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概要

Windows11とは、Microsoftが開発しているOSであり、Windows10後継バージョンである。2024年現在、最新のWindowsである。

Windows10発売当初、「Windows10はWindows最後のバージョンである」と言われており、それ以降は大型アップデートが主流となって新OS開発は行われなくなると思われていた。だが、2021年にWindows10Home/Proサポート期限再告知、10X開発中止が発表。同時に次世代OSを匂わせる発表を行った。さらに同6月15日、Windows11β版スクリーンショットがネット上に流出・OSのISOファイルもアップされ、後にMicrosoftが権利削除を行ったため、その存在が確実視されるに至った。

そして、2021年6月24日(日本時間では25日)に開催されたイベントでWindows11が正式発表され、同年10月5日に正式リリース。

内部バージョンは10・Server2016・Server2019・Server2022同様NT10.0となっている。

旧OSからのアップグレード

Windows10からのアップグレードに対応しており、無料で可能。

ただし、アップグレードする場合は一定水準以上のハードウェア要件(後述)があり、満たしていないと出来ない場合があるが、クリーンインストールに関してはこのハードウェア要件を回避してインストールすることが可能。ただし、Microsoftはサポート対象外としている。

インストールメディアを使ったアップグレードではWindows7/8.1からでも出来たという報告もあがっているが、Microsoftはサポート対象外としている。

また、どちらのOSもハードウェア要件を満たしていないケースが殆どなので、回避インストールは必須となる。

以前は7/8/8.1のプロダクトキーがあれば11のライセンス認証にも使用できたが、2023年9月21日に無償アップグレードパスが削除されたため、以降は不可能となった。

一方、10のプロダクトキーは現在も使用可能である。

特徴

開発中止となった10Xをほぼ再利用しているためか、UIを始めとする様々な部分が10Xと共通している。

タスクバー

今までタスクバーアイコン(スタートボタンやアプリ)が左寄せであったが、今回はデフォルトで中央となっている。設定変更で今までの様な左寄せとすることは可能。

Androidアプリとの互換性

Android互換環境てある「Windows Subsystem for Android」を搭載しており、Windows11からMicrosoftStoreでAndroidアプリをダウンロードし、PCにインストールすることが出来た…が、この機能は2025年3月に早くもサポート終了となった。

Arm版Windowsとの互換性

Arm版Windows(ARM64)でもX64版アプリが動くようになった。

従来のArm版Windowsは対応アプリがほとんどなかった(アプリをARM64向けに書き換えなければならないため)ため普及が進まなかったが、ARM64・x64の共通基盤が整ったことに伴い、Snapdragon等のスマートフォン向けSoCを搭載したWindowsPC普及が期待される。

同一のバイナリにx64とARM64のコードを混在させることができるため、開発者は性能が求められる部分からArmのコードに書き換えを進めればよい(かつてMacintoshが68KからPowerPCへの移行時に使った手法と似ている)。

InternetExplorerの削除

Windows10では新ブラウザ・MicrosoftEdgeと旧ブラウザ・IE11の両方が搭載されていたが、11からはEdgeのみ搭載となっている。

ただし、Iexplore.exe自体は残っており、特殊な方法を使えば起動することも可能。普通に起動しようとするとEdgeに飛ばされる。

IE用サイトを表示する際はEdge・IEモードを使う必要がある。

大型アップデート

Windows11でも大型アップデートは実行される。

これまでのWindows10は年2回であるのに対し、11は年1回のリリースサイクルに変更された(10もこれに合わせて2022年から年1回に変更された)。

Copilot

2023年の23H2(及び直前に公開された22H2機能更新ビルド)で追加されたAIアシスタント機能。

AIの活用により、今までと異なり、曖昧な指示でも反応してくれるのが特徴。

この機能の実装に伴いCortanaは廃止される。

エディション

Home(ホーム)

一般ユーザー向けエディション。基本的な機能が備わっている。

Pro(プロ)・Enterprise(エンタープライズ)

パワーユーザーや企業向けのエディション。

Enterpriseは90日間無料で使用出来る評価版として提供されている他、ボリュームライセンス契約を行うことで一般ユーザーも一般版の利用が可能である。Proライセンス更新でアップグレードが可能となる。

Education(エデュケーション)

教育機関向けのエディション。

機能はEnterpriseとほぼ同じであるが、モバイルコンパニオンがプリインストールされていない等、細かな相違点がある。

一般ユーザーは入手不可。

Pro Education(プロ エデュケーション)

教育機関向け上位エディション。教育機関向け管理機能が搭載。

基本はプリインストールであるが、Proライセンス更新でアップグレードが可能となる。

Pro for Workstations(プロ フォア ワークステーションズ)

ネットワークサーバーや作業用ワークステーション向けエディション。

最大4個の物理プロセッサと6TBの物理メモリで稼働する等、高負荷作業をサポートする。

システム要件(x64版)

ようやく32Bit版がなくなり、64Bit専用となった。

最小要件備考
CPU2コア1GHz以上世代によって対応が分かれる※1
メモリ4GB以上-
ディスク容量64GB以上-
システム ファームウェアUEFI・セキュアブート対応レガシーファームウェアは不可※2
TPMVer2.0※3-
グラフィックカードMicrosoft DirectX 12 グラフィックスデバイス(WDDM2.0ドライバー付)GeForce400Series以降の対応
ディスプレイ9インチ以上で8Bitカラーの高解像度(720P)-
その他Microsoftアカウントとネット環境ライセンス認証に必要

※1…セキュリティ機能を重視し、Intelの第8世代Core及びAMD2000番台(APUは3000番台)以降のプロセッサがサポート対象となっている。後に緩和が検討されたが、第6・7世代Core・Xeonの一部が追加された程度に留まっている。ただし、OS根幹部分はWin10からさほど変化していないため、非正規の手段を用いれば非対応のパーツを使用したPCにインストールすること自体は可能。しかし、UEFI/TPM2.0非対応の世代では挙動が変わって非効率な動作になることがある。一方、対応する世代では大型アップデートも正規に動作するという報告がいくつかあがっている。ただしサポート対象外のCPUでTPM2.0に確実に対応しているのはインテル第4~7世代とAMD初代ZenのCPUぐらいである。

※2…近年のメーカー製PCの場合、内部構成や設定を弄っていなければ大体は対応している。自作PCの場合、最新のパーツを使用してもBIOSを使っていることがあるので注意が必要。特にマザーボードの仕様もあってゲーミングPCの構成で自作した場合は最新パーツでもCSMモードが選択可能なので陥りやすい。

※3…インテル製の場合、TPM2.0は第4世代以降であれば対応しているが、Win7が初期OSの場合、BIOS(正確にはレガシーと互換があるCSMモード)で出荷されているケースがほとんどなので注意。またUEFIは32bitOSでは基本的に動作しないため、32bit版Windowsの場合は確実にBIOSである。Win8.1やWin10(いずれも64Bit版)が初期OSであるとほぼUEFIで初期設定されているが、メーカー製PCでも第7世代以前のPCの場合はWin8.1やWin10のPro版のダウングレード行使でWin7Proが初期OSとして出荷されていたりすると、初期設定はBIOSを使っていることが多いので、確実にUEFIで出荷されているのが第8世代以降なのだろう。

初期設定での落とし穴

Windows11Home搭載PCは初期設定においてネットに接続出来ることが必須条件であり、もしネット回線が開通していない、または「ブリッジ接続PPPoE接続広帯域接続とも)」しかない場合、初期設定が途中で詰んでしまう事態が発生する(Windows11Proは従来通り、ネット接続無しで初期設定可能)。

ブリッジ接続とは、プロバイダーから送られてきたIDとパスワードをパソコン本体に設定して、ネットに接続する方式である。

具体的には、

「光回線」→「ONU(終端装置)」→「パソコン」

という繋ぎ方となる。この場合、回線に接続可能なパソコンは1台だけになる。

ブリッジ接続でWindows11Home初期設定が出来ないのは「ブリッジ接続は初期設定が終わってOSが立上がっているPCにプロバイダーから送られて来たIDとパスワードを設定してネットに接続する方式なので、初期設定が済んでいないWindows11Home搭載新品OCでは、ネットに繋げず初期設定が出来ないのである。

この場合、プロバイダーから送られてきたIDとパスワードを設定した有線、または無線LANルータを「ONU(終端装置)」と「パソコン」の間に設置して、

「光回線」→「ONU(終端装置)」→「有線または無線LANルータ」→「パソコン」

という繋ぎ方でWindows11Home搭載PC初期設定を行うこととなる。

有線、または無線LANルータは市販のものを購入するか、NTTが貸し出している「ホームゲートウェイ」、ソフトバンクが貸し出している「光BBユニット」をレンタルするなどの方法で導入可能。

ただし、有線または無線LANルータにプロバイダーから送られて来たID・パスワードを設定するには、既にネットに接続されているPCが必要なため、ブリッジ接続しかない人が「Windows11Home搭載PC」を買うから、とルーター設定をする前に古いPCを処分してしまうと、「ルーター設定にはネットに繋がったPCが必要」、しかし「Windows11Home搭載PCはネットに繋がっていなければ初期設定不可」という八方塞がりな状態になってしまう。

なので、ブリッジ接続しかない人は「Windows11Home搭載のPC」を買う前に必ず今使用している古いPCを用いて有線または無線LANルータにプロバイダーから送られてきたIDとパスワードを設定しておく必要がある。

一応、初回セットアップ画面でコマンドプロンプトを立ち上げ、特定のコマンドを入力すればインターネットに繋がずとも設定を進められるようにはなるが、非正規の手段のため、やはりインターネットに接続する方法は必要だろう。

余談

  • 今回からロゴマークが変更され、Microsoftのロゴを一色にした感じのマークとなった。
  • 前述の通り、非常にシステム要件が厳しくなっている。しかし、インストール用USBの作成に「Rufus」を使えば、この制約を回避する設定をはじめから有効にすることができる。さらに、古いBIOSを採用したマシンでも、パーティション構成をMBR、ターゲットシステムをBIOSにすることでインストールが可能になる上、インターネット接続が無くても初期設定可能とするオプションも用意されている。しかし、Microsoftは自己責任としている。大型アップデートのときも同様。
  • 今のところキャラクターは発表されていないが、Pixivユーザーをはじめとする有志の手で生み出されている。

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