略。現在世に出ている電卓は例外なく電子式だが、過去には電子ではなくリレー回路で演算を行う計算機もあった。リレー式は操作方法は電卓とほぼ同じだが電子でもなければ回路が膨大で卓上サイズにはとても収まらないので電卓とは呼べない代物である。
広義の計算機であるそろばんは数値を離散的に扱うという意味でデジタル計算機であり、電子的な装置ではないという意味で「アナログ」と呼ぶのは本来は誤りである。