表記ゆれ
32bit
32ビットとは2進数で32桁を表し、42億9496万7296通りの数を表現できる。
ゲーム機の世代としてよく使われる8ビットや16ビットに比べ、32ビット(32bit)のタグがついたイラストは少ない。特定の時代のコンピュータの性能を想起させやすい8ビットや16ビットに対し、32ビットプロセッサが出回った期間は相当長期間にわたり、「32ビットマシン」と言っても初期のものと後期のものでは性能の開きが大きいためだと思われる。
32ビットマシン
32ビットのCPUを搭載したコンピュータ。定義は曖昧だが、基本的にはデータの処理を32bit単位で行うもの(メインの演算器のレジスタが32bit)を指すが、高性能な32bitプロセッサ(PowerPC_G4など)は整数演算ユニットは32bitとしながらも、浮動小数点演算ユニットは64bit、SIMDは128bitのレジスタを搭載していることがある。32bitCPUのメモリアドレスのビット幅は24bit(約16Mバイト)〜32bit(約4Gバイト)である。
32bitCPUは、パソコンにおいて1980年代〜2000年代中盤までの長きにわたって使われた。Intelでは1985年発表の80386から2006年発表の初代Intel Coreまでである。
メガドライブや初期のMacintoshに搭載された68000はデータバス16bitなので16ビットCPUと称されたが、内部的には32bit設計になっていた。
ゲーム機では1990年代に「次世代機」と言われたプレイステーションやセガサターンが32bitCPUを搭載していたほか、64ビットCPUを搭載したニンテンドウ64も、ほとんどのゲームタイトルは32bitモードで動作していた。
ニンテンドウ64の次世代にあたるゲームキューブは(一部のレジスタは64bitだが)基本的に32ビットマシンであり、同機種の後継であるWii、WiiUも同様であった。プレイステーション2に搭載されたEmotion Engineは内部バスが128bit接続だったので128ビットCPUと称していたが、メモリアドレスは32bit、レジスタや外部バスは32/64/128bitが混在しており、単純に○ビットマシンとは表現し難い。
スマートフォンは初期は32bitCPUを搭載していたが、2013年のiPhone 5Sを皮切りに64bitに移行した。
32bitCPUは2020年現在も組み込みシステムでは広く使われている。
32ビットOS
パソコンのCPUが64bit(x64)に移行したあともオペレーティングシステムの64bitへの移行は長い時間がかかった。64bitOSはデバイスドライバを作り直さなくてはならなかったからである。
MicrosoftはWindowsXP以降32bitと64bitのWindowsを並行してサポートを続け(一般に販売されるようになったのはWindowsVistaから)、64bit版が32bit版の比率を上回ったWindows7を経て、32bit版Windows10のOEM提供を終了したのは2020年。Windowsそのものが32bit対応を切り捨てたのは2021年のWindows11になってからである。