概要
電話越しに「母さん、俺だよ、俺」などと(自分の名前を名乗らずに)身内を騙って相手から金品をだまし取る詐欺の一種。
現在では「僕だよ、僕」「私だよ、私」と言うバリエーションや、名簿業者を利用して最初から名前を知っている詐欺師が居るのを考慮して、警察や新聞等では「振り込め詐欺」が使われるようになった(とはいえ、娘を騙る詐欺グループは少ない)。実際に「オレオレ詐欺は聞いたことあるけど、オレオレと言ってないから違うと思った」と言う人が居る事を考慮したらしい。
しかし、振り込ませるという方法を採らず、「直接人を派遣して金銭を受け取る」という手口が増加して「振り込め詐欺」も実情に合わなくなり、「特殊詐欺」と言う言葉で呼称されるようになってきている。
特殊詐欺としては他にも偽警察官や弁護士(保釈金詐欺)、偽医者(中絶詐欺)、アダルトサイトの取立人(架空請求)等のバリエーションがある。
対策と発展
あまりに被害が多い為、警察や銀行等もこの詐欺への対策に色々と手を打っているのだが、その都度詐欺グループ側もまた、次々と対策の盲点を突いた手段を行使する形で詐欺を繰り返してもいる。
そして、2019年1月には、遂にこの詐欺の手法を利用した強盗事件(=アポ電強盗)までもが発生。
事件発生の二日前、被害者の家に息子を名乗る者からの電話があったとされ、電話から必要な情報を入手した後、直接家に乗り込んで、暴力と拘束を行使した後、無理矢理金品を奪い取る事態にまで発展。
ついには、同様の手口で強盗殺人事件まで発生した。さらに、この事件をダシにした詐欺事件も発生した。
我々が打てる対策の一つとしては、
「直接的・間接的、払う・受け取る問わず、親族からカネの話の電話が出てきたら全て詐欺」
と決めつけてかかるくらいの警戒感をもって接することかと思われる。
また、直接人を派遣して金銭を受け取る手口については、捕まってしまいやすい金銭受け取り役(受け子)には、詐欺だと知らなかったり、特殊詐欺について軽く考えるアルバイトを使うケースが多い。
「金銭や書類の受け渡し役」でアルバイトを募集していたら、特殊詐欺の受け子のバイトである可能性が非常に高い。
また、金銭を振り込ませる場合には、他人から口座を買い取って組織の足がつかないようにすることもある。口座や通帳は本来売ってはならないのだが、詐欺に使われるとは思わず、軽く考えてしまう人は後を絶たないのだ。
特殊詐欺は、一歩間違えば被害者だけでなく加害者になってしまうと言う問題もあるのである。
意外な話
その1
先述の様に親が子供と信じ切ってしまうのがこの詐欺の手口なのだが、電話口で騙されるのは何も老人だけではなかったりする。実は老若男女問わずこの手法は驚くほど引っかかりやすいという。
この詐欺の最大の落とし穴はターゲットの耳だけで判断した場合に陥りやすい先入観である。
くれぐれも御用心を。
その2
関西では振り込め詐欺に引っかかりにくい一方で、還付金詐欺には引っかかりやすかったりする。金にがめつい関西人の性か。
関連タグ
妖怪ヤマビコ:このオレオレ詐欺の派生形である『助けて詐欺』で戦隊レッドから変身アイテムを騙し取るという狡猾な手段を行った。