曖昧さ回避
Read Only Member
掲示板などインターネット上のコミュニティにおいて、自らは書き込みをせず、他のメンバーの書き込みを読むだけのメンバー。いわゆる「見る専」「読む専」。「1件の発言があれば、その10倍のROMがいる」とされる。良質のコミュニティを運営するためには、掲示板やブログに発言している『目立つ』人物より、多数の『目立たない』ROMに気を巡らす必要があることを示唆している。
読むだけの行為のことを指して「ROMる(ロムる)」と動詞形で用いることがある。
一部の個人サイトや電子掲示板などのコミュニティでは規約やローカルルールによってROMを禁止していることもある。そのようなコミュニティはROMを防止する目的で非公開化し、ログインしないと内容を見られないようにしていることが多い。過去の一部のSNS、特にmixiにおいては閲覧者の痕跡が残ることから、ROMを「読み逃げ」と称して嫌う利用者も多かった。
pixivにおけるROM
本来の定義に沿えば、絵を投稿しないだけでなく、コメント、評価、ブックマーク、タグ編集、ピクシブ百科事典の編集も行わない者がROMのはずであるが、pixiv上で「ROM」あるいは「ROM専」という場合は大抵、絵や小説を投稿していない者を指す。
ROMである理由は絵が下手という理由が大半であることは間違いない。pixivは他のSNSと違いある程度の能力やツールが必要となるため、誰でも気軽に投稿できるとは言い難い。
ほかにも基本無料の閲覧だけで良しとする、特定のユーザー(特にプロの作家など)を追いかけるため、作品に対する意見を述べたい、流行で登録したなどがある。
ただし、ROMアカウントは実は絵師の複数アカウントである場合がある。なぜ別アカウントを作るのかというと、(公開)ブックマークやタグ編集を知られたくない(特にR-18関連など)という理由があるからである。
ROMへの批判
パソコン通信時代のROM批判は主に回線数・同時接続数が少ない環境で、BBSに貢献していないROMが回線を占有することであった。インターネット時代の今でもpixivのような重いサイトでは、貢献度に応じて回線リソースを配分すべきというのは正論と言えなくもない。
だが、そもそも回線リソースを用意しているのはpixiv運営であって、ROM専批判をしている絵師ではない以上、ROM批判は勝手な自治行為にすぎない。他人の用意したものを勝手に「自分たちの方が貢献しているのだから自分たちが独占すべきだ」と主張するのは、盗っ人猛々しい行為と言えるだろう。
なお、pixivの規約上はROMは否定されていない。むしろ過去にROMを「批判」する作品を投稿したことでアカウント停止に至ったユーザーが居る。pixiv利用規約の13条「(4) 当社もしくは第三者を不当に差別もしくは誹謗中傷し、第三者への不当な差別を助長し、又はその名誉もしくは信用を毀損する行為」 …に引っかかったと思われる。
捨て垢問題
ROM否定論者の中には、「荒らし行為をやるだけやってアカウント削除してしまう捨て垢」の存在をその理由にしている場合がある。しかし仮に、ROMがコメントや評価をできないシステムにしても、適当に拾った絵なり「へのへのもへじ」なりを投稿してから荒らしを働いて消えるだけで何の解決にもならないのは明白。
仮に入会から3ヶ月以上+投稿10枚以上でコメント可のようなシステムにしたところで、あらかじめ荒らし用アカウントを量産しておけば済む話でしかない。本質的にROMそのものの問題でなく、個人のモラル意識の問題に他ならないのだ。
本気で防ぎたいなら、入会時に実名登録を必須にして個人情報と照合したり、登録時に携帯電話番号との紐付けを行うとともに、アカウント停止ユーザーの再登録を不可能にするなどして複数アカウント・捨てアカウントの所持を徹底的に排除すべきである。
もちろんそれでも他人名義や架空名義のいわゆる「飛ばし携帯」を使用するなどして同様の行為を行う者は出てくる可能性もあるが、そこまでやる人間は犯罪を含む嫌がらせ(ストーカー行為など)を企図する相当の悪質ユーザーと思われ、飛ばし携帯を使っている時点で暴力団・半グレやオレオレ詐欺の関係者などと疑われる可能性も出てくる。
「絵師同士の交流の邪魔」論
ROM叩きの理由に「絵師同士の交流の邪魔」を挙げる者も多い。もちろんpixivを「絵師同士の交流」目的で使うのは勝手だが、それをpixiv全体に押し付けるのは間違っている。
なお、「ROMのマイピク申請お断り」と言うのは、ROM否定とはまた異なる。「pixivで絵師以外と繋がりたくない」のと「絵師以外のユーザーがpixivを使うのを否定する」のは、また別の話だからである。
同人文化とROM
同人イベントにおけるROM
コミケに代表される同人イベントにおいても、作られた作品を買うだけの買い専と呼ばれる人たちが存在するが、彼らは作品を作る「サークル参加者」に対して、「一般参加者」と呼ばれている。
イベントのために苦労して作り上げた作品も、買って鑑賞してくれる人がいなければ意味がない。
同人は「作る」側と「鑑賞する」側がセットになって初めて成り立つため、同人イベントでは、立場的にはROMと言える買い専も、一緒にイベントを作り上げる「参加者」として扱われている。
(もちろん、参加者であるからにはイベントを破綻させないような意識や気遣いが求められる)。
同人サイトにおけるROM
個人サイトで、作品のみを鑑賞し、コメントを残さずに去るユーザーを指す。
同人イベントでは作品が鑑賞された時点で一般参加者としての役目は果たすのだが、インターネット上のサイトでは相手の姿や反応が見えないため、作者側の満足感が薄いという問題が浮上する。
特にアクセスカウンターのヒット数とコメントや拍手などの反応の数に大きな差が生じると、あまりの反応の無さを不満に思った製作者が、ROM専を批判する行為に出るという悲しいケースもある(もちろんこれは極端なケースだが)。
個人サイトもpixivも、あまり数字を気にしすぎずに楽しむのが一番良いが、そこまで達観するのはなかなか難しいようだ。
あなたが良い作品に出会って感動しても、悲しいかな、その気持ちはネットの海を越られない。
そんな時は星や拍手をクリックして、その気持ちを伝えてみよう。
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