概要
マイクロソフトが1985年11月にリリースしたMS-DOSの拡張環境。日本語版はかなり遅れて1987年にPC-9800向けにリリースされた。
DOS上でウィンドウシステムを稼働させ、マルチタスクを提供したが、当時のパソコン(CPUは8088/8086/80286、ビデオカードはCGA。1987年にやっとVGAが登場)では荷が重く、ほとんど使い物にならなかったと言われている。
特徴と機能
3.1以前のWindowsは、DOSのコマンドプロンプトから「Win」コマンドを入力して起動する。1.0の場合は起動時のロゴ表示もなくMS-DOSウィンドウなる画面が現れ、ファイル一覧がズラズラと表示される。
一応マルチタスクOSであるが、ウィンドウを重ね合わせること(オーバーラップウィンドウ)ができず、複数プログラムを立ち上げると自動的に分割表示されるようになっていた(タイル表示)。これは技術的制約によるものとも言われているが、マイクロソフトはあえてそうしたと主張している(実際Windows 1.0でもプルダウンメニューやダイアログボックスのようなGUI要素ではオーバーラップを実現しているので、その気になればオーバーラップウィンドウを実現できたはずである)。特定のプログラムを全画面表示させたり、最小化(アイコン化)することもできた。当時のWindowsのアイコンはタスクアイコンであり、ファイルを示す機能は無い。
16色表示しかできなかったが、画面の配色は赤、紫、黄色、緑とけばけばしかった。この画面デザインの評判が悪かったためか次のWindows 2.0ではウィンドウを青ベースでまとめているが、ダサいのは変わらず、表示できる色数が256色に増え、多少は落ち着いたデザインになるのはWindows 3.0になってからである。