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タイガー計算機は、大阪府の大本鉄工所が大正12年に開発した手回し式の歯車計算機

なお商標上の正式名称は『タイガー計算』である。


概要編集

スウェーデン人技術者のウィルゴット・オドネルが開発した機械式計算機をもとに日本で改良されたもので、四則計算が可能である。

日本では、他に同様の計算機を製造する会社が複数あったが、タイガー計算機以外のオドネル歯車式計算機も殆どが「タイガー計算機」と一括して呼ばれた( 商標の一般名詞化)。


日本では、電卓などに代わられるまで、算盤や計算尺などとともに多用されたが、特に複雑な計算が行われる機械建築物、光学機器のレンズなどの設計に威力を発揮した。

算盤の場合は加減算は簡単だが乗除算は知識と訓練が必要で、特に桁数が大きくなると計算ミスのリスクも増えるためこの手の計算機が重宝したという。


操作編集

基本的な操作は置数レバーで数値を設定(入力)し、クランクハンドルを回転させて解を得る。このクランクハンドルの回転方向は加算乗算減算除算で逆となる。


加/減算の場合は置数レバーで数値を入力後にハンドルを所定の方向に一回転させると、メーターに表示されている値から置数分が加算または減算される。


乗算はハンドルを乗数分回転させて加算を連続させる形で行うが、例えば「7×13」の場合は13回回す必要はなく、キャリッジを10の位に合わせて1回、1の位に合わせて3回回せばよい。


除算はベルが鳴るまで減算を繰り返し、ベルが鳴ったらオーバーフローしたので逆に一回転させて引きすぎた分を戻す、という操作をキャリッジを動かしながら行う。商は別のメーターにハンドルを回した回数として記録され、引き切れなかった値が余りとして残る。


余談編集

  • 当初、タイガー計算機は開発者である大本寅治郎から採った「虎印計算器」と呼ばれていた。メーカーの大本鉄工所はタイガー計算機のヒットで、屋号も「タイガー計算器」と改めた。
  • オドネルの計算機は各国で様々な形に進化した。アメリカでは、置数レバーに代わってボタンで入力できるモンロー計算機が開発された。後に電動化され手動式より高速化が実現したが、その反面作動音が激しい欠点があった。

外部リンク編集

タイガー手廻計算器資料館

タイガー計算器シミュレーター

ニッコール千夜一夜物語… この種の計算機を使用していた当時の様子の証言がある。

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