概要
1998年7月25日にリリースされたWindowsのOSで、Windows95の改良版。
内部バージョンは4.1。
95の改良版として生まれたため、起動画面も95を進化させた風のものになっている。
Windows 95 OSR2の機能を標準で取り込み、USB1.0に対応しており、FAT32に対応している。
Windowsの標準ブラウザであるInternetExplorer4.0が統合され、ネットワーク上のファイルもローカルファイルと同様に操作ができるようになった。また、このバージョンからスタートメニューもドラッグアンドドロップの対象となった。
98がリリースしてから約1年後に、さらに改良を施したWindows98 SecondEdition(セカンドエディション)が発売された。詳しくは後述。
2002年6月30日にメインサポートが終了し、2006年7月11日に延長サポートが終了した。
Windows98SE
1999年5月5日にリリースされたWindows98の改良版である。正式名はSecondEdition、通称「98SE」。内部バージョンは98と同じ4.1。
基本的な仕様は98と同じだが、全体的に安定性が向上し、USB1.1やIEEE1394、DVDに標準で対応する。また、標準で搭載されているInternetExplorerが5.0になった。
旧OSからのアップグレード
Windows98には、Windows3.1かWindows95からアップグレードすることが出来る。
WindowsNTからはアップグレード出来ない。
旧OSのシステムファイルが残っていれば、98をアンインストールして旧OSに戻すことが出来る。
新OSへのアップグレード
Windows98からは、WindowsMe・Windows2000 Professional・WindowsXP HomeEdition・Professionalにアップグレードすることが出来る。
98からいきなりWindowsVista以降のOSにアップグレードすることは出来ない。
2000以外にアップグレードした場合、新OSをアンインストールして98に戻すことが出来る。
Windows98 SecondEdition Update CD-ROM
このCDは、Microsoftが98ユーザーを対象に、格安(税別1000円)で配布していた98専用のアップデートディスクである。
アップグレードを完了する際に、インストール済みの98から不足分のファイルを供給しているため、3.1や95から実行すると「必要なWindows 98ファイルが見つかりませんでした」というメッセージが表示されてセットアップが強制終了する仕組みになっている。
なお、一部ファイルが不足している以外は普通の98SEインストールCDと同じなので、WindowsMeの「Windows98ユーザー限定期間限定特別パッケージ」を使って95からMeにアップグレードする際や、2000やXPのアップグレード版を使って新規インストールするときに行われるアップグレード認証の際に、このCDを利用すれば、通過することが出来る。
余談
Windows98がリリースされる直前、とあるテレビ番組に出演していたビル・ゲイツの目の前で98がクラッシュするというハプニングが起きている。ゲイツは、これを「まだ98がリリースできない理由」と言い、何とか誤魔化したらしい。この一件が98SEを作るキッカケになったとか。
98SEは開発当初、Windows99という名前で開発されており、この名前の起動画面が表示されるβ版も存在する。しかし、99は98の改良版だったのでβ版であるにもかかわらず動作が安定して快適だったという。さらにプロダクトキー無しで使えたため、99をメインで使うユーザーが現れた。
これに対しマイクロソフトは99の正式版を発売せず、98SEという名に変えて世に出した。
既にサポートが終了して久しい98であるが、9x系でしか動かない古い周辺機器やアプリケーション、PCゲームなどが数多く存在するため、現在でも利用を続ける人が一定数存在する(後継かつ9x系最終版のMeは不安定なため、安定する98SEを選択する人が多い)。
実機を用意するのではなくVirtual PCなどの仮想環境で動作させることもできる。
日本ローカルの事情としては、PC-9800シリーズにとってメーカープリインストールとしては最後の(商業ベースの)メジャーOSとなった。2000は対応こそしているがOS単体のみの販売であり、Meは最初から非対応。
その後もPC-9800シリーズの延命用OSとして2000と共に重宝された。