概要
Microsoftが2000年2月18日にリリースしたWindowsNT系OS。
WindowsNT4.0の後継であり、開発当初はWindowsNT5.0という名前だった。(初期のベータ版も「NT5.0」として公開されていた。)
サーバー用とクライアント用が同一の製品名で発売された最後のWindowsであり、PC-9800シリーズに対応した最後のWindowsでもある。
当初はこのバージョンから9x系とNT系の統合が計画されており、このOSに9x系のユーザーインターフェイスが取り込まれているのは、そのためである。
家庭向けエディションが計画されていたものの、2000年までの発売が間に合わなくなり、同時に2000はまだ家庭ユーザー向きではないと判断されたため、家庭向けエディションの開発は中止された。
この決定を受けて作られたのがWindowsMeであるが、Meは無理矢理98SEに新機能を追加した代物だったので不安定になってしまい、個人ユーザーで(Professional版の)2000を使用するユーザーも少なくなかった。
約2年後に後継のWindows XPが登場。家庭向けエディションが提供されたため、2000は徐々に市場からフェードアウトし、2010年7月13日に延長サポートが終了した。だが、業務用途においてはその後も使われ続けている。
現在も使用されているOSである事からセキュリティベンダは独自にサポートを続けているが、外部ネットワークに繋げないスタンドアロン運用を推奨している。
エディション
Windows2000のエディションは以下の通り。
Professional
クライアント向けのエディションで、WindowsNTのWorkstationに相当する。
Server
ワークグループや小規模なサーバー向けのエディション。
Advanced Server
基幹システム向けのエディションで、Serverよりも高度な機能が使える。
64ビット版が存在する(後述)。
Datacenter Server
より大規模なシステム向けのエディションで、高スペックなハードウェアをサポートする。
パッケージ販売はなく、日本語版もなし。
64ビット版が存在する(後述)。
日本版
Windows2000は基本的に世界共通仕様で発売されたが、パッケージ版Professional/Serverを買うと日本版だけもう1枚ディスクがついてきた。
これはなんなのかと言うと、PC-9800用セットアップディスクである。
それまでのWindows9x系はPC-9800のBIOS周りの差異を吸収しきれておらず、英語版のソフトなどにPC-9800では動作しない例が存在したが、Windows2000はほぼこの面の問題を解決しており、さらにやはり一部不具合が残っていたUSB周りもほぼ改善されていた。
(PCIスロットを積んでいる終盤期のPC-9800に、USBやIEEE1394のインターフェイスボードを増設してもほぼ問題なく使えた)
しかしWindows2000発表の時点でNECはPC-9800のクローズを発表しており、Windows2000はPC-9800にとって(UNIXの系譜になるLinuxやBSDなどのフリーOSを除く)最後のメジャーOSとなった。
互いに言葉通じる時が、別れのときであった。
旧OSからのアップグレード
Windows2000はNT系なので、WindowsNT3.51・WindowsNT4.0からのアップグレードを想定している。だが、2000は9x系との統合が予定されていたためか、Windows95・Windows98(SE含む)・WindowsMeからアップグレードすることも出来る。
なお、Windows2000にはアンインストール機能が備わっていないため、旧OSに戻すことは出来ない。
WindowsMeは2000よりも後に登場しているため、本来ならアップグレードの対象にはならないはずだが、2001年2月にMicrosoftからMeも2000のアップグレード対象に認められた。ただし、Meからアップグレードすると、『システムの復元』など、Meに備わっていた一部の機能が使えなくなるので注意。
新OSへのアップグレード
エディションによってアップグレード対象が異なる。
- Professional…WindowsXP Professional・WindowsVista※1
- Server…WindowsServer2003・WindowsServer2008※1
- Advanced Server…WindowsServer2003※2・WindowsServer2008※1
※1…セットアッププログラムは起動できるが、新規インストールしか出来ない。
※2…下位エディション(Standard)にはアップグレード出来ない。
なお、アップグレード後にアンインストールして2000に戻すことはできない。
余談
前述の通り、実はWindows2000にも64ビット版が存在する。2001年8月28日に発表された2000ベースのItanium向けOSで、
「Windows Advanced Server Limited Edition」
「Windows Datacenter Server Limited Edition」
という製品名で発売された。
内部バージョンはNT5.1となっており、この影響で64ビット版XPとServer2003はNT5.2となっている。Professionalも発売予定だったが、中止された模様。
擬人化
詳しくは→2k
関連タグ
Microsoft MS-DOS Windows Windows9x
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