フェルゼン
ふぇるぜん
CV:堀勝之祐→野沢那智(TVアニメ版)/富山敬(映画版)/加藤和樹(2025年劇場アニメ版)
貴族で、容姿端麗で知性的である。
実在の人物である「ハンス・アクセル・フォン・フェル『セ』ン」がモデルで、マリー・アントワネットと愛人関係にあったことも事実で、架空の人物であるオスカルとの関わりを除けば、ヴァレンヌ事件などベルばらで描かれた話はほぼ史実を元にした逸話である。
フランス革命で、自身が唯一、心から愛したアントワネットを喪った失意の中、故郷であるスウェーデンに帰国したが、その失意は民衆に対する深い憎悪へと変わり、民衆を憎む冷たい権力者に変貌し、国民を弾圧するようになり、やがて憎悪を募らせた民衆に撲殺されるという、自業自得ながら哀れで無残な最期を遂げた。これは史実通りの最期だが、彼の本心は親友のオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェや愛人マリー・アントワネットと冥界で再会するためという厭世的な思考にあり、オスカルやアントワネットが亡くなった日に死にたいが故に、わざと冷血漢を演じていたと日誌に書き残しており、革命を逃れ、自分を頼ってきたロザリーとその息子には、若き日からの知己の関係だったからか、本心の一端を吐露していた。さらには革命の混乱の際に死ねなかったことを人生最大の痛恨と考えていたようで、齢を重ね、醜く老いさらばえた姿で、往時の姿のままであろう親友や愛人に再会することを今際の際に嫌悪した。つまりは老いた自分の醜態を親友や愛人に晒すことを激しく恐れながら、惨たらしく死んでいったのである。つまり、強い愛が彼を結果的に冷血漢に変え、独裁的な権力者に変えてしまったという点で、自業自得とはいえ、皮肉な出来事であった。
なお、容貌は本編の時間軸では容姿端麗の美男子であったのだが、革命後は精神的ショック+加齢による老け込みがよほど激しかったのか、革命から歳月を経た後の晩年期の姿は知性的な美男子であった青年時代の面影のほとんど残っていない気難しい老人のそれでしかなかった。美男子であった往時からの激しい老け込みようは、往時の姿を知るロザリーが言葉を失うほどであった。
なお、史実では死後に彼の高官・貴族としての名誉は回復され、高官としての葬儀を許されたとの事。(もっとも、これは彼を見殺しにした軍部の責任逃れに近いが……)
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