復員詐欺
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ふくいんさぎ
戦後行われた詐欺行為の一種。
戦後に行われたという詐欺の一種。横溝正史の小説『獄門島』で出てきたことで有名。
戦後の当時は戦地で生き残っているのか、生きていたとしていつ帰ってくるのか家族にもなかなか知らせることができなかった。そんな中、戦友の家をかたっぱしから訪問して、「その人は生きていて近いうちに帰ってくる」と家族に伝えて、喜んだ家族からお礼や御馳走をもらうというもの。死んだ戦友も生きていると伝えて、家族をぬか喜びさせるあたり、かなり悪質である。
死んだ戦友を生きていると偽って伝えるのは、本人曰く「生きていると伝えればお礼も御馳走も奮発するが、死んだと伝えるとそうでもない」からである。
実際、戦後の食糧難では、やむにやまれぬ事情があったという理由もある。
『獄門島』では島に全く関係ない第三者がついたこの復員詐欺の嘘が元で、起きなくてよかった事件が起こる……すなわち殺す必要のなかった人間を犯人が殺してしまったという悲劇が起こった。
「鬼頭一は生きて近いうちに帰ってくる」と復員詐欺をした男は、詐欺がばれて神戸で逮捕されたことが、金田一の会話の中で語られている。
なお原作小説では会話に出てくるのみで島から去った後だが、映像化された『獄門島』のいくつかでは(多少形は違うが)詐欺をした犯人と金田一が遭遇している。
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