概要
Android社(米)及びそれを買収したGoogleによって開発された、スマートフォンやタブレットPCなどの携帯情報端末用のソフトウェア・プラットフォーム。それを搭載した携帯情報端末自身を指すこともある。
Linuxベースのモバイル用オープンソース・オペレーティングシステム、ミドルウェア、主要なアプリケーションからなるソフトウェアスタック(集合)パッケージで構成されている。
SONY、SHARP、富士通(現:FCNT株式会社)、ZTE、OPPO、Xiaomi、Samsungなど日本国内外を含めて数多くのメーカーからこのOSが搭載された端末が幾つか開発・発売されており、スマホ・タブレット向けOSにおいて圧倒的なシェアを占めている。
なお、派生OSとしてパソコン用のChromeOSがある。一部の携帯電話(携帯電話キャリアのスマホ向けの同一回線で通信する特殊なモデルのみ)のガラホ向けにも低スペックにしてカスタマイズされる形で搭載されているのもある。更にテレビ用のAndroidTVがPanasonicやSHARPのAQUOSブランドなどのテレビブランドのメーカーからもリリースされている。
バージョン履歴
正式リリース版からは、発表順に対応したアルファベットを頭文字に持つ菓子の名前が付けられており、それぞれにドロイド君がコードネームの菓子に扮するイメージイラストが存在する。
しかし、android10からコードネームが廃止された。
アップデート内容等の詳細(ちょっと難しい内容なので)についてはリンク先(Wikipediaの記事)を参照の事。
正式リリース前のバージョン
2007年から2008年にかけ、ベータ版として以下の6版がリリースされた。最初に公開されたM3-rc22aではまだタッチ操作には対応しておらず、Blackberryの強い影響を受けたデザインを採用していた。2番目に出たm3-rc37aでiPhoneの強い影響を受け、画面が大型化、タッチパネル搭載を前提としたデザインに変更された。
バージョン番号 | リリース時期 |
---|---|
M3-rc22a | 2007年11月 |
M3-rc37a | 2007年12月 |
M5-RC14 | 2008年2月 |
M5-RC15 | 2008年3月 |
0.9 | 2008年8月 |
1.0-R1 | 2008年9月 |
正式リリース後のバージョン
バージョン番号 | 通称 | 備考 |
---|---|---|
1.0 | Apple pie | ※0 |
1.1 | Petit Four(プチフール) | ※1 |
1.5 | Cupcake(カップケーキ) | ※2 |
1.6 | Donut(ドーナツ) | |
2.0/2.1 | Eclair(エクレア) | |
2.2 | Froyo(フローズンヨーグルト) | |
2.3 | Gingerbread(ジンジャーブレッド) | |
3.x | Honeycomb(ハニカム) | ※3 |
4.0 | Ice Cream Sandwich(アイスクリーム・サンドウィッチ) | ※4 |
4.1/4.2/4.3 | Jelly Bean(ゼリービーン) | |
4.4 | KitKat(キットカット) | ※5 |
5.0 | Lollipop (ロリポップ) | |
6.0 | Marshmallow(マシュマロ) | ※6 |
Wear | ※7 | |
7.0 | Nougat(ヌガー) | ※6 |
8.0 | Oreo(オレオ) | |
9.0 | Pie(パイ) | |
10 | Quince Tart(マルメロタルト) | ※8 |
11 | Red Velvet Cake(レッドベルベットケーキ) | ※8 |
12 | Snow Cone(スノーコーン) | ※8 |
13 | Tiramisu(ティラミス) | ※8 |
14 | Upside Down Cake(逆さまにしたケーキ→逆さまケーキ) |
※0:名称非公式。ソース不明。
※1:公式には未公表。Banana Bread(バナナパン)ではないかとも言われているがソース不明。
※2:この版よりコードネームが愛称として公開される。
※3:タブレット専用版。
※4:この版以降スマホ用・タブ用が統合される。
※5:当初は「Key Lime Pie(キーライムパイ)」であったが、実質的にフロリダ州のローカルスイーツで、味を知る人が少ないであろう、という事から変更。「キットカット」の商標を持つネスレへ使用を打診したところ、無償のライセンスが実現(ネスレ側もドロイド君をパッケージデザインに使用できるクロスライセンスとなった)。
※6:Googleが公開したネタPVから「Muffins(マフィン)」ではないかとの推測もあった。
※7:ウェアラブル端末専用版。4.4をベースとする。
※8:Google社内や開発者向けのプレビュー等では使用されているが、公式ニックネームとしては廃止された。
※9:バージョン13のケーキに続くネーミング。(あくまでも開発部署内部用)
余談
日本でのシェアの低さ
諸外国と比べて異様にシェアが低い。ついには日本政府からも見捨てられた。
かつて行われていたiPhoneの値引き合戦、スマホ黎明期にはスマホについてよく知っている人が少なく、販売店員の言われるがままに買う習慣があったこと(当然高額のiPhoneを勧めてくる)。また、スマホ普及と時を同じくして日韓関係が急激に悪化。サムスンのスマホは一時期買うことすら憚られる状況になっていた。一方、Appleは「iPodを日本で加工している」「スティーブ・ジョブズが禅をやっていた」などとして愛国消費のターゲットとなっていた。
「ならば国内メーカーを買えば良いではないか」というところだが、ガラケー作りに慣れきっていた初期の国内メーカーAndroid勢は不具合が多発。悪評が広まり、2010年代の電機メーカー死屍累々の状況につながっていた。
現在のAndroidはその様な物は極一部を除いて無いものの、未だに昔のイメージを持ってる人がいる。
またiPhoneと違い、メーカー多数且つハイエンド~ローモデルまでピンキリである。値段だけを見てローモデルを買って、悪いイメージを持たれる事もある。
注:低いとはいえ調査によるとAndroidとiPhoneでシェアはおよそ50:50。諸外国では国によるが75:25くらい。
因みにiPhoneは若者のシェアが非常に高い。(およそ7割以上)
しかも2023年時点で調査してもAppleのOSの機種を選ぶユーザーは7割で、一方Androidの機種を選ぶユーザーは3割のシェアで維持している感じなので2024年時点でもあまり変わっていない…。
「Project Ara」
2013年からGoogle及び傘下のモトローラ・モビリティ社により開発が進められていた、オープンソースハードウェア規格。
その実態はモジュール式のCPU、液晶パネル、メモリ、バッテリー、カメラ等のパーツをユーザーが選択し組み立てる自作型のAndroidスマートフォンであり、同時にハードウェア版のAndroidと言えるものである。
2015年よりプエルトリコでロードテストを開始、得られた結果を反映させながら全世界へ展開させる予定だった。
本体は「スケルトン」と呼ばれる金属フレームのみとなっており、そこにモジュール化されたパーツをはめ込み、オリジナルの端末本体を作ることができる。PCの世界では広く親しまれている自作文化がいよいよ携帯端末の世界にもやって来るのである。
各モジュールは個別に交換可能であり、故障の際にはそのモジュールだけ交換して修理したり、性能に不満が出た場合にはより高性能なものにアップグレードしたりする事が容易となっている。
これにより、機器の寿命サイクルを通常の端末よりも長くする事ができるため、ハイテク系廃棄物の削減効果が期待されていた。
しかし、2016年9月に同プロジェクトの中止が決定された。他社ハードメーカーがGoogleからの技術ライセンスによって生産する可能性はあるとしながらも、自社でPixelシリーズを展開するなどしていることから事実上成果を上げることなく失敗に終わったと見られている。
カスタムしていないオリジナルのOS自体はオープンソースとしてダウンロードできるように提供されている。(導入方法などはこちらのリンクを参照。)
Googleからは、一般の開発者向けや企業向けのエンタープライズ向けにもされているのでとあるゲーム機やWindowsなど(異常な者ではコンピュータゲームの機器にまで至っている)のOSをアンインストールしたパソコンにこれをインストールする上級者まで現れている。
検索問題
SFファンや、本来のアンドロイド(機械)の技術研究者などにとって検索妨害(混在的に感じるらしい)になってしまっている。また、ドロイド君の外見のせい(?)になるという場合もあり、外見がロボットのデザインであることから完全に誤解されることも稀にあるようだ。
場合によっては曲名としても採用される事もあるので結果画面に混じって表示されることもある。
Pixiv内でも本来の意味での用途と、携帯情報端末関連の用途でタグが混在する状況であり、携帯情報端末関連の場合はこちらのタグを使用することを推奨する。
(携帯情報端末関連用語の「Android」は固有名詞であり、一文字目は大文字である事にも注意)
関連タグ
Google Linux UNIX スマートフォン タブレット ChromeOS(類似OS)
Microsoft WindowsPhone WindowsMobile