概要
古典的なパソコン(特にIBM PC互換機)のファームウェア(ハードウェアに直接ROMなどで組み込まれ、起動などを担うソフトウェア)。
Basic Input/Output Systemの頭文字をとってBIOS(バイオス)と呼ばれる。
ファームウェアの代名詞的存在であり、後継のUEFI(後述)やPowerPC搭載MacintoshのOpen Firmwareも含めて俗に「BIOS」と呼ぶことがあるが誤用である(詳しくは後述)。
機能
電源を入れると最初に起動し、ハードウェア構成の確認、自己診断を行い、OSを起動するためMBRからブートローダーを呼び出す。自己診断時に異常が確認されればビープ音や状態表示LEDなどでユーザーに知らせる。
この他DOSの時代にはキーボードやフロッピーディスクドライブなどの一部の周辺ハードウェアの制御もBIOSが担っていた。
かつてのPCではBIOSの知識が必須であり、ビデオカードなどはメインシステムのBIOSとは独立したソレを積んでいた事もある。
PCでは起動直後、メーカーロゴの時にDeleteキーないしF2キーを押せば、少し不気味で英語だらけのBIOSセットアップ画面に入れる(一応日本語化出来るBIOSもある)。
ここからハードウェアの設定変更(起動時のドライブの優先順位の設定など)ができる。ただし下手に設定を弄ると起動出来なくなるので、書かれている内容がわからない場合むやみやたらに設定変更しないのが賢明といえる。
ちなみにメーカーの数だけBIOSがあるのかというとそうでもなく、たいていはAmerican Megatrends, Inc.(AMI BIOS)かPhoenix Technologies(Phoenix Award BIOS)が製作しているBIOSを各機種向けにカスタマイズしている。
BIOSは1981年のIBM PCから延々と引き継がれてきた古いシステムで、設計は16ビット。RAM容量は1MB。プログラムを書くにしてもそこいらにいるプログラマーが書けるはずもなく、セキュリティ問題も抱える始末。
更には昨今の肥大化しつつあるシステムリソースに対応できなくなってしまい、後継規格に置き換えられその役割を終えつつある(古いシステムが必要なら仮想環境で動かすのが一般化している)。
UEFI
PC互換機では2011年頃から使われだしたファームウェア(Intel時代のMacintoshでは2006年から使われていた)。略さずに言うとUnified Extensible Firmware Interface。
元はBIOS後継として開発されたのではなく、インテルがヒューレット・パッカードと共同開発していたItaniumプラットフォーム向けのファームウェアとして作られ、後にx86/x64プラットフォームに移植された。これに対して昔ながらのBIOSはレガシーBIOSと呼ばれる。
近代的なC言語でプログラミング出来、GUIを採用する事でとっつきにくかったレガシーBIOSに比べて幾ばくか敷居が下がった(それでも下手に設定を弄ると起動できなくなる)。
またレガシーBIOSではブートセクタがMBRという都合上、システムドライブに2TB以上のストレージを使用できなかったが、UEFIではGUIDパーティションテーブル(GPT)を標準でサポートすることで2TB以上のストレージをシステムドライブとして使用できる。
余談だがレガシーBIOSではGPTストレージは読み込めない=起動出来ない。普通は気に留めなくてもいいがISOファイルをUSBメディアに書き込む時に注意。
CPUやメモリへの依存もなくなっており、自作パソコン界隈ではマザーボードとアップデートファイルが入ったUSBメモリがあれば、UEFIを最新版に更新する事も容易い。
などなど、従来からのレガシーBIOSとはメーカー側、ユーザー側双方にとって上位互換たりえるので現在のマザーボードのファームウェアはこちらに置き換わっている。